このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

九州車両の模型事情

ジャングルプロの811系を製作する


金属キットである811系を製作してみます。キットは側板とロスト製の 前面からなり、サハの200番台用の側板(トイレ付き)が付属しています。

キットのほかに用意するもの
GM211系1000番台キット・DT50台車・DT50動力ユニット 交直流パンタグラフPS16(11-419=KATO)・小型万力・アルミアングル材・Pカッター 万力とアングル材、Pカッターは合計で1500円くらいで揃います。

プライマーとして、SOFT99のプラサフを勧められたので使ってみましたが、 あんまりよい感じではありませんでした。スプレーとして使用するならグンゼだと思われます。

屋根板の準備
屋根板はGMキットから流用します。屋上のクーラー部分を削り取らないといけませんが、 面倒なら、すでに削られている205系キットのものを使用するのも良いかと思います。 幅を0.3ミリ詰めるように指示がありますが、これをしないと妻板と側板でずれが生じるため、 頑張って削ります。なお、先頭車は切断して長さを短くします。

車体の曲げ
金属キット製作の上でハイライト部分がこの”曲げ”作業でしょう。 小型万力でアングル材を介して側板を挟みつけ、KATOの単品ケースなどを使用して 曲げます(ステン尺は曲がるのであんまりアテにならない)。挟んだ部分を中心に 円を描くようにくいっと曲げると案外簡単ですが、曲げすぎないように注意してください。 なお、曲げる角度は、説明書によれば”先頭車ブロックを参考に”とのことですが、 ちょっとゆるすぎるきらいがあり、他の妻板と合いません。211系用の妻板を参考にして、 これに合わせて先頭車ブロックの側板”受け”を削るとよいです。 これが出来たら内板と外板を合わせて、ドア部分をセロテープで止め、瞬着を流して一つにします。 これでプラキットと同様となりました。

酸洗い
手元にあった便所掃除用のサンポールを使いました。酸洗い能力がやや弱いので、 酸化があんまり進行すると落ちずにまずいようです。ドライヤー乾燥後、プラサフを 吹き付けました。先頭車ブロックですが、こちらはうっすらと汚れをかぶっているので、 コンパウンドで磨くと塗料の食いつきが良いようです。

妻板のフランジ取り付け
妻板と屋根板との接着面積を稼ぐために、0.5ミリのプラ板を取り付けます。 こうして接着することで強度が多少上がります。

組み立て
車体を組み立てて箱にします。先頭部のブロックですが、側板との合いが少々よろしくないので、 ”受け”の部分を削っておきます。もっとも、ここで色も塗り分けるわけですので、そこまで シビアになる必要はないと思います。

塗装
シルバー一色に帯デカールを貼ると早いですが、耐久性に劣るために 今回は塗装で処理します。モンザレッドを全体に吹き付けまして、乾燥後に マスキングテープで覆います。そして、青20号に少量の白を加えて調色した ブルーを筆塗りして帯の塗装を完成させます。塗り分けはキット付属のカラーガイドを 参照ください。なお、帯は斜めカットですが、その角度はだいたい60度くらいで、 立ち上がっています。マスキングテープを貼ったら、青帯と赤帯の間に塗料が吹き込まないように マスキングゾルを隙間に塗って、銀を塗装します。 テープをはがせばボディはほぼ完成です。あとは、前面に黒を塗り、クリアーを吹き付けます。

仕上げ
クーラーは銀にぬって取り付けます。クーラーの”向き”は編成にしたときに、クハのみが 逆向きです。つまり、クハ、クモハとも、クーラー横の出っ張りがクーラーの端から近いほうが 前面側になります。 中間車はクモハに揃えます。なお、外れやすいので取り付けはゴム系ボンドでつけるのがよいです。
あとは、窓セルをいれます。

屋上機器は、そのままだとうまく削れず、入らないので、部品の足を削って穴にはいるようにしました。 ただし、後部右側のパーツは、2つある足の取り付け高さが違うので、予めスペーサーをいれて 調節したほうが良いようです。なお、パンタは、KATOのPS16(11-419)を使用し、 これに合わせてパンタ台の位置も調整します。
動力はKATOのDT50付きユニットを使用し、キット付属のヨーダンパを取り付けて機器、台車ともに ガンシップグレー(近年の色であり、登場時は灰色1号)に塗って811系用に化けています。

ライトの処理
ヘッドライトは窪んでいるだけで色差しするのも難しい形状をしています (同じメーカのキハ200も同様)。そこで、ライトの大きさに、窓セルを切って、 裏からシルバー、テールライトはクリアーレッドを塗って少量のゴムボンドを使って 取り付けてみました。引き締まったよい感じになりますので、みなさんもどうぞ。

デカールと時代考証
変遷めまぐるしい九州の車両の中で811系も例外ではなく、細かい部分が変更になっています。

登場当初はクモハが喫煙車、他が禁煙のマークが扉に貼ってありましたので説明書のとおりです。 現在はこれらがある車両とない車両があります(97年から普通列車は全席禁煙となっている)。 。もっと細かいことを言ってしまえば、乗務員室扉の横につく ATS表示が、デカールでは”SK”となっていますが、これは後年のものです。 登場当時は”S”ですので、切るなりして、表現しないといけませんね。


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