このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください





バス路線再編補遺





■見21見沼代親水公園駅−草加駅西口


遊馬町に悲願のバス路線が開通!

  3月30日、日暮里舎人線舎人ライナーの開通に合わせ、同線見沼代親水公園駅と草加駅を結ぶ新バス路線が開通し、遊馬町西バス停前で開通記念式典が行われました。

 この日集まった約 100人の地元の皆さんは、念願がかない一様に喜びの表情に満ちあふれていました。



「広報そうか」平成20(2008)年 4月20日号より



 運行頻度といい、車両のサイズといい、率直にいって端尺路線の印象が強い見21だが、地元、とりわけ草加市遊馬地区の方々にとっては、「地区で初めてのバス路線」「都内を経由せず草加市中心部にアクセスできるバス路線」という観点から、意義深く捉えられている様子である。それにしても「悲願」とは大袈裟な表現で、かえって微笑ましくもある。

 今まで遊馬地区に最も近かった竹06新里循環は竹ノ塚駅西口を起終点としており、草加市中心部へのアクセスはまったく考慮されていない。竹04竹ノ塚駅西口−草加駅西口間に乗ろうとしても、停留所までがいささか遠い。

 東武伊勢崎線の西側において、草加市域の利便性を重視したバス路線が決して多くないことは事実であり、その意味において見21の存在は決して軽くない。朝日自動車に委ねるのではなく、東武バスセントラルが自ら乗りこんできている点も、意欲のあらわれと見ることができよう。もっとも、草加営業所管内の路線だというのに、系統名称が東京起点というあたりに、路線の性格が透けて見えたりする。

見21
見21草加駅西口行(東武バスセントラル)


 需要が少ない路線であることは確実なので経営的には厳しいとみなさざるをえず、またそれゆえに、日暮里・舎人ライナーのフィーダー路線として機能するかどうか疑問も多い。とはいえ、相応の社会的意義があることも一方の事実として存在するわけだから、今後の推移に注目したい。





■西01皿沼循環

 日暮里・舎人ライナーの開業に伴うバス路線再編において、まったくアナウンスされていなかったので盲点だった。減便である。今までは日中15分間隔だったのが、20分間隔に間引きされていた。停留所で待っていてもなかなか到着せず、時刻表を見てようやく気づいた次第。

 実際に乗車してみると、車内の利用者数には以前と比べ大きな変化がない様子に見受けられた。であれば、減便分がほぼそのまま利用者数減ということになる。加賀・皿沼地区から西新井駅に向かう唯一のバス路線であり、かつ西新井駅西口の再開発の進展からして、日暮里・舎人ライナーとの競合は限定的になると見ていたが、状況はなかなか厳しそうである。





■里48日暮里駅東口−見沼代親水公園駅

 大鉈がふるわれ、日中は大減便(10分間隔→20〜30分間隔)になってしまった。しかし、全区間乗り通しても運賃 200円という低廉さには魅力が伴うはずで、利用者がどのように動くか興味深いところであった。

 結論からいえば、利用者の多くは「高い・速い・運行本数多い」日暮里・舎人ライナーを選択している。「安い・遅い・運行本数少ない」里48は、利用者が明らかに少ない。

 日暮里・舎人ライナーを西日暮里起点で考えてみると、扇大橋・高野までは 220円区間に入る。だから、西日暮里−扇大橋・高野間に限っては運賃面でも里48と拮抗しうるのだ。 220円区間の次はいきなり 270円区間に上がるから割高感が伴う(例えば日暮里−扇大橋間では 270円)ものの、圧倒的な高速性には魅力があり、割高感を補いうる。

里48
里48日暮里駅東口駅行(平成17(2005)年撮影)


 里48のさらなる衰退は確実である。江北−見沼代親水公園間では日暮里・舎人ライナーの駅間が長いため、全廃に至るとは考えにくいとしても、今後も減便が続く可能性は高いだろう。あるいは、尾久橋通から敢えて外した路線設定に改め、「はるかぜ」化という道も想定される。

 余談になるが、巷間よくいわれる、高水準サービス提供と同時の運賃料金水準値上げに対する批判は、少なくとも日暮里・舎人ライナーについてはあてはまらないことがわかる。運行本数が大幅減になったとはいえ、並行路線が温存されている状況のなかで、利用者の選択が離れている事実が現にある以上、批判に説得力はない。このようなことは、あくまでも事実に基づいて議論すべきなのである。





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