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高いか値ごろかこの運賃〜〜日暮里・舎人ライナー





■日本経済新聞平成19(2007)年 6月 6日付記事より


新交通「日暮里・舎人ライナー」 / 運賃160−320円に

 (前略)
 運賃は距離によって四段階設ける。最も都心寄りの始発である日暮里駅から乗車する場合、赤土小学校前までは百六十円、足立小台まで二百二十円、谷在家までは二百七十円、終点である見沼代親水公園までの残り三駅は三百二十円となる。
 ……現在は鉄道空白区となっている足立区西部の通勤・通学などが大幅に便利になり、埼玉県川口市や鳩ヶ谷市などからの利用者も見込んでいる
 すでに利便性の向上を見込んで新交通線沿線ではマンション建設が活発となっている。二〇〇七年一月時点の公示地価では足立区西部で三○%上昇する地区も表れるなど、沿線の地価は大幅に上昇している。

※下線は筆者が付した。





■値上げと見るか値ごろと見るか

 上に紹介したとおり日暮里・舎人ライナーの運賃が決まった。並行する都バス里48系統では利用者の多くが扇大橋−谷在家間に固まっているから、同区間を基準として考えれば35%の値上げということになる。都バスは23区内において均一運賃制を採っているから、路線末端の舎人公園−見沼代親水公園間では実に60%もの値上げになる。

 日暮里・舎人ライナー開業後のバス路線網再編計画は未だ明らかでないが、仮に里48が従前どおり存続するならば、転移を躊躇するような値上げ幅である。その一方、日暮里・舎人ライナーの速達性(及び定時性)は明々白々であり、値上げに見合う程度の時間短縮効果が得られることはまず確実だろう。初乗り 160円は東京メトロなみであり、他の私鉄と比べれば割高感があるものの、格別に割高というわけでもない。

 ここで重要なのは、引用記事にいうところの「マンション建設」に代表される新住民の存在である。彼らは日暮里・舎人ライナーの利便性を前提条件として、沿線の物件を購入した(する)はずなのだ。里48に頼ってきた古くからの住民とは、感覚が異なってくるのがむしろ当然であろう。いささか高めの運賃設定であっても、わりあい簡単に受容される可能性が高い。人が変われば感覚も変わり、社会もすがたを変えていく。

 それにしても引っ掛かるのは、引用記事の下線部である。なんとも意味深長な言及で、かなり大胆なバス路線網再編計画の一端が垣間見えるようにも思われるが、気のせいか。

 平成19(2007)年 6月27日付「新交通がやってくる! No.10」(東京都・東京都地下鉄建設)によれば、既に車両の入線試験が始まっているという。残念ながら筆者は目撃していないが、長男は動く列車の姿を見たという。開業はもはや指呼の先にあるはずなのに、あいかわらず「平成19年度末開業」とだけ示されており、具体的な開業日は未だに明らかではない。さてさて、開業はいつの日か。





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