このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください





━━ 日暮里・舎人ライナー開業シリーズ そのⅨ ━━


バス路線再編・確定情報





■バス路線再編

 「あだち広報」第1531号(平成20(2008)年 3月20日付)には、バス路線再編に関する確定情報が掲載されていた。以下、重要と思われる情報を表示しておく。

系統名変更内容ラッシュ時日中営業する会社
見01【新設】見沼代親水公園駅−安行循環約30分間隔約60分間隔国際興業
見21【新設】見沼代親水公園駅−草加駅西口約20分間隔約30分間隔東武バスセントラル
川14【経路変更】入谷東循環を舎人駅経由に約30〜60分間隔国際興業
西11
はるかぜⅢ
【経路変更】入谷三丁目経由を入谷八丁目経由に約30分間隔約50〜75分間隔国際興業
川15【経路変更】弥平町・加賀循環を舎人公園駅・谷在家駅経由の循環線に約10〜30分間隔約60分間隔国際興業
赤23【経路変更】谷在家公園経由を西新井大師西駅経由に約10〜20分間隔約20分間隔国際興業
王46【経路変更】上沼田小学校経由を西新井大師西駅経由に約30分間隔約60分間隔東京都交通局
北05【新設】北千住駅−扇大橋駅−江北駅約20分間隔約20〜30分間隔東武バスセントラル
東43【延伸】終点を荒川土手操車場から江北駅に約30分間隔約60分間隔東京都交通局
里48【減便】運行本数削減
【廃止】足立流通センター終点行・東京北部病院行
約 9分間隔
約20〜30分間隔
東京都交通局
深04【廃止】東京都交通局


 こうして見渡してみると、実効の伴う再編は里48の減便及び赤23の経路変更くらいではないかと思えてくる。新設される見01・見21のダイヤなどは、単に形を整えただけにすぎないと評するべきで、同じ国際興業バス川11・川13の圧倒的な運行本数の前には霞まざるをえまい。

 ラッシュ時運行間隔20〜30分程度の端尺路線を集めたところで、日暮里・舎人ライナーの利用促進にどれほど寄与するか、大きな疑問符がつく。もともと東京23区内のバス路線網は、軌道系交通ネットワークとの連携を重視しているとは必ずしもいえない。このたびのバス路線再編でも、その通弊が顕在化したといえようか。



■里48の利用状況

 しかしながら、現状の里48利用状況から判断する限り、日暮里・舎人ライナーの見通しはあながち暗くないと思われる。たまたま平日18時台の舎人二ツ橋行に乗車したところ、利用者の動きが双方向にあることがわかったからである。

 筆者が乗車した舎人二ツ橋行は、日暮里駅前発車時点で既に混雑し、西日暮里駅前発車時点では寿司詰めとなった。最混雑断面は熊野前−扇大橋南詰間で、利用者数は80〜90名程度であろうか。この状況はおそらく、夕ラッシュ以降どの便でも大差ないと思われる。これに対して日暮里駅前行は、江北六丁目団地発の便こそガラガラに空いていたものの、舎人二ツ橋発の便には立客が出るほどの混み具合になっていた。利用者数は40〜50名程度というところで、足立流通センター付近からの退勤客と想定される。

 思い起こせば、筆者はかなり以前、 この方向にも通勤需要がある 、と記事にしたことがある。里48はもっと幹が太いわけで、逆方向ラッシュの存在について失念していたのは、われながら迂闊であった。

 東京都心と足立流通センターでは、通勤需要の絶対値に懸絶があるとはいえ、それでも双方向のラッシュが成立している意義は大きい。東京都心への通勤ラッシュはあまりにも巨大で、首都圏の軌道系交通はこれを太宗とせざるをえないのが実態だが、逆方向の通勤ラッシュは沿線産業の成熟を示す指標であり、好ましい現象だ。さらに日中の利用も相応にあれば、沿線住民の日常的活動の活発さを表すモノサシとなる。



 日暮里・舎人ライナー開業後の利用状況がどうなるか、まったくもって楽しみである。もっとも、器が大きすぎるから、それなり利用されていても、閑散寂寥たる様子に見えてしまう可能性もまた否定できない。開業後は、以上の点について、努めて客観的に伝えていこうと考えている。

 長らく不定期に続けてきた日暮里・舎人ライナー開業直前シリーズ記事は、とりあえずここまで。次は開業初電・初日のレポートを届ける予定である。





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