このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

九州車両の模型事情

885系”かもめ”インプレッションβ版


 
INTERCITY KYUSHU KAMOME EXPRESS 885 SINCE 2000
2000年春のデビューと同時にKATOから登場をアナウンスされていた885系特急電車
”かもめ”がついに2000年の暮れも押し迫った12月22日、Nゲージにデビューしました。
九州へは福岡の新王様模型(NKM)に23日に入荷するなど、発送の関係で若干
遅れたそうですが、幾度かの予定変更を経て(当初は冬、一度11月に前倒しの
情報が流れた後、12月下旬に落ち着く)ようやく登場しました。
登場の仕方が実車並みだったというか、ギリギリまで姿を現さないので、本当に
登場するのか、と最後まで気をもませました。

さて、無駄話はこのへんにして、車両そのものを見てみましょう。
まず、セットを手にとって見た印象は、”こんなんだったっけ?”というもの。
実物と印象が違う、というものですが理由は、裾の黒線が、実車の場合、
目立たないからでした。レールに並べてみると、違和感はなくなりました。
さて、車体に描かれたレタリングですが、皆さんがよく言われるように、
カスレなどもなく本当にきれいに仕上がっています。前頭部のレタリングも
きちんと滲みなくされており、ルーペで拡大したら読めると思います。
前頭部ガラスは周囲と一体で、黒と黄色が印刷されており、
滑らかな外観になっています。欲を言えば、黄色の発色が今ひとつ、
といった印象も受けるんですが、皆さんのお手元の車両はいかがでしょうか?
787系では、ライト周辺が穴があいているだけで、透明プラでの処理が
なされていませんでしたが、この車両は、車体とツライチになるように
ガラスがはまっていて、白色LEDの採用と共に抜群の冴えをみせています。

また、この車両、KATO得意の振り子式車両の機能がついて登場しました。
実車と同様、カーブで車体を傾斜することができる機能でして、台車の振れ幅で
車体の傾きを調節するようになっています。
この機能は、E351系のモデルではじめて採用され、今回で2例目ですが、E351系では
不具合があり、そこを改良しての登場でした。
改良点は、E351系では、全部の台車に振り子の機能をつけていたのを、車両の
片側のみの台車にしたことで、振り子のある台車は、先頭車は連結面寄り、中間車は
長崎寄り(コモンスペースがある側)台車につけられています。
E351系は脱線が多く、これが悩みの種でNゲージの掲示板でもよく話題になっていました。

側面
側面は唯一ともいえるマイナスポイントですが、側面全体の印象の問題ですから
大減点ともいえなくはないです。
といいますのは、ガラスがやや奥まった印象があるということです。
ガラスを透明プラで成型する場合、通常は、車体のプラとのはめ合わせを考慮し、
できるだけ、車体とツライチになるようにしているものですが、この885系の場合、
窓が小さくて通常の処理なのに目立つようになっただけかもしれませんけれども
随分とプラの厚みが気になります。
実車は窓ガラスが車体からやや出っ張った印象もありますので、ここが少し残念なところです。
車体の白と熱線吸収ガラスの黒が絶妙な合いを見せる実車ですが、模型の場合は、ガラスが
透明なままです。コモンスペースだけガラスを塗り分けてスモークをかけていますが、
全体を塗って欲しかった、と思えなくもないです。
ただし、スモークをかけると本当に車内が見えにくくなるので車内も見せたいメーカー側の
兼ね合いもあったのでしょう。どなたか窓全体にスモークをかけてみる勇気あるお方はいません?
近年は窓と車体が平滑に仕上げられた車両が実物に増えてきて、模型でも、この885系や
EF210のように前頭部で窓やライトとその周辺部を一体成型後、塗り分けて表現する例が
出てきました。そのうち、車体全体を窓を含めて透明プラで一体成型して塗装、印刷で全て
表現してしまう車両が出てくるような気がします。

床下
JR九州特有の濃いグレーを表現しています。見方によっては茶色が
かかっているような気もしますが、気になる人はGMカラー35で塗りなおせばいいわけで、
気にすることではないでしょう。
前頭部は台車の前についている半球状のもの(883系にもある)が先頭台車と一体になっているのが
少し驚きですが、脱線しないようにするためには必要な処置です。
車内は通常とおなじく、薄茶色一色の成型品です。木の床を表現するにはピッタリですが、
座席を黒に塗装するのもなんだかなぁ、といった印象です。

パンタ周辺はグレー一体成型で破損しにくいように工夫して作られています。
交流電車なので碍子がにぎやかで、これを塗装するのが良いと思います。
実車は、塩害を防ぐために碍子にグリースが塗ってあるので、ライトグリーンでしょう。

妻面は実車が白い鉄板の扉なので、味も素っ気もなく、真っ白な妻面にグレーの幌だけが
寂しくついています。実は、実車の幌は黒です。
夏に博多駅で色差しの参考にするため、パンタ周辺の写真を撮ったときに
写っていましたし、乗車した際にも確認しました。
実車は転落防止の外幌がついていますが、こちらは省略されています。

別添えパーツ
2号車につく電話アンテナと先頭車のJR列車無線アンテナが別パーツです。
また、ステッカは、かもめ、ソニックを運用に合わせて添えてあります。

さて、ソニック用885系がイラスト付きで公表されました。
5両編成4本が登場しますが、いつ実車が登場するのか、目が離せません。
なお、昨年の有明用787系の登場は2月下旬でした。参考までに。
INTERCITY KYUSHU KAMOME EXPRESS 885 SINCE 2000
 

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