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続・清廉潔白の話(感想編)
■「平成28年 7月31日執行東京都知事選挙」感想編
「平成28年 7月31日執行東京都知事選挙」の結果は、正直なところ意外だった。事前の情報分析報道から小池候補の勝利までは予測できたものの、20時を回り投票終了となった直後に当確が出るほど、大差がつくとまでは思わなかった。
結果に対する報道は多々出ているものの、ごく単純化していえば、知事選挙によくある展開で、(現)体制批判が投票行動に直結した、といえるだろう。
自民党・公明党などから推薦を受けた増田候補は 179万票を獲得した。前回選挙の舛添候補と比べやや少ない数字だが、組織票をよく固めたとはいえるだろう。しかし、都政の現体制を嫌気する無党派層の投票行動に圧倒され吹き飛んだ格好だ。
鳥越候補は、民進党・共産党などから推薦を受けた。率直にいって、候補者本人はいうまでもなく、推薦する政党に対しても、都民・有権者からすれば「バカにするな」「侮るな」という感情が先に立つ。政治・行政の経験が全くなく、都政を(あまり)語らない人物が立候補する、という時点ですでに根本的な無理がある。本人の資質に問題があるだけでなく、推薦した政党の見識も疑わなくてはなるまい。増田候補以上の厳しい批判を受けた、という認識がないのは如何なものか。むしろ 134万票を獲得したのは大健闘といえるくらいだ。
小池候補は、政治家としての実績と経験を背後に、無党派層が吹かせた風に巧く乗った。都議会・都庁官僚との関係構築には苦心するはずだが、すでに「敵失」が連発されている状況なので、都民の声を背負う形をとりながら、政局を主導していくものと思われる。
それにしても、今回都知事選挙の報道に関しては(産経・讀賣を除く)多数のメディアが露骨に鳥越候補を応援する記事を垂れ流していたのには驚いた。筆者はメディアの筆法を幾つか知っており(典型例は細川政権誕生の衆議院総選挙直前報道)、独善に辟易するとともに嫌悪感を覚えたものだが、印象操作に流される人々も相当数いるのではないかと懸念していた。結果は前述のとおりで、メディアの露骨な印象操作からはほど遠い結果が出て安堵している。
繰り返すが、今回都知事選挙は(現)体制を批判する投票行動、と筆者は考える。その批判の対象となったのは、都議会・都庁官僚にはとどまらない。安直に野合して鳥越候補を推した野党、鳥越候補を露骨に応援したメディア、どちらも批判の対象の一部となっているはずである。無党派層が送った風が当選させたのが小池候補だったという結果こそ、その証拠だ。
「『安倍政権の独裁に反対する』と言いながら、政党が密室で決めた候補を無条件に支持するような市民運動なんですよ。こういうようなあり方をしている限り、日本のリベラルは勝てない」
選挙告示直前に立候補を取りやめた
宇都宮氏の指摘
は、野党やメディアに届くだろうか。
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