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日時:1997年12月23日
旅程
京都7:12−−8:21米原/快速
米原8:23−−9:08岐阜/快速
岐阜9:15−−11:12下呂/普通
散策・温泉
下呂13:30−−14:45美濃太田/普通
美濃太田14:54−−15:23多治見/普通
多治見15:31−−16:06名古屋/快速
自由時間
名古屋17:53−−19:11米原/快速
米原19:21−−20:14京都/新快速
2001/11/14 追加

天皇誕生日の早朝、たびびとは5時前に家を出て、始発電車に乗った。途中からM君、Y君、ないとのっかー君、春日みかさ君が合流。早くも中1生全員がそろった。昨夜、ないとのっかー君はO君の家に泊まりに行ったそうだ。

たびびとは京都駅ビルに行くのはこれが初めてだ。綺麗に磨き上げられたコンコースの床に、目を丸くするたびびとは田舎者だ。

まもなく、全員が集合した。駅員氏に「青春18きっぷ」を見せて、全員無事に改札を抜け、長浜ゆきの快速(221系)に乗り込む。

列車はたいへんすいていたので、全員が席にありつけた。たびびとは、当時高2のT先輩の隣に座って、米原までの車窓を楽しんだ。

米原では、プラットホームの向かい側に停まっていたJR東海の豊橋ゆき快速(117系)に乗り換え。こちらは混雑してたが、なんとか空席を探して座った。早起きがたたったのか、岐阜到着まで熟睡。

ネボケマナコをこすりつつ、岐阜で高山本線の下呂ゆきのディーゼルカーに乗り換えた。ボックスシートに腰を落ち着けると、まもなく列車は発車。名鉄と並走したりしながら、美濃太田に到着。長良川鉄道のレールバスを撮影して、ふたたび車内に戻る。

ここからが、この旅のハイライトとなる区間である。2連のキハ40系は、ゆっくりとした足取りで山を分け入ってゆく。左手に飛騨川がよりそうようになると、カーブも多くなる。川の景色は美しい。毎日見ている大和川とは大違いだ。

M君、ないとのっかー君、春日みかさ君とデッキで記念撮影をしていると、車内検札から戻ってきた車掌さんが帽子を貸して下さった。親切な車掌さん、ありがとうございました。

途中の飛騨金山駅では、みんなプラットホームに降りて駅弁を買い求めた。荷物を見張っていたたびびとが行ってみると、すでに売り切れ。「ごめんね」という売店のおばちゃんの声を背に、僕は列車に乗り込んだ。でも、M君がおにぎりを1つ、ないとのっかー君が栗を1つ、おすそわけしてくれた。優しい友達だ。

2時間弱で、列車は終点下呂に到着。改札を出て、駅前広場で3斑に分かれた。たびびとの属する第1班は、まず温泉へ。今年限りで顧問を引退される、定年直前のY先生に連れられて、円山川にかかる橋を渡って、「クアガーデン」へ。

「クアガーデン」で温泉に浸かって、ふたたび橋を渡って駅のほうへと戻る。

駅前の喫茶店で全員で昼食をとり、発車の20分前に駅へ戻る。列車はすでにプラットホームに停まっていたので、乗り込んで発車を待つ。

しばらくすると、反対側のプラットホームに地響き(?)を上げながら特急「北アルプス+ひだ85号」がやって来た。北アルプスは名鉄新名古屋からJRに乗り入れて高山までを結ぶ特急だが、車内はガラガラであった。「ひだ85号」はそこそこ混んでいたのに・・・。

2連のディーゼルカーはやはりゆっくりと山を下ってゆく。行きと同じ風景が流れてゆく。

美濃太田から太多線(たいだせん)に乗り換えて多治見へ。多治見からは中央本線の快速(211系)で名古屋へ。ロングシートにやや落胆したが、途中からは混雑でそれどころではなくなった。

名古屋駅の大きな電工表示盤の前で、17:30集合ということで解散。中1生のたびびととM君、春日みかさ君の3人は高2生のT先輩に連れられて、名鉄電車に乗りに行った。

直前に、「名鉄の特急はタダで乗れる(自由席は特急料金がいらない、ということです。もちろん、運賃は必要ですよ)」と聞いたたびびとは、「特急、特急」とつぶやきながら、名鉄の新名古屋駅へ。ところが、新名古屋からいちばん近い特急停車駅の金山(かなやま)までは、180円かかることが判明。往復しても40円の差とは言え、関西人のケチ根性を出して、片道160円で行ける東枇杷島(ひがしびわじま)駅まで往復することにした。

東枇杷島駅には普通しか停車しない。電車に乗るために新名古屋駅地下2階のプラットホームへ降りて、田舎者のたびびとは本当にびっくりした。線路は上下1本ずつしかないのに、絶え間なく赤い電車が発着する。乗車位置を示す電光表示が点灯し、警笛を「ファーン」と鳴らして電車がやってきて、ドアが開くとプラットホーム下の回転灯が回る。アナウンスが絶えず流れるその雰囲気に、ただただ圧倒されるばかりだった。

「この電車に乗るでぇ」

という先輩の声を聞いて、われに返って電車に乗り込んだ。

地下を走っていた電車はしばらくして地上に出て、栄生(さこう)という駅に停まり、続いて東枇杷島に到着。改札を出て切符を買い、新名古屋方面ゆきのプラットホームで列車を待つ。

東枇杷島駅を通る列車は多い。上下あわせて、1分に1本くらいの割合である。名鉄の車両はバラエティーに富んでいるので、見ていて楽しい。

T先輩が、「名鉄は近鉄と違って、クロスシート車が多い」と言うのに、やってくる普通はロングシート車ばかり。ついに、この列車に乗らないと間に合わないという16:53発の普通を残すばかりとなった。

ドキドキしながら待っていると、カーブの向こうからまぶしい4灯のヘッドライトが近づいてきた。

「・・・パノラマカーだ!」

誰が叫んだのか、皆いっせいにプラットホームの端まで走ってゆき、一番前のドアから乗り込んだ。皆の願いが届いたのか、最前列の座席は空いていたので、4人で腰を下ろした。やはり、一番前のシートに座って見る景色は最高!!地下区間に入り、新名古屋駅の明かりが見えてきた。その時、かの有名なミュージックホーンのメロディーが聞こえた。鉄道ファンの中には、このミュージックホーンを携帯の着メロにしている人が多いそうだ。

後ろ髪を引かれる思いでパノラマカーを降りて、地下のきしめん屋できしめんを食べ、集合場所へと向かう。

全員が集まったので、プラットホームへ上がる。みな、思い思いの場所へ行ったそうだ。

米原ゆきの快速は、満員だったが、先輩は「中1が座れ」と行って座らせてくださった。たびびとも、この先輩のようにならなければ、と思う。

大垣を過ぎるころには、もう空いていた。近江長岡で特急「しらさぎ」を先に進ませ、米原で新快速に乗る。

友達と話をしていると、1時間は速い。京都駅のコンコースで解散し、それぞれの帰途につく。

今回の旅行は、とても楽しいものだった。「青春18きっぷ」の楽しさを知った。有意義な旅行だったと言えよう。

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