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拉致被害者の今回の「帰国」は期限を定めた一時帰国のはずであった。 ところが日本政府は、彼らの家族からの度重なる圧力に屈し、期限を過ぎても彼らを日本国内にとどめたままにしている。
「取られたモノを取り返して、どこが悪い」
……「モノ」が「物」なら、おそらく正しい意見であろう。 だがこの場合、「物」ではなく、「者」である。 拉致被害者本人の意思を軽んじることは、許されない。
彼らは20数年間をかけて、北朝鮮での生活基盤をゼロから築き上げてきた。 その長い年月を、「空白の20数年間」と一方的に決めつけて切り捨ててしまうことが、果たして許されるのだろうか。
拉致被害者に対する日本政府の振る舞いは、残念ながら、彼らの人権を無視した「逆拉致」であると言わざるを得ないだろう。
一時帰国の期限は日朝間の合意であったはずである。 しかし今回、日本はその合意を一方的に破っている。
また、日本が合意事項を守らず、北朝鮮の核開発に対しては「日朝平壌宣言を守ってくれるはず」というのはあまりにも自分勝手ではないか。
信頼関係醸成が重要なこの時期に、相手国の信用を失うような行動を取っていることを、一国民として、嘆かずにはいられない。
© 2002 Chisato Hayahoshi
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