このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
平成21年初頭に不景気を実感す
■まずは一般論
現在の景気は、「大恐慌以来最悪」さらには「未曾有の危機的局面にある」とさえ形容される状況となっている。サブプライムローン破綻から金融危機が顕在化したことに加え、昨年(平成20(2008)年)には自動車産業まで急減速しており、景気の大幅後退は明白なものとなっている。
一般的な「中流」日本人の感覚からすれば、「住宅」は人生最大の買物、「自動車」はそれに次ぐ大きな買物といえよう。これに関して思うところは筆者においてもあるが、今のところ考えがまとまらない(いずれ記事にする構想はあるが)。
よって、この正月に体感しえたことを挙げ、現下の不景気について、その断片なりとも記してみることにする。
■初詣
筆者宅では例年、元旦に初詣の参拝をしている。14〜15時頃、まず氷川神社に参拝した後、環七を渡って西新井大師に詣でるのが、通例のコースである。
地区の鎮守である氷川神社境内は閑散としたものだが、正月の西新井大師は混んでいる。西新井大師は、明治神宮・成田山新勝寺・川崎大師などには遠く及ばないものの、首都圏の初詣参拝客数では十指に入る名刹であり、正月の人波は毎年はげしい。とはいえ、ここ数年の初詣では、行列はしてもすんなり参拝できる状況が続いていた。東武伊勢崎線沿線の仏閣に初詣するよりも、どこか遠出する方が面白い、という方々が多いのかな、という感想を持ったものである。
今年は状況が一変した。参拝の行列が滞って動かないのである。本殿階段手前及び参道交差点の二箇所で規制線が設けられ、なかなか前に進まない。行列し始めてから参拝するまでにたっぷり一時間を要し、ここ数年で最もはげしい混雑を経験した。
いうまでもなく、混雑と渋滞との間はタイトな閾値があり、参拝客数がほんの数%変動しただけでも渋滞が極度に悪化、厳しい混雑のように見えてしまうということはありえる。あるいは、時間変動や年変動の山と谷に、たまたま出会っただけなのかもしれない。それにしても、今年の初詣参拝客数は多かった、遠出を控え近場ですます方々が多かった、と言い切って差し支えない断面であろう。
このように言い切れるのは、もう一箇所に参拝しているからである。筆者宅では例年、二日に越谷の久伊豆神社にも参拝し、家内安全などのお札を頂いている。筆者宅からでは、日光街道(旧国道 4号)が元荒川を越えた先で右に折れ、県道をさらに右折し、神社北側の駐車場に入るのが通例のコースである。
この県道が片側一車線で、しかも右折車線を有していないことから、入庫待ちで大渋滞というのが例年の状況であった。たいした距離ではないのに、日光街道の交差点から駐車場まで小一時間ほど要することもままあり、気分が滅入る区間である。
それが今年は、実にすんなり通過した。心浮きながら、駐車場入口で右折しようとしたところ、なんと警備員を立てての右折禁止措置がなされており、臨時駐車場に入れろとの指示であった。すんなり進んだはずである。あとは案内に従って臨時駐車場を目指すだけなのだが、さんざん迂回してさらに入庫待ちし、臨時駐車場に停めるまで、結局小一時間を要してしまった。
愚痴に属する部分はともかく、臨時駐車場の広さには驚いた。中学校の校庭を活用したもので、15時代後半だというのに満杯である。通常の駐車場と合わせると、容量は倍以上に増強されているものと思われる。それだけ多くの人出が見込まれ、かつ現実に参拝客数が多かったことの持つ意味は、浅からぬものがあるだろう。
かくも多くの人出がありながら、昇殿参拝者が例年より少なく見えた点が気になった。昇殿参拝には初穂料を要すわけで、金額は決して小さくない。これを惜しむ心理は筆者においても理解できる(実は筆者宅でも昇殿参拝するかどうかは議論になった)。初詣にはやってきても、参拝は神殿前で簡素に済ませるという、平均的初詣参拝客の姿がにじんでくるというものだ。
好景気のなかにあれば初穂料を惜しむ心理は軽減され、逆に現下の好況に感謝し、より高額の初穂料を出す気持ちにもなるだろう。正月の外出先を近場での初詣に選びながら、初穂料を吝嗇してしまうという、平均的な初詣客の心理状態に、現下の不景気の深刻さを感じざるをえない。
■♪おかいもの♪おかいもの
久伊豆神社での参拝後、レイクタウンSCに足を伸ばしてみた。噂はよく耳に届くものの、今まで行ったことがないため、せっかくの機会と考えてみた次第。久伊豆神社出発が日没時点になったため、混雑は薄らぐ時間帯のはずという読みもあった。
その認識はまったく甘かった。レイクタウンSC到着は17時半頃であったろうか。まだまだ大混雑なのである。最近愛用しているクリスピー・ドーナツ(試食のドーナツが出来たてで美味)などは30分待ちの行列ができていた。
歩き回るにつれ、レイクタウンSCの規模広壮さに圧倒される。埼玉南西部にはイオンが近頃林立しており、筆者の感覚では、川口グリーンシティ<川口ダイヤモンドシティ≪浦和美園≪レイクタウンという序列になる。近年開業したばかりの浦和美園でさえ霞んで見えてしまうほどで、同じイオンでこれほど競合的な出店をしていいものかどうか、他人事ながらたいへん気になる。また、アリオ西新井はもとより、アリオ亀有と比べても魅力が多い場所で、東京都内もじゅうぶん商圏に入ってくるだろう。
正月ゆえに客足が多いのかもしれないが、混み具合を比較してみても、アリオ西新井や川口ダイヤモンドシティの19時頃の状況が、レイクタウンの21時頃に相当するような感じで、なんとも賑々しい。
あまりにも広くて、歩き回るのに疲れるという問題があるものの、店構えにはおおいに魅力的だ。個々の専門店の客層は狭くとも、これだけの数が揃えば総体としてストライク・ゾーンが広く、多種多様な客層に訴求することが可能だ。しかも、多くの客で賑わえば、それ自体が魅力になるという要素もある。正月に遠出を控え、近場で済ませる行先としては、なんとも好適ではあるまいか。レイクタウンSCの好況よりむしろ、その背後にある不景気のほうが、どうしても気になるところである。
レイクタウンSCについては、規模が大きすぎるため、どのように伝えたところでその断片しか伝えられない憾みが残る。ただし、交通論として採り上げても面白い断面があるため、このへんを切り口として、いくつか記事をまとめてみたいと考えている。
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