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その他の森作品

短編集・エッセイ・ノンシリーズ・絵本・写真集・メディアミックス。


【短編集】

◆まどろみ消去
 MISSING UNDER THE MISLETOE/講談社ノベルス・文庫
〈収録作品一覧〉
虚空の黙祷者 Silent Prayer in Empty
純白の女 The Lilies of Her Cheeks
彼女の迷宮 She is Lost in Mysteries
真夜中の悲鳴 Acoustic Emission
やさしい恋人へ僕から To My Lovely
ミステリィ対戦の前夜 Just Before the Battle for Mysteries
誰もいなくなった Thirty Little Indians
何をするためにきたのか The Identity Crisis
悩める刑事 A Detective in Distress
心の法則 Constitutive Law of Emotion
キシマ先生の静かな生活 The Silent World of Dr. Kishima


 
S&Mシリーズの短編『誰もいなくなった』を含む11編の短編が収められている。
 森氏ご本人がこの本が馴染まない読者は森作品に見切りをつけた方がいい、と公言しているだけに、本書は森作品の真髄、といっていいだろう。短くなるほどに、言葉の切れ味がより際立っているといった印象。



◆地球儀のスライス
 A SLICE OF TERRESTRIAL GLOBE/講談社ノベルス・文庫
〈収録作品&出典一覧〉
小鳥の恩返し The Girl Who was Little Bird(メフィスト)
片方のピアス A Pair of Hearts(メフィスト)
素敵な日記 Our Lovely Diary(メフィスト)
僕に似た人 Someone Like Me(書下ろし)
石塔の屋根飾り Roof-top Ornament of Stone Ratha(PONTOON)
マン島の蒸気鉄道 Isle of Man Classic Steam (メフィスト)
有限要素魔法 Finite Element Magic(書下ろし)
河童 Kappa(小説すばる)
気さくなお人形、19歳 Friendly Doll, 19(書下ろし)
僕は秋子に借りがある I'm in Debt to Akiko(小説すばる)


 
◆今夜はパラシュート博物館へ The Last Dive to Parachute Museum/講談社ノベルス
〈収録作品&出典一覧〉
どちらかが魔女 Which is the witch? (メフィスト)
双頭の鷲の旗の下に Unter dem Doppeladler(メフィスト)
私の崖はこの夏のアウトライン My Cliff is the Outline against this Summer(小説新潮)
恋之坂ナイトグライド Gliding through the Night at Koinosaka(メフィスト)
ぶるぶる人形にうってつけの夜 The Perfect Night for Dancing Doll(メフィスト)
ゲームの国 The Country of Game(メフィスト)
卒業文集 Graduation Anthology(未発表)
素敵な模型屋さん Pretty Shop of Models and Toys(未発表)



虚空の逆マトリクス nverse of Void Matrix/
〈収録作品&出典一覧〉
トロイの木馬 Trojan Horse Program (21世紀本格)
赤いドレスのメアリィ Mary is dressed in red (別冊文藝春秋)
不良探偵 Defective in Detective (小説推理)
話好きのタクシードライバ That's enough talking of taxi driver (角川ミステリ)
ゲームの国(リリおばさんの事件簿1) The Country of Game (メフィスト)
探偵の孤影 Sound of a detective (小説新潮)
いつ入れ替わった? An exchange of tears for smiles  (メフィスト)



【シリーズ外の小説】

◆そして二人だけになった Until Death Do Us Part/新潮社 ノベルス版は講談社より刊行。
 巨大な海峡大橋を支える〈アンカレイジ〉内部に造られた建造物に集った6人の男女。海水に囲まれた完全な密室内で、次々に殺人が起きる。最後に残ったのは盲目の天才科学者と彼のアシスタントのふたりだけだった……

 殺人事件が起こり、謎があり、解くべきトリックがあるにもかかわらず、読み終わってみると本書のほんとうの謎は殺人事件とは別の処にあるということに気づく。
 最後の十数ページは何度も読み返した。目眩がした。
 トリックの素晴らしさは森作品のなかでも上位にランクインすると思う。最後の1行まで、全部がトリックだ。
——『いったい、何が失われた?物質は何一つ失われていない。なくなったのはエネルギィだけ。そんなものは、原子力なり、核融合なりで、いずれ解決してしまうことだ』(p414)


◆女王の百年密室 
GOD SAVE THE QUEEN/幻冬社 ハードカバー&ノベルス 文庫版は新潮社から03年5月刊行予定。
 クルマが故障して立ち往生していたミチルとロイディは、外の世界から完全に隔離され独立した不思議な街にたどりついた。司法も警察もなく、女王が治める街。その街でミチルは、長年追っていた殺人鬼マノ・キョーヤを見つける。

 かねがね、エンジニアである森氏がSFを書いたらどんなものになるのだろう、と思っていた。確かな知識に裏打ちされた興味深い世界観ができあがるのではないか、と。
 この作品はまさにその期待通りに仕上がっていた。のめり込むようにいっきに読んでしまった。
 SFなのにミステリィで、ミステリィなのにSF。殺人事件が起こるけれど、ミチルのたどりついた不思議な街、ルナティック・シティには「死ぬ」という定義がない。コールド・スリープを繰り返し、未来に蘇ることを信じている。それは「生」に執着しているようにも、放棄しているようにも見える。
 永遠の命。飢えも争いもない社会。人間はいつの世も完全なものを求めながら、実際にはその完全のなかで生きていける生き物ではないのだろう。
——『あなたを許すことができるのは、あなただけです』(p445)


◆工学部・水柿助教授の日常 Oridinary of Dr.Mizukaki/幻冬舎 ハードカバー&ノベルス
 不思議な本である。小説のような、エッセイのような。フィクションのエッセイ、というのがいちばん適切な表現であろうか。
 主人公の水柿君は三重県津市にある国立M大学の助教授である。奥様の須磨子さんの話、講座の実験中に起こった出来事、大学入試の話、等々。まさに「日常」がウィットに富んだ笑いを誘う語り口調で淡々と書かれている。
 なにがどう、と的確に言うのは非常に難しいのだが、面白い。好みが別れるところだとは思うが、各シリーズミステリィなどにおける「森節」が好きだという方にはツボにハマること請け合いだと思う。濃い森節を堪能したい方はぜひ。



◆堕ちていく僕たち Falling Ropewalkers/集英社 ハードカバー&ノベルス

◆スカイ・クロラ The Sky Crawlers/中央公論新社 ハードカバー&ノベルス

◆奥様はネットワーカ Wife at Network/メディアファクトリー

◆迷宮百年の睡魔 Labyrinth in Arm of Morpheus/幻冬社
 03年5月発行予定。

◆四季 The Four Seasons/講談社
 03年11月発行予定。

【エッセイ】

◆森博嗣のミステリィ工作室 
Hiroshi Mori's Mystery Workshop/メディアファクトリー

◆すべてがEになる 
I Say Essay Everyday/幻冬社

◆毎日は笑わない工学博士たち
 I Say Essay Everyday 2/幻冬社

◆臨機応答・変問自在 /集英社新書

◆封印サイトは詩的私的手記 I say Essay Everyday 3/幻冬社

◆臨機応答・変問自在 2 /集英社新書

◆ウェブ日記レプリカの使途 I say Essay Everyday 4/幻冬社

◆森博嗣の浮遊工作室 MORI Hiroshi's Floating Laboratory/メディアファクトリー

100人の森博嗣 100 MORI Hiroshies/メディアファクトリー



【写真集】

アイソパラメトリック Isoparametric/講談社

君の夢、僕の思考 You Will Dream While I Think/PHP出版



【絵本】

◆悪戯王子と猫の物語 Fables of Captain Trouble and Cat/講談社

◆猫の建築家 A Cat of Architect/光文社

◆議論の余地しかない A Space under Discussion/PHP出版



【メディアミックス】

◆すべてがFになる The Perfect Insider/幻冬社バーズコミックス
 原作/森博嗣 作画/浅田寅ヲ

◆女王の百年密室 God Save the Queen/幻冬社バーズコミックス
 原作/森博嗣 作画/スズキユカ

◆黒猫の三角 Delta in the Darkness/角川書店アスカコミックスDX
 皇なつき/画




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