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テレビ東京系列が「とっとこハム太郎」のアニメを放送している。
私も毎週楽しみに観ているわけだが、先日、そのアニメに「ポテトくん」なるハムスターがゲスト出演(?)した。 人里離れた山の中で彼が何故かハムスター相手のファーストフード店を営んでいるという謎の設定で、首をかしげてながら観ていたのだが、数日後には、そんなこともすっかり忘れてしまっていた。
ところがさらに数日後、マクドナルドの前を何気なく通りかかると、なんとハム太郎のハッピーセットが!!
か、かわいい v
……いや、失礼。ともかく、そこで考え込んでしまった。
買おうかどうか、ではない。先のアニメを思い出したからである。
アニメに便乗した玩具やキャラクターグッズなどが出回るのはまだ理解できる。 愛らしいハムちゃんずを何らかの形で手元に置いておきたいという子供たちの思い(需要)と、ハム太郎の人気にあやかりたいという玩具会社の考え(供給)とが一致した、自然な結果であるといえるだろう。
しかし、今回のケースはどうだろうか。 ストーリーが日本マクドナルド社の影響を受けていることは明らかである。 マクドナルドの店頭には、ポテトくんの絵が描かれたバッグまで置いてあった。 彼は、たった1回出演しただけの脇役であるというのに。 アニメが、関連商品を売るための単なる道具になってしまっているのである。
非現実空間だからこそ、物理法則や常識にとらわれない自由な発想で楽しませてくれていたはずのアニメ。
だが、スポンサーに話の筋を振り回されるようでは、それはもはや自由な非現実空間ではない。 残念ながら、極めて現実的な、商業主義であるといわざるを得ない。 今回の一件で私は、桃源郷がいつの間にかウォール街のビルの谷間になってしまったかのような虚しさを、覚えずにはいられなかった。
少年による凶悪犯罪があると必ず、「現実と非現実が区別できていないからだ」などといって、暴力的な表現を含むゲームや映画などに原因を求める声が上がる。 けれども、現実と非現実の境界線をあいまいにしているのは、大人の方なのではないだろうか。
われわれ大人の方が、非現実を非現実として楽しむだけの余裕を、失ってしまっているのではないだろうか。
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この文は、特定の企業・個人等の誹謗や中傷を意図したものではありません。
文中で挙げた固有名詞は全て、一般的な傾向を分かりやすく説明するための具体例に過ぎません。
誤解の無いようお願いいたします。
© 2003 Chisato Hayahoshi
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