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九州車両の模型事情

キット改造・前面自作で815系を作る



デザイン不在の前面など一部では悪評がある一方で、地元を始め九州では”都会的な
スタイル”とそこそこ評判の815系を製作してみます。熊本地区の815系のダッシュ力は、
福岡地区の快速電車を凌駕していると思います。ネタは211系1000番台です。交流機器の
配管など難しいところがありますが、そのあたりは省略して、雰囲気、特に前面の工作
などで車両がスポイルされることがないようにすることだけを注意して作りました。

用意したもの
(主要に使うもの)
211系1000番台キット・DT50台車

(部品として使用するもの)

113系キット付属:サハ111妻板・113系改造用側板(以上・すべてGM製品)
ボディマウントTNカプラー(密連)・209系用クーラー(以上・TOMIX製品)
113系用シールドビーム(N-26)銀河モデル
プラ板・0.14、0.3、0.5の各種と0.4ミリ透明プラ板

注:自分が製作したものは部品の回転の都合上、屋根板にKATOのサロ210を使っています。
ここでは、一般的なキット付属の211系のものに読み替えて記述しておりますので、実際に
製作する場合に多少の差異があるかもしれません。
見た目としては、1ミリほど高さが低くなります。キットの屋根板を使ったものとどちらが
スマートになるかは、今夏製作予定の817系電車で明らかになりますので、その際に記述する
予定です(あかん!ここで”作ります”と言うた以上、作らんといかんがな!)。
予めご了承願います。

◆側板の製作◆
側板は、先頭車、中間車のどちらでも使用可能です。先頭車を使うと工作は楽になりますが、
運転室扉と運転室窓の配置が苦しくなります。中間車を使い、乗務員扉のパーツを使用すると
工作量は増えますが実車により近く作ることが可能となります。

自分が作ったものは、本来815系として製作していた先頭車をキハ200に突発的に変更した
(踏み切り待ちをしていて黄色いキハ200を見て、突然欲しくなった)ために中間車を使い、
車内から前方左側の側板を113系のパーツから、右側は、窓を埋め込んだ上で市販のパーツを
使用しています。<図面)
では、製作に入りましょう。

ビートの削り落とし
まず、側板にあるビートを、彫刻刀と400番のペーパーを駆使して削り落とします。
815系はアルミ車両なので、扉周囲の枠も不要ですから削ります。また、雨どいも不要です。
周囲に傷をつけぬよう、注意しましょう。彫刻刀を使うのが不安だ、という方は、ひたすら
ペーパーがけに励みます。彫刻刀は、刃をよく研いで軽い力で削っていくのがコツで、見た
感じが多少凹凸でも、ビートの方向に刃を滑らせて、引っ掛かりがなくなったらペーパーがけ
に入ります。ペーパーは、割り箸などに貼り付けた400番くらいの荒めのもので水研ぎして
いきますが、その際、絞った裾のラインを乱さないように注意しましょう。

窓埋め
これが終わったら戸袋の窓埋めをします。先に、不要のセンターピラー(窓の間柱)を切り出し、
客用窓を1枚窓にして、切り出したセンタピラーを窓埋め材に使う、という方法が楽チンです。
といいますのは、ピラーの幅と戸袋窓の幅が同じなのです、ハイ。
上下だけを削っていけば埋められますね。不足した分は、0.5ミリプラ板を切り出して使います。
なお、トイレの部分は、キットの部品番号25番を使います。窓埋めは、タミヤセメントの
白キャップではめこみ、裏から瞬着を流して固着させます。そうしたら、瞬着を爪楊枝で取って
接合部分のわずかな隙間を埋めます。

隙間が大きい場合は、マイクロノルズなど、少量しか出ないノルズを使って修整したい部分に直接
瞬着を出します。(この瞬着はサラサラタイプです。ものの本によってはフィルムケースのフタなどに
瞬着を出して楊枝で取る、なんてことが書いてありますが、もったいないです。自分が使用している
WAVEの”×3Sハイスピード”の場合、予め、右手で楊枝を容器の口に持ってきておいて、
左手で軽く容器の腹を押して、ちょこっと口から出てきた接着剤をとって埋めたい部分になすりつけます
>最初のうちは楊枝に染み込んでしまうので、辛抱して使いましょう)。

なんてお上品なことを書いていますが、実は不精な自分の場合、瞬着を埋めたい部分に直接
出していることがほとんどです。あまりに盛り上がってしまった場合は、彫刻刀で削ってから
ヤスリ掛けに入っています(楊枝を使い出したのは、815系、キハ200の側板と屋根板の接合部分の
隙間埋め作業から。だから一応、実践したあと書いております)。
直接出すのは扉などに流れてしまうと、”うぎゃーぁっ!”ってことになりかねませんので、
あんまり薦めませんけど(セロテープをマスキングに使う点と同じく、奇跡的にほぼ無事故
ですけどねぇ)。

なお、自分が使っている瞬着に限らず、あんまりはやく作業にかかるとあとで肉ヤセするみたい
ですので、2時間以上待って内部まで乾燥させたほうが無難なようです。
ゼリー状瞬着だとこのようなことはないらしいんですけど、個人的には使い勝手がよくない気が
しますねぃ。で、乾燥したら400番のペーパーで水研ぎして平滑にします。ペーパーは先ほど
説明したように割り箸の先に接着したものを使います。ゴム系ボンドで接着しておくと、あとで
交換が楽です。

きれいになったら1000番のペーパーで仕上げる、なんていうのは、多分エアーブラシなどを
使う方へ向けてのやり方だと思います。スプレーの場合、そこまで塗膜が薄くできないので、
400番のペーパーをかけっぱなしでも特に問題はありません(と思いますが各自でご判断願います)。

先頭車化改造
先頭車を使って改造している方はそのまま客用窓を広げる作業に移りますが、中間車を使っている
方は、運転室となる部分の先頭車化改造が必要です。戸袋窓と同時に、部品番号25の窓埋めパーツを
使用して窓を埋めます。その後、タヴァサの乗務員扉のパーツを使用し、これに合わせて現物合わせで、
扉がはまるように車体をくりぬきます。
なお、乗務員扉の位置は、左右同じではなく、左側に乗務員扉が来るほうが客室がわに後退して
いるので実車を観察してくださいね。その後、前面と乗務員扉の間につく運転室の窓を抜きます。
少しでもお手軽に済ませたい方は、左側に乗務員扉が来る側板を切り継いで113系の先頭車部分の
側板を使います。これには、元々運転室の窓がついているのでこれを作る手間が省けます。
しっかしながら、扉の位置はさほど後退しません。

客用窓の拡大
客用窓は1m×3mという大窓ですので、これに合わせて拡大します。下辺は原型のままにし、
上と左右方向に拡大していきます。金属ヤスリを使い、隅のRにも気をつけましょう。
なお、妻板側の窓は、上へ拡大するだけです。

屋根板の工作
屋根板はビートがありません(厳密に言えばKATO885系かもめを見ても分かるとおり、
数本だけ入っているが、省略)ので、キットに入っている屋根板のビートを削ります。
彫刻刀で一気に削ってペーパーで仕上げるのは側板と一緒ですね。
厳密なことを再び言えば、全長にわたってあるランボードが雨どいを兼ねて
落ち込んでいるのが実車ですが、そこまでこだわると815系は作れなくなるので
ここはノータッチで。

車体の仮組み
側板、屋根板が出来たら妻板と一緒にセロテープやマスキングテープを使って車体を
仮組みします。これで前面の寸法が分かりますし、妻板と屋根板のRの違いなども
把握できます。組んだ状態で、0.3mプラ板にボディの前面が付く部分をあてて、
鉛筆で外周をなぞっておおまかな形を見たあと、妻板を測って、左右方向、上下方向の
寸法を測ります。これを元に前面を作っていきます。

前面の製作
基本概要の構想
構想段階ではキハ125でもしたのと同じように、基本的に1枚で製作して補強板を取り付け、
窓も通常どおり塗装後に塩ビ板を切り出して取り付ける予定でした。
このため、前面の赤い枠のすぐ後ろにつく黒い枠(?)をつけるつもりがなく、この部分を
どうするのかと、模型なかまに尋ねられたときも、平然と”省略する”と言っておりました。
しかしながら、前面窓は外周ギリギリいっぱいまで拡大されているので、塩ビ板を切り出した
ほうが手間がかかり、やはり多少リアルにしないと、というわけで、窓と黒い部分を一体として
透明プラ板でつくり、この上から通常の白プラ板を使う方法に落ち着きました。

しかし、製作中に、窓の部分だけマスキングしておくのも面倒な話なので、 透明プラ板は、
上下2枚に切断し、下半分は最初から前面に取り付けておき、すべての工程が終わった後、所定の
塗装を終えた上半分を車体と白プラ板との間に差し込む方法を考えて実行しました。

前面の板の製作

基本となるのは、白プラ板の前面なので、これをまず切り出します。切り出したら、
仮組みしてある車体に当てて大きさを確認し、大きすぎるようならヤスリで削ります。
小さすぎたら....根気よくもう一つ作りましょう。大は小を兼ねる、ですよ!!
で、大きさが合うようになったらこれにあわせて透明プラ板を切り出します。ほとんどが
白プラ板に覆われますので、あんまり切り口に神経質にならないでよいです。

で、大きさは、心持ち白プラ板より小さいかな?というレベルで仕上げます。実車が
狭く出来ているんだから、といってあんまり小さくするとボディとの接合面積が
小さくなってしまい、強度に影響します。透明プラ板は、次の工程で窓寸法が
決まったら窓の下辺1ミリのところで切断しておきます。このとき、セロテープを貼り、
そこにクハ、クモハ、どちらの窓ガラスであるかをマジックで書いておくと後で
はめこむときに楽です。透明プラ板を切断したら、下半分のものを白プラ板に接着します。

外周と幌枠の取り付け
そうして、断面形状が固まったら白プラ板の窓を抜きます。窓を抜いたら、全体を
赤い枠(?)で囲みます。枠は、0.14ミリプラペーパーを0.5ミリ幅の帯板に切り出して、
辺ごとにつなぎ合わせます。屋根のRは1箇所か2箇所に切れ込みを入れて、接着するときに
曲げていけばよいでしょう。窓の上を左右に分け、さらに屋根の頂上付近の3つに分けて
屋根のRにあたる部分を処理しました。これが終わったら幌枠を0.3ミリのプラ板で作って
接着します。接着したあと、枠のすぐ内側をカッターなどでなぞって貫通扉を
表現しておきます。

ライトの処理
ヘッドライトは銀河モデルの113系用シールドビーム(取り付け穴1.8ミリ)を使用しました。
金属部分を黒で塗装して、ゴムボンドでレンズを入れておいて準備しておきます。
ライトは塗装が済んだ時点で入れてください。
ライトの穴をバイスであけておきます。あとのワイパー基部、テールライトなどは
0.14ミリのプラペーパーを使いますが、これは塗装が済んでから接着します。

車体の組み立て
車体を組み立てます。前面はプラ板を重ねていますので、切断面がどうしても目立ちますが、
結局のところ塗装で塗り分けますので、アバウトで結構です。なお、窓上につく車外スピーカを
キット付属のエッチングパーツで表現する方は、組み立て前に接着します。自分の場合は
出っ張りがかなり大きくなるので取り付けは見送りました。同じような部品を表現するために
デカールも含まれていますので、こちらの方が便利だと思います。

話を戻して、車体と屋根板の接合は滑らかになるように注意してください。自分の車両は
KATOの屋根を使っているために接着に苦労しましたが、キットの屋根板を使えばあんまり
変なことにはならないと思いますが。接着したら、瞬着を流して車体全体を固着し、
Rの違っている連結面の妻板を削って整えます。

屋根と車体のつながりはスムースにするために、先に窓埋めのところで説明したような
方法で瞬着を盛り付けます。盛り付けたら、割り箸につけた400番くらいのペーパーで
削ります。削るときに、肩部のカーブを崩さないように注意します。前後にペーパーを
動かすわけですが、丸みを帯びさせるような感覚で少しずつペーパーがけの角度を
変えていきます。字で説明するのは難しいので、要は実践です。

ここまで出来たらパンタなどの取り付け穴をあけ、交流機器などを搭載する場合は、
ここで穴を開けておきます。なお、815系のJR無線アンテナは通常のものと違って
根元の台座がないタイプですので、銀河モデルの常磐線無線アンテナなどのパーツを使うと
いいあんばいとなります(作例はペアーハンズのキハ20グレードアップパーツからのおごり)。

床板の加工
動力ユニットは特に何もなしにボディマウント式のTNカプラーが取り付け可能ですが、
トレーラにはちょっと加工してボディマウントのTNを取り付けます。
まずは、TNカプラーがつく部分を、カプラーの幅に現物合わせであわせて切り込みます。
そこに0.3ミリプラ板で取り付け爪をつけたものを製作し、これを床板の上において、
下からTNカプラを取り付けます。いとも簡単でありますし、お安く上がります。

塗装
窓が埋まっていることを確認するためにGMカラーのねずみ色1号を軽く吹きます。
うまく埋まっていることを確認したら、そのまま屋根の色としますので、ねずみ色1号を
しっかり屋根に塗りつけます。実車の屋根はランボードの部分が灰色のほかは、シルバーなんですが
シルバーだと耐久性に問題があるので全体をグレーで塗装した次第です。

屋根をマスキングし、扉や前面で使う赤色をグンゼカラーモンザレッドで塗ります。
そうしたら、前面の赤色で残すべきところと、各扉をマスキングしてアルミシルバーを
吹きます。シルバーを吹いて乾燥させたらそのままクリアーを吹き付けます。
モンザレッドにクリアーを吹くと、少々色合いが変わってしまいますし、屋根には
塗らない色なので、マスキングテープを一切剥がさずに塗っています。ただし、
テープを剥がすときに一緒に周囲のクリアーもはげてしまうことがありますので、
テープを剥がすときには、周囲をカッターで軽くなぞっておくことが必要です。

さて、マスキングテープをはがすといよいよ815系らしくなってきます。
前面ですが、ライトを取り付けたあと、ややライトの大きさが小さいことに気が付きました。
もう少し黒色の取り付け部分が大きい気がしますので、取り付け部分を表現するために
ライト用の穴の周囲を黒色で縁取りするとよいかと思いました。
ライトを裏から瞬間接着剤でとめます。その後、屋上にJR無線アンテナを取り付けますが、
こちらは濃い目のグレーとなっていますので、日本海軍軍艦色などを使用して塗ります。
クーラーはTOMIXの209系用がパーツとして発売されているのでそれを取り付けます。
大きさとしては、815系用のものの方が大きいですが、代用します。なお、場所はわずかに
中央よりも後ろに取り付けられていますので、注意してください。車体中央(中扉)に
取り付けても別に変ではないですけどねー。
高圧引きとおし線などをつける方はこのときに作業しておきます。

前面ガラス
前面のガラスは、裏から黒をスプレーして、窓上のフィルムを表現します。
編成番号などは入らなくなりますけど、そこは我慢であります。
なお、ガラスのふちを黒で塗っていくわけですが、こちらは筆塗りが向いています。
当然マスキングは、表側全体もしておきましょう。通常の塗装と違い、一番最初に
吹いたものが表から見えるので、吹き始めに注意します(黒色ですのであんまり
神経質にならなくても大丈夫ですが)。

前面の仕上げ
前面のテールライト、ワイパー基部のパーツは0.14ミリのプラペーパーを切り出して作ります。
かなり小さい部品となりますので、丸みを出すのにペーパー掛けをするのはかなりきつく、途中で
部品が折れてしまうこともありえますので、カッターナイフで角を落とすくらいで大丈夫です。
ごく少量の接着剤で前面を汚さないように接着したら前面ガラスを入れます。前面ガラスは
入れる前に方向幕が付く部分に1ミリくらいの穴を開けておくとよいかもしれません。
そこからタミヤセメントの緑キャップ(サラサラタイプ)を流し込んで、前面本体とガラスを
接着するためです。接着したら、当然屋根板とガラスも接着剤を流します。なお、瞬間接着剤を
使うと白化(白く曇る)しますので、使わないでください。

車体の仕上げ
あとは、キット付属の塩ビ板からガラスを切り出して接着していけば完成です。
なお、あとから特高圧線などを瞬着で取り付ける予定の方は、ガラスを固着し、作業のときは、
セロテープなどをガラスに貼り付けて、ガスと塩ビが触れないようにする。もしくは、ゴムボンドの
点付けとし、取り外しを容易にしておくの方法が考えられますので、やってみてください。
オプションとしては、ガラスにスモークをかける、というのがありますけど、やってもやらなくても
いいです。実車のガラスは緑色がかかったUV96ガラスですけど、模型で緑色のガラス、というのも
けっこうしんどい感じですので、やるならブルーかスモークだと思います。この場合は、ガラスを
透明プラ板にしたほうがよさそうですね。


自社線連絡

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