このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください
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━━ 日暮里・舎人ライナー各駅寸描 ━━
ⅩⅢ.見沼代親水公園
■駅前広場
見沼代親水公園は、日暮里・舎人ライナーの終点である。今までにも舎人二ツ橋終点の折返場として広場が確保されていたが、場所をやや北側に移し、名を見沼代親水公園駅前と改め、バスベイ付の立派な駅前広場が設置された。
見沼代親水公園駅全景
里48系統の行先表示も「舎人二ツ橋」から「見沼代親水公園駅前」に変わっている。
里48見沼代親水公園駅前行(東京都交通局)
今までの舎人あたりは低層住宅による開発が中心であった。日暮里・舎人ライナー開業をあてこんでか、近頃では高層開発の兆しがあり、背後にも新しいマンションが見える。東京都23区では最も外縁のこの地にも、ようやく都市化の風が吹き始めた。
■意欲に欠ける新設路線
駅前広場が立派になった一方で、新規路線には積極的意図がまるで感じられない。まずは国際興業バスの見01系統安行循環。
運行本数がきわめて少なく、最も運行頻度が高い時間帯でも毎時 3本、日中は毎時 1本しか運行されない。しかも、需要が集中している新郷農協−新郷支所−峯八幡宮間を経由しないルート設定には驚く。大型車を充当しているとはいえ、「形だけを整えた」という感じが否めない。
見01安行循環(国際興業バス)
こちらは東武バスセントラルの見21系統草加駅西口行。運行間隔は終日ほぼ30分間隔と、それなり充実してはいるものの、器が如何にも小さい。
「はるかぜⅦ」
と同形状の小型車ではないか。低床部面積が広くなったぶん、より新しいことが明瞭な車両ではあるが……。
見21草加駅西口行(東武バスセントラル)
国際興業バス・東武バスセントラル両社の真意は必ずしも明かではない。しかしながら、第三者の感覚からすれば、新たな需要を開拓しようという戦略・戦術的意図は微塵も読みとれない。日暮里・舎人ライナーが開業したから、渋々おつきあいで御祝儀を出しているようなもので、最低限のアクセスを確保するにとどまっている。両社にとっての主な需要地は温存されており、交通流動の大きな変動はないと見なければなるまい。
もっとも、時間をかけて交通流動が変化していけば、意欲を示さない両社であろうとも、それに追随していかざるをえない。数年後、十年後、数十年後の姿がどのように変わっていくのか。日暮里・舎人ライナー沿線の地に深い関わりを持つ者の一人として、見守っていきたい。
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