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九州車両の模型事情

JR九州気動車一般色の製作


色鮮やかな特急列車の横でうなりを上げている名脇役たちはいかがでしょうか? 基本的には色替えだけでよいのですが、ちょっと凝ってみても面白いです。 形式ごとに説明していきましょう。

▼キハ40系列(KATO)▼

非電化区間でよく見られる形式です。車体のバラし方は小倉工場試験色のページをご覧下さい。 ちょっと自信がないよ、と言う方は白ボディがASSYパーツで、前面ガラスのサービス付きで 売り出されているので、こちらを購入されると良いでしょう。
さて、バラしたら、作りたいものを決めます。おおまかにわけると、国鉄時代末期(タブレット 保護板付きで、純粋に塗装変更のみ)、現在(タブレット保護板撤去済み)のいわゆる小倉工場車、 と鹿児島工場車の3タイプになります。小倉工場車は、北九州各線や長崎地区、大分地区で 見られるもので、テールライトに青帯がかかっています(他の形式も同様)。
鹿児島工場車は、上記以南の地域で活躍しており、ライトに帯がかからないので、突起物 (ライトやタイフォン)は全てクリーム色で塗装されている、というわずかな違いがあります。 太い帯は、気動車は全て30cm(Nゲージで2㎜)です。

なお、キハ40系列には運転室前の帯のカットの仕方も違いが有り、斜めのものと縦のものがあります。 こちらは当初は施工工場の違い、のようでしたが現在は鹿児島、小倉ともに入り乱れているので 特にこだわる必要はないようです。しかしながら、90年代初頭の鹿児島では縦カット(運転室前後に 帯をそのままぶつける)が主流だったのは、多くの写真からも明らかです。

タイフォンは、近年、鹿児島の車両は全て暖地仕様となりましたので、ヒンジを削り取って カッターでスリットを入れるか、もしくは市販のパーツに交換します(銀河モデルのパーツは 径が小さすぎてダメでした)。北部九州でも、相当少なくなったんじゃないかな?? 残っているらしいですけど。

●種別サボ受けとタブレット保護板の撤去●
種別サボ受け、というんでしょうか、扉横のちょうど腰の高さにあるサボ受けは 現在は撤去されているので削り取るのが、マスキングの手間からしても無難です。 また、タブレット保護板は、 彫刻刀などで周囲を傷つけぬよう、注意深く削り、ペーパーがけして仕上げます。

▼キハ47基本番台の製作▼

KATOではキハ47に1000番台しかなく、キハ48には基本番台しか発売されていませんので、改造して 47の基本番台を製作します。実際のところ、基本番台がないと他形式と連結するしか遊べ ないんだな、これが。トイレがないとお客が困るから。

まず、キハ48と屋根板を交換します。キハ47のボディを裏返すとトイレタンクにあたるところに うっすらと”ここを抜いてください”といわんばかりのモールドがあるので、バイスで穴を 開けて、カッターでつなげて抜き落とします(詳しくは交換相手のキハ48を見ながらやってください)。 あとは、妻板を現物合わせで削ります。48の屋根がぴったりとはまれば、ひとまず屋根板を 外しておきます。

あとは、側面の加工です。0.5のプラ板で窓を1枚塞ぎ、トイレ窓の穴を開けて完成です。 窓は適宜廃物利用で使用されることをお勧めしますが、私は、廃車同様のサロ211の窓を 持ってきて、グレーでHゴムを表現して、これに合うように窓を開けました。 あとは、ほかの車両と合流させて、塗装変更を行ってください。
なお、47と48ではベンチレータの位置が違いますが、お気楽モードで、そのままにしています。 いづれ撤去して現行仕様にしてやろうとは思っていますが。

▼キハ52、20▼

キハ52や20は、前面のおでこが全てクリーム色のものと、 雨どいの線で塗り分けられているものとの2タイプがあります。塗り分けられているタイプは 隙間を埋めたりしないといけないので面倒ですが、やりがいはあるでしょう。 塗り分けてある車両を製作したことがあるので、こちらを優先して紹介します。

まず、ヘッドライトを2灯化します。銀河モデルなどから、ブタ鼻シールドビームなどの パーツが出ていますのでこれを使用します。なお、取り付けは塗装前でも後でもかまいませんが、 少量の瞬間接着剤で、塗装前につけました。なお、このとき、ライトレンズを入れ忘れないようにし、 塗料の付着を防ぐために、ライトレンズにはマスキングをしておきます。 また、キハ52のタイフォンは寒冷地仕様(キハ20は暖地仕様)ですので、これを暖地仕様とします。 銀河モデルの電車用タイフォンパーツ(N-61 タイフォンカバー)がちょうどよいので取り付けます。その前に中央にあるヒンジを 削り落としますが、実車(132など)を見ますとなぜか寒冷地時代のヒンジ押えが残っていますので、 これまで削り取らないように注意しましょう。

なお、屋根板ですが、冷房化する際にはK`s warksのW-AU202というパーツ(2個入り500円)が 便利です。私の場合は、キハ200を製作したときの冷房装置の余りをつなげて使用しました。 冷房装置の取り付けにはベンチレータを1つだけ取り去る必要があります。 (冷房化されたのは、129、132、134。後者2両は現存。近年ベンチレータを全て撤去。 なお、塗り分けは、132が前面雨どい線、帯は運転室前部が斜めカット、134は前面が真っ白、 帯は縦カットです。129は未詳。ライトは132はブタ鼻、134は通常の2灯タイプです)。

●片スカート●
九州のキハ52の一部(上記冷房改造車も該当)にも、スカートが取り付けられていますが、 なぜか、片側だけ、というヘンチクリンな姿をしています。TNカプラのJC63を 加工しても良いのですが、面倒なので手元にあったGM113系用のスカートを切断し、 台車がスムースに動くように開口部を削った後切断して取り付けました。 このスカート、1つ分を2つに切って使っているようで、パーツも、2つに切ったスカートを 両方使用します。なお、取り付ける位置は水タンク側(トイレと反対側のサイド)です。

▼キハ58系列▼

キハ58系列はTOMIXからも発売されておりますので、あまり注目されません。 しかし、TOMIXのキハ58系列は富士重工製を中心としているので、他メーカの 車両、ということで増備するのも面白いかもしれません。また、製品となっていない パノラミックウィンドの車両を製作するのもバリエーションとして楽しみがあります。

今回はほかの車両と同じく、KATO製品を使用しました。 KATOのキハ58、28はボディが共通のため、ちょっとした加工が必要です。 キハ28だけ、連結面に近い給水口を瞬着で埋めます。これでとりあえず区別します。 そして、あとは両者共通ですが、タブレット保護板撤去とタイフォンの暖地仕様化を して終わりです。TOMIXのキハ58は、テールライトに帯がかからない鹿児島工場方式ですので、 向こうを張って小倉工場方式にしました。こちらの方が、マスキングやタッチアップの 手間が幾分少ないです。

なお、鹿児島工場施工の車両の特徴として、ヘッドマークステイ?と思しき手すりが 貫通扉に取り付けられています。おそらく、快速いぶすき、日南マリーン号などに 使用したときの名残と思われますが、伸ばしランナーでつけると”らしく”なります。 長さは目分量ですが、だいたい1.5ミリというのが目安で、あとは上下で長さを揃えます。 取り付けは、タミヤセメントの緑キャップ(サラサラタイプ)を筆先で、 ちょっと触れるか触れないかぐらいの少量を流してやります。

これはキハ52にも付いていますので、興味のある方はどうぞ。いつ頃からか分かりませんが、 北部九州にも同じ加工をされた車両がありますので微妙なバリエーションが増えます。 また、帯の切り分けのバリエーションはこの形式にはなく、全て運転室前で斜めに カットされています。

▼塗装▼

塗装は、全車両が共通でして、青23号にクリーム色10号です。GMカラーに青23号は ないので、青20号で代用しますが、やや暗いようです。
まず、全体を青20号で塗装し、マスキングします。太い帯は2ミリ、雨どい下の細い帯は 0.7ミリです。細帯は目分量で0.5より太くて1ミリより細い、でかまわないと思います。 腰が強いGMステッカーを使用していますが、これが白いので、テープを貼り付けるだけだと JR西日本の旧津山色ぽくなります。しばし旧津山色を楽しんだ?後、青が透けないように 白3号を薄く吹き、上からクリーム10号を吹いて完成です。なお、GMステッカーは 厚みがあるのか分かりませんが、厚塗りするとラインが乱れるようです。気をつけて下さい。

この他...。
キハ23、53(ペアーハンズ、GM)、キハ30(モデモ)など、九州色に塗り替えるネタは けっこうありますので、そのうち増やすかもしれません。


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