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第7回・高校野球観戦術
私がどのような視点から高校野球の試合を見ているのかという点について書いてみたい。 私は年に多いときで20〜30の試合を観戦する。テレビ観戦を含めると100試合以上にも 上るだろう。高校野球には、様々な場面において見所が存在する。それは試合中だけではなく、 試合前、試合後にも。 私がどのような視点から高校野球の試合を見ているのかという点について書いてみたい。
<試合前>
試合前にはシートノックがある。まずは、ここでひとつチェックだ。 ボール回しを見れば、そのチームの力が把握できるといっても過言ではない。 スローイングの形、捕ってから投げるまでの流れ、肩の強さ。 力の差がかなりあるチームの対戦では、はっきりとその違いが現れる。
ノックでは、その違いはさらにはっきりと現れてくる。 内野手のグローブさばき、スローイングの正確さ、外野手の肩の強さなどなど。 ノックをじっくり見れば、試合の勝ち負けを6〜7割の確率で予想することが できるといっても過言ではないだろう。

<試合中>
観戦のメインとなる試合について。 技術うんぬんの前に私がチェックしているのは、チームの雰囲気だ。 監督がいかにもこわそうな人で笑顔がひとつもないチームもあれば、 キャプテンを中心にしてニコニコ笑顔の耐えないチームまでいろいろある。 これも高校野球の楽しみ方のひとつといっていいだろう。
続いて、ポジション別にみていきたい。
「熱中!甲子園2」(双葉社)の中で安倍昌彦氏が述べていることも参考にさせていただく。
【投手】
なんといってもまず見るのはフォーム。 「しなやかでムダのないきれいなフォームであれば、それだけいいピッチャーだ」 というのが私の持論。 細かくいえば、体重移動、テークバックの形、全体のバランスなどを見るのだが、 いいピッチャーはひと目で分かるものだ。 球の速さ、コントロールうんぬんの前にフォームが大事。 フォームの良し悪しは、野球にそれほど精通してない人でも見て分かるものなのでは ないだろうか。 自然の理にかなったものでなければ、いい球は投げられないのである。
安倍氏は、イニングごとの投球練習にその資質を見るという。「意思を持った投球練習をする投手は好投手であり、投球練習を肩ならし程度 に思っている投手は大甘」だと説く。 それは、「コントロールを武器にアウトを重ねたい投手は7球全て 渾身の集中力でストライクを投げて、 見つめる主審の脳裏にその制球力のよさを刷り込むことだ。人間の先入観はバカにならず、 瞬間時の判断を狂わせる。際どいコースをストライクに見せる先入観を主審に抱かせた瞬間、 投手は10人目の味方を得る」ためであるだと語る。
【捕手】
私はインサイドワークがどうのこうのといえるほど目が肥えていないので、 もっぱら見ているのは肩の強さである。
安倍氏の見方は非常におもしろい。
バッターが打った後、捕手がどこを向いているのかに注目する。 ボールの飛んでいった方向をボーっと見ているのか、それとも足元を見ているのか。「打者の踏み出した足跡の爪先が投手を向いていればチョロい相手と考えてよく、 逆に、爪先がホームベースを向いていたら出来るヤツ」なのであり、捕手は打者の足跡を観察せよという。
また、「打った打者が放り投げていったバットをどうするか」にも注目するらしい。 ただ手に取って渡すだけでなく、軽く振ってみたりじっくりとそのバットを 観察しているかどうか。バットの種類によって、打者の特徴を把握できるためである。 こうしてみると、いかに捕手というポジションが頭を使うものかが実感できる。
【内野手】
私が見るのは、捕ってからファーストに投げるまでの流れ。 でもこれはシートノックの時点で見ていることなので、守備体系に目をつける。 バント対策の守備体系、ホームでランナーを刺そうとする前進守備体系など。
【外野手】
肩はシートノックの時点で見ているので、ここでも見るのは守備位置。 左バッターが打席に立ったときレフトはどう動くのか、 ランナーが2塁にいるときにどのような深さで守るかなど。 それと外野手で大事なのは、落下点にいち早く着き、後ろから捕球に来られるかどうか。 この点が外野手にとっていちばんのポイントといっていいだろう。

<試合後>
勝敗が決まって、悲喜こもごもの表情を見ることができる。
忘れられないのは、2000年夏の宮城大会決勝・東北対仙台育英戦。 試合前は東北有利との声が圧倒的だったものの、試合は6−4で仙台育英の勝利。 負けてしまった東北の選手以上に、仙台育英の選手たちが泣いて喜びを分かち合っていたのが とても印象的だった。全国屈指の右腕と評判だったものの、残念ながら甲子園出場はならなかった 後藤君の無念の表情にもまたグッとくるものがあった。 その両者の姿に、私は思わず目を潤した。
勝ったチームには「おめでとう!」、負けたチームには「よくやった!」と心の中で 声をかけてあげる。これぞ高校野球ではないか!

<番外編>
【応援席を見る】
高校野球の応援といっても、様々なパターンに分類できる。以下は私の分類。
1.ブラスバンド主導型
ブラスバンドの奏でる楽曲にのって応援を盛り上げる。
例としては、智弁和歌山。 「アフリカンマーチ」は圧巻。
2.野球部員主導型
野球部員が先頭にたって応援を盛り上げる。
例としては、仙台育英や東北など、 東北地区の強豪校に目立つ。
3.スタンド一体型
「踊る応援団」と称される専大北上があげられる。生徒が踊りまくって応援をくりひろげる。
他にも盛岡中央など。
4.応援団主導型
伝統校に多く、バンカラ応援団などにみられる。
例としては、盛岡一、福岡、仙台一、仙台二など。
5.チアリーダー主導型
あるのだろうか?知ってる人は教えてください。

それと宮城では、5回終了時グランド整備の時間にスタンドで行われる 野球部員のパフォーマンスにも注目。2000年の夏は仙台育英のスタンドで、 サルのぬいぐるみを着てのパフォーマンスがあった。

2000年11月3日(文責・まっしー)


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