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【書評】「胸をはってクルマに乗れますか?」
「胸をはってクルマに乗れますか?〜〜美しい自動車社会を求めて」
舘内端/NAVI編集部著
二玄社 1,260円(消費税込)
Web での情報
だいぶ前のことだが書店でこの本を目にし、表題だけで購入した。しばらく「積ん読」状態が続いていたが、読む時間を得たところ、実に興味深かったので印象を記しておく。例えば、冒頭からしていきなり興味深い記述があった。以下に引用してみよう。
タテウチ:俺たちは犯罪者だな。はからずもエネルギー・環境問題拡大のお役に立ってしまった。
サトー :とは言いながら、やっぱりクルマは楽しいもので、生き残ってほしいと思ったんです。
タテウチ:そう、クルマの楽しさや便利さを次の世代に伝えたい。けれど、その前に俺は懺悔しないといけない。
このように引用すると誤解を招きそうではあるけれど、著者らは「自動車の便利さ」と、さらに「自動車に乗る楽しさ」を保持したままで、自動車という交通モードが生き残っていくための方策を得たいと考えている。この発想のしかたは正しいと、支持したい。自動車はそれじたいが便利な交通機関であり、たとえ化石燃料が枯渇するようなことがあろうとも、別のエネルギー源を求めて存続するモードであろうから。
同書はいろいろなところに取材に行っている。「これが本当にクルマの本なのか?」と首を傾げてしまうような場所や対象まで採り上げている。それだけ情報源が幅広いということでもあり、自動車(趣味)業界の好奇心・探求心の奥行きの深さ、社会的視野の広さがうかがえる。今となっては新刊でないため、入手は難しいかもしれない(
紀伊国屋
では在庫僅少との由)が、読者諸賢に一読をお勧めする次第である。
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