このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

 

多摩モノレールの利用動向に関する調査

 

■平成13(2001)年 1月24日付日本経済新聞(首都圏経済面)記事より■

 この記事には、大妻女子大学が行った調査の結果が掲載されていた。調査内容は、多摩モノレールの利用動向について、多摩ニュータウンの住民に対して問う意識調査である。以下に抜粋する。

「モノレールに乗ったことのない住民が全体の33%を占め、今後も66%がモノレールを『利用しない』と回答」

「休日の買い物も、沿線の立川より、新宿に出かける人が多かった」

 

 

■コメント■

 多摩モノレールの利用者数が想定を下回っていることは、既に知られているところだが、それにしても厳しい結果が出ている。

 環状方向の路線を経営する難しさは、当初の需要が大きくない点につきる。JR武蔵野線にしても、開業当時は閑散とした状況だった。時間帯によっては、次の列車まで1時間以上待つことさえあった。しかも列車は6両編成と短い。今の武蔵野線は、日中でも8両編成の列車が12分間隔で運行されているから、まさに隔世の感がある。

 武蔵野線の強みは、沿線開発が進み、利用者が急増した点にある。だから武蔵野線は、輸送力増強に追われることになった。

 多摩モノレールの場合はどうだろうか。多摩ニュータウンは、「ニュータウン」との名が銘されているとはいえ、街としては既に成熟しつつある。今後人口が大きく増加するとは、考えにくい。その点、多摩モノレールにとって、確かに厳しい状況ではある。

 とはいえ、人の流れが変わらないとは限らない。いささか極端な喩えになるが、その昔鎌倉が首府であった頃、幾筋もの鎌倉往還が放射状に伸びていた。その中の一本は、やや距離はあるが、多摩モノレールに並行している。新田義貞が在地から鎌倉に攻めのぼったルートは、まさにこの往還に沿ったものである。

 需要の根源たる人口は、沿線に既にある。人の流れがモノレールに沿う可能性は、充分にある。現状だけで即断せず、長い目で見るべきだろう。

 

注:上のアイコンの著作権は「Rail&Bike」柏熊秀雄様に帰属します。

 

 

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