このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

 

北総開発鉄道の経営好転/開業以来初めて経常収支ベースの黒字

 

■平成12(2000)年12月25日付交通新聞記事より■

「北総開発鉄道は15日、初めてとなる『中間決算』を発表した」

項目数字前年同期比
輸送人員1,564万人+2.1%
新鎌ヶ谷駅利用者(記述なし)+18.1%
売上高61億2,900万円+5.5%
営業費37億5,400万円+0.7%
営業利益23億7,500万円+14.1%
営業外費用(記述なし)−13.7%
経常利益1億6,900万円+7億2,400万円
累積損失445億4,900万円−5億2,600万円

「東武鉄道野田線新鎌ヶ谷駅開業が大きく寄与」
「千葉ニュータウンへの新規入居増も後押し」
「営業外費用は、低金利時代を反映し・・・・・・減少」
「営業開始以来、初めての黒字」


 印旛日本医大前を出発する北総7000系電車

 

■コメント■

 これは、慶事である。まずは祝福したい。

 新興の鉄道は、営業ベースでは大幅黒字であっても、初期投資の償還負担が大きいため、経常ベースでは黒字が出ないことが悩みである。北総開発鉄道も、その例のひとつに数えられる。

 ニュータウンの人口が当初想定の4分の1ほどしかないとか、外的な要因は確かにある。しかし根本的には、初期投資に要した借入金と比べ、資本金の少ないことが、経営上最大の問題となっている。北総開発鉄道の資本金は 215億円だが、固定負債は実に 1,362億円にもなる(鉄道統計年報より/平成 9(1997)年度実績)。

 累積損失を軽減したとはいえ先はまだ長い、と評することはやさしい。しかし、今まで達成できなかった経常利益の計上を実現した意味と意義は大きい。営業外費用(ほぼ総額が借入金の償還)の負担が軽くなる一方であれば、今後は経営指標が劇的に好転していく可能性さえある。

 北総開発鉄道の経営が、より一層安定することを期待している。

 

 

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