このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

書評(平成19年01月26日)

『もうアレルギーに苦しまない
—ぜんそく・花粉症・アトピー性皮膚炎
(永井 博弌著・ 丸善)

  私は、花粉症というか、アレルギー性鼻炎の体質です。杉花粉だけでなく、ヒノキ、マツ、カモガヤ、ブタクサ、スギナ、ヨモギ・・・色々な植物の花粉(一部は胞子?)に反応します。さらにダニやハウスダストにまで反応します。あまり風邪はひきませんが、以上のような訳で毎年のように耳鼻科で何かしら診断してもらっています。多い時は年に2度以上ということもあります。

 そういう訳で、鼻炎をはじめとしたアレルギーには大変感心があります。免疫の仕組み自体にも非常にも興味があります。この本にも述べられていますが、アレルギーとは体を守る免疫の行き過ぎです。アレルギーという言葉以外に、最近アレルゲンという言葉をよく耳にします。アレルゲンとは、アレルギーを起す抗原のことです。

 この本では、どのようなものがアレルゲンとなり、またそれをもとに作られる抗体が引き起こすアレルギーを非常に分かりやすく説明しています。アレルギーだけでなく、免疫の基礎的な知識も学べます。個々のアレルギーについて、手っ取り早く対策を知る為のノウハウ本という体裁ではありませんが、アレルギーというものの全体像を正しく理解して、自分はどれに該当するかを考え、対策するためのガイドブックとしては良い本だと思います。

 一般にアレルギー治療には2方面から治療は必要とのこと。仏教の言葉を借用すると「抜苦与楽」だという。気道がせまくなって苦しくなっている患者の気道を広げて、苦しみを取り去り、また気道の炎症を取り去るといった方法。つまり苦しみを取り去る薬と、その苦しみを作り出しているもとである炎症を治す薬の両方を用いるようです。また最近漢方薬が副作用が少ないということでよく用いられるようになりましたが、漢方薬は病気を治すことより病人を治すための薬だと考えたほうが良いなどと言った指摘は、参考になりました。

 この本は、日本薬学界編の本でもありますので、抗アレルギー剤など薬の種類や、吸入器などの器具の使い方も詳しく載っています。アレルギー予防方法やアレルギーに罹らない暮らし方・気の持ち方なども述べられています。

 この本を参考に予防することはいいことだと思いますが、アレルギーがひどくなった場合はやはり病因にいった方がいいでしょう。その場合、処方箋により購入した薬を、この本でどういう薬か自分なりに調べるのも、いい方法かもしれません。最近は薬局でもらった薬の袋の中に、その薬の効能などが書いてあることが多いですが、私はここ数年必ずといっていいほど、インターネットで調べることにしています。でもこのようなガイドブック本があれば、簡単に調べられるからいいかもしれません。
 
 という訳で、繰り返しになりますが、アレルギーの携帯用ガイドブックとしてお薦め本です。

 (この本は、中能登町鹿西図書館から借りてきた本です) 

(参考) インターネット上のAmazon.co.jpの本の紹介に書かれた文章を転記。
◆内容(「BOOK」データベースより)
「ぜんそく・花粉症・アトピー性皮膚炎などのアレルギーの病気は、原因をつきとめ、適した対処法をとれば、症状を軽くしたり発症を防ぐことができます。どうやってアレルギーの原因物質を避け、とりのぞくか、くすりをいかにうまく使って治していくか、どんなくすりを選んで使うかなど、それぞれのアレルギーの原因を考えながら、具体的に解説します。 」
◆内容(「MARC」データベースより)
「ぜんそく・花粉症・アトピー性皮膚炎などのアレルギーにどう対処したらよいか。症状を軽くしたり、発症を防ぐための具体的な方法、薬の選び方、治療法の最前線を、やさしく解説。〈ソフトカバー〉 」

このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください