このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

ふるさとレポートinうつくしま・ふくしま

Presented by Comet

 皆さんは福島について知っていることも多いと思いますので、 今回は趣向を変えて福島市が日本に誇る期間限定の生と死の1大ドラマについてレポートしたいと思います。それは阿武隈川で起こります。夏も過ぎた9月頃、彼らは地上へと現れます。そうアミメカゲロウです。夕方6時を過ぎるとぽつぽつと現れ、7時を過ぎるとあたり一面吹雪にあったような白いアミメカゲロウが飛び交います。彼らの寿命は約2時間ととても短いので、力尽きたカゲロウが地面に雪が降ったように積もり、また水面が白くなるほど流れていきます。そしてそれらのいくつかは待ち構えていた魚の胃袋に収まります。

 かつてはアミメカゲロウが橋のランプに集まり橋の上にたまり車のスリップ事故が多発しました。今は発生時期になると橋の下に水銀灯を設置し橋の上に来ないようにしています。

 アミメカゲロウって何だろう?なぜたった2時間のために生きているんだろう?アミメカゲロウは水のきれいなところでも汚すぎるところでも生きていけません。中ぐらいの汚れのあるところに生息します。彼らはデトリタスと呼ばれる有機物を食料にしています。このデトリタスは家庭から出る生活廃水が元になっています。彼らはデトリタスを食べることによって水質浄化に役立っているのです。彼らの羽は貧弱で、一度地上に降りてしまうとまた飛び立つことができません。またメスのからだには卵がぎっしり詰まっていて、胃の中は空っぽになっているそうです。

 近年アミメカゲロウの数が少しづつ(それでもまだ大量ですが)減っているそうです。それは阿武隈川の水質が悪くなりつつあるからです。10年ほど前鬼怒川でも同じようにアミメカゲロウが大発生していましたが、現在は水質の向上により大発生がなくなったそうです。福島もそのようになるように努力したいものです。そしてみなさんも9月になったら阿武隈川の大仏橋にいってみて見てください。そして自然環境について考えてくれれば幸いです。

 special thanks:福島東高校生物部:機関誌「プルナス」

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文責:行政社会学部2年 猪狩祐介 プラットフォーム12号 1996/5

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