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中央快速線と田園都市線の共通項〜〜混雑平準化
■中央快速線への不満
中央快速線に乗って感じる不満の第一は、中野−三鷹間が複々線であるにも関わらず、各駅に停車していく(ただし平日のみ)という点だ。中野・高円寺・阿佐ヶ谷・荻窪・西荻窪・吉祥寺・三鷹と駅名を列挙すると、不満感がよく見えてくるだろう。これらのうち数駅だけでも通過してほしいという思いは、筆者だけでなく多くの方が感じているに違いない。しかし、この区間の快速運転は未だに実現していない。その理由として、複々線化にあたって全駅に停車させるという「地元との約束」を交わしたから、という説がある。いわゆる「杉並三駅問題」である。
しかし、たとえ約束があったとしても、不合理な運行形態を続ける理由にはなるまい。そんな思いをもって、ある消息通の方に中野−三鷹間で快速運転できないかと問いかけたことがあるが、以下の理由ではっきりと否定されてしまった。
「中央線を中野−三鷹間で快速運転とすると、ただでさえ混雑が酷いところへ更に利用者が集中し、パンクしてしまう。また、総武緩行線とのアンバランスが拡大し、なんのための複々線化ということになってしまう」
この方の見解が正しいかどうかはひとまず措くとして、一理も二理もある考え方であることは確かである。もともと複々線化は混雑緩和が主な命題であるから、速達性を犠牲にしてもいいと割り切るならば、混雑平準化のため各駅停車扱いとすることも充分ありうるだろう。逆にいえば、JR東日本は自らの判断で快速運転を敢えてやめているというのに、「地元との約束」の存在を否定しないことで責任転嫁している(利用者の不満をそらしている)可能性さえ指摘できるのである。なにしろ、土休日には高円寺・阿佐ヶ谷・西荻窪を通過させているのだから、平日だってできないはずがないのだ。
近頃青木栄一先生の手による「鉄道忌避伝説の謎」が刊行されているが、俗説には意外に真実が含まれておらず、まったく別の合理的根拠が存在していると考えた方がまず安全といえよう。
■田園都市線の場合
さて、田園都市線(もとの新玉川線区間)で朝ラッシュ限定で急行運転をやめるという件について。何故そのようにするかはいくつかの理由が考えられるが、列車毎の混雑平準化が最も有力なのではないかと想定される。
朝ラッシュ時において、より速く着く列車に乗りたいというのは、多くの利用者に共有される心理であり、急行列車が特に混雑する事態はおおいにありうるところだ。混雑列車が渋谷駅での客扱いに時間をとり遅れが生じることになれば、後続列車の遅れは加速度的に深刻化してしまう。よって、列車毎の混雑平準化は重要な課題となりうるはずだ。
急行運転をやめるこという実にわかりやすい施策で、大井町線への誘導を意図している可能性は決して否定できないものの、平均的所要時間はむしろ短縮されることから、その線は薄いと見る。やはり主目的は列車毎の混雑平準化にあり、大井町線の改良がなった後も継続するのではないかと予測するが、さて実際のところはどうだろうか。
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