このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください





平成21年の初日





■舎人公園にて

 「変」の歳、平成20(2008)年が暮れて、平成21(2009)年が明けた。長男坊が初日を見たいと言い出したのはいいが、どこで見るかで少々困った。足立区は標高が低く、建物が多いため、日の出・日の入りを見るに向いている地勢ではない。眺望が開けるのは荒川の河川敷くらい、ただしクルマではアクセスしにくい苦しさがある。

 ・・・・・・今年からは良い場所ができたことに気づくまで時間はかからなかった。舎人公園である。舎人公園の地下空間には日暮里・舎人ライナーの車両基地があり、この車両基地建屋の上には覆土がされていることから、あたかも築山のようになっている。足立区内の公共空間ではおそらく最高標高地点で、眺望に恵まれている。駐車場も完備しているし、舎人公園で初日を迎えることに決めた。

舎人公園
舎人公園(日暮里・舎人ライナー車両基地直上)から西側を眺める


 平成21(2009)年元旦、午前 6時過ぎに起床。長男坊を起こして、クルマを出す。舎人公園の駐車場に着いたのは 6時20分頃。舎人公園に足を踏み入れてみると、もともと平日でも「ラジオ体操講」があるようで、何箇所かでラジオ体操の輪ができている。そして、舎人公園で初日を仰ごうと思ったのは我々だけでなく、軽く百名を超える方々が築山の上に集まっている。この場所は、開業直後にして「眺望の良い場所」という共通認識ができあがっているようだ。

舎人公園
舎人公園(日暮里・舎人ライナー車両基地直上)で初日を待つ人波


 家を出る時には真っ暗だったのに、東の空は既に明るい。日の出の時刻は 6時41分だという話が聞こえてくる(※後ほど調べた正しい初日の出時刻は 6時51分)。地平の建物に阻まれ、少し遅れるのは確実としても、待つほどもなく初日を仰ぐことができそうだ。

 天気は快晴、綺麗な初日になりそうだ。まず地平近くの雲がオレンジに光り始め、初日の出現場所を予告する。やがて東の地の端に光点がにじみ、続いて初日が上がってきた。画面中央の高層マンションに初日が隠される事態にならなかったのは幸いだった。

平成21年初日@舎人公園
舎人公園(日暮里・舎人ライナー車両基地直上)で迎える初日


 初日そのものはごく短時間のイベントである。太陽はすぐに全体を顕し、まぶしく地上を照らしてくる。人々は満足して三々五々と散っていく。筆者も初日の写真を撮っているうちに、目が痛くなり耐えられなくなってきた。とはいえ、筆者にはまだ撮るべき対象がある。いうまでもなく、日暮里・舎人ライナーである。

日暮里・舎人ライナー
富士・サンシャイン60・新宿高層ビル群を背景に走る日暮里・舎人ライナー(舎人公園)


 せっかく眺望に恵まれているのだから、これを撮らない手はないというものだ。富士・サンシャイン60・新宿高層ビル群を背景として、燦々とした初日を受け輝く日暮里・舎人ライナーを撮ってみた。日常と同じ光景であっても、元旦の気分と雰囲気からして、なんとなくめでたく思えるから、不思議なものだ。

日暮里・舎人ライナー
初日を背にして走る日暮里・舎人ライナー(舎人公園)


 日暮里・舎人ライナーは所詮ローカルな交通機関にすぎない。しかし、初日を仰ぐ人出がこれほどあったというのは驚きであり、地域の核になるという意味においては、間違いなく根づいていると感じた次第である。本年は良い年でありますように。また、日暮里・舎人ライナーが地域発展の礎としてさらに育ちますように。





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