このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
† 最遊記 †
コミックZERO-SUM/一賽舎 にて『最遊記RELOAD』として連載再開。1〜9巻はエニックスより発売中。
——『人生なんざ元々死ぬまでの悪あがきだろ』(5巻)
人間と妖怪の共存する「桃源郷」に、異変が起こった。
なぜ妖怪たちは突如として凶暴化したのか。それを探る命を受けた玄奘三蔵は、孫悟空、沙悟浄、猪八戒らとともに一路西を目指す——
ご存じ『西遊記』をベースにした無国籍ファンタジィ(笑)。
現代と同じ銘柄の煙草が売っていたり、缶ビールが存在したり、三仏神から貰った路銀がゴールドカードだったりする(笑)妙な世界の「混ざり具合」が秀逸。
峰倉氏はとにかく、言葉の選び方が鋭い。独特の絵柄とベストマッチするように配置された研ぎ澄まされた言葉たちにもぜひ注目して欲しい。
そしてこの漫画はとにかく、キャラクタが魅力的だ。
無愛想で「死ね」「殺す」が口癖の破戒僧・三蔵。
恐ろしく燃費の悪い胃袋を持つ元気印の猿・悟空。
女を口説くのがライフワークのエロ河童・悟浄。
笑顔が武器のすっとぼけお兄さん・八戒。
性格はバラバラ。全員がマイペース。それでも彼らは「自分」を信じて西へ進む。
それぞれがヘヴィな過去を背負い、己のなかの弱さと戦いながら旅路を行く彼らは、ほんとうに愛すべき男たちなのだ。
観世音菩薩でなくとも、彼らの辿り着く先を、最後まで見届けたいと思わずにいられない。
そして忘れちゃいけない敵キャラも、ひと癖もふた癖もあるヤツらばかりなのだ。
悟空の過去については『Gファンタジー』で隔月連載中の『最遊記外伝』を読むべし。
《キャラクタ紹介&名(迷?)台詞コレクション》・玄奘三蔵
金髪に紫のタレ目。23歳。主な武器はどこに隠し持っているのか謎のハリセンと小銃(S&WのM10)、
そして双肩にかけられた『魔天経文』。煙草はマルボロ赤、ソフトパッケージ。
妖怪に惨殺された、師匠でもあり育ての親でもある光明三蔵法師の形見、『聖天経文』を探している。
光明三蔵を守れなかったという過去から、ほとんど笑わないうえに他人に触れられるのが苦手。
傍若無人で尊大な性格破綻者だが、根は一途でひたむき。不器用なひねくれぶりがなんというか、可愛い男である(笑)。
——『「玄奘三蔵」それが今日から私の名です』
『神を信じなくても自分は信じられる』
『俺が経を読むのは死んだ者のためじゃない』
・孫悟空
大地のオーラが集結した岩から生まれた黄金の瞳を持つ異端児。18歳。主な武器は三節棍にもなる如意棒。
500年の間、岩牢に幽閉されていたところを、三蔵に連れ出される。以前の記憶は封じられているため、
なぜ牢に繋がれていたかは覚えていない。
頭の金鈷によって妖力を制御しているが、いったんそれが外れると見境のない破壊神へと変貌する。
三蔵には絶対の信頼を寄せており、悟浄曰く「ペットと飼い主」(笑)。
——『うん 強くなる』
『どんな腹減ってもお前だけは喰わねーぞっ!!』
・沙悟浄
深紅の髪と瞳を持つ、人間と妖怪の混血児『禁忌の子供』。22歳。主な武器は刃をチェーンで操る錫杖。
ヘビースモーカで煙草はハイライト。
自他共に認める女たらしだが、それは義理の母に愛されず、あげく殺されかけたという過去からくる反動。
口は悪いが情に厚く、おそらく4人のなかではいちばんお人好し(笑)。
斜に構えた偽悪者ぶりが峰倉氏に「可愛い男です。奴は」と言わせる彼の魅力なのではないだろうか。
——『俺のベッドでも踊ってもらおうか』
『悪ィけど女と煙草にはウルサイのよ俺』
『俺は死にたがってる奴を簡単に殺してやる程優しい男じゃあナイの』
・猪八戒
深い緑の眼を持つが、右眼はほとんど見えていない。22歳。左耳のカフスは妖力制御装置。涼しい顔して酒はうわばみ。
気功術を操る笑顔が武器の好青年だが、制御を解くと悟空に「強え」と言わしめるほどの破壊力を発揮する。
もとは「猪悟能」という名の人間だったが、最愛の女性を酷いかたちで失い、千の妖怪の血を浴びて自らも妖怪に。
丁寧な口調と静かな物腰に隠された彼の心の奥は、誰よりも激しい。ときには自虐的ですらあるほどに、だ。
幸せの定義は個人のなかにしか存在しないと思うが、彼には幸せを手に入れて欲しい。それが彼への救いと赦しだろうから。
——『みくびるんじゃねェよってカンジですね』
『あんなに沢山死を見てきたのに変ですね 今では死ぬことが怖く思えるんです』
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