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似て非なる「岐阜」
まずはとにかくこの画像を御覧頂こう。
なんとも中途半端な横断歩道で、道路対岸まで渡ることができない。それどころか柵で閉ざされており、道路対岸への横断は物理的に不可能だ。警備員が配置されているうえに、白線黄線で囲みまでしてある。これは一体なんなのだろう。
マイクロバスがやってきて、停車した。その脇を別のバスが通過していく。
マイクロバスは客扱いを始めた。日本の道路は左側通行、しかしここでは歩道が右側にくるため、安全地帯を黄線で囲み、横断歩道を配置したというわけだ。歩道を左側に置きさえすればこんな変則をする必要はないとしても、レイアウト上どうしても避けられないことは確かで、黄線囲みの安全地帯・警備員というソフト面で対応を図った事例である。
同じような安全地帯は岐阜でも見られたが、利用者に対する配慮の次元は懸絶していると評さざるをえない。岐阜では長年に渡り利用者の安全を放置し続けてきた一方、こちらは全ての利用者の安全に目配りしつつ、どうしても皺が寄る部分をソフト面で補っているのだから。あるレンタカー会社では、この右側歩道に対応するため一部に右扉バスを用意しているほどで、ハードの不備を補う努力までしている。利用者に対する配慮は、まさに雲泥の違いではないか。外見こそ同じでも、中身はまったく異なるではないか。
ちなみに、この場所は千歳空港である。鉄軌道と空港あるいは道路では、どうしてこうも差があるものなのか。歴史の長さに甘えて、時代の変化をとりこむ努力を図らなかったつけは、いつ回ってくるのだろうか。つけを払う日がくれば、鉄軌道に敢えて乗る利用者などいるまい。恐怖と危機感を覚え、慄然とざるをえない。
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