このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

個性重視野球 〜那覇高校、新たな風を送る〜


沖縄県代表・那覇高校がこの夏、私たち高校野球ファンに、いや全ての野球ファンに衝撃を与えた。 左利きのキャッチャーとサードに個性的なバッティングフォーム・・・・・・・。 私にはそれが衝撃だった。普段見ているのとは異なるその光景に。 キャッチャーが右手でボールを捕球し、左手で送球する。 なんだかおかしい。あまりにも右利きのキャッチャーを見すぎているためだろう。 そもそも、人間には右利きと左利きの2種類しか存在しない。 しかし、なぜスポーツに限らず日常生活においても こうまで右利きが幅を利かせているのか、興味のあるところであった。 それについては、 「野球にまつわるエトセトラ」 で触れているので、 ここでは問題提起だけさせていただきたい。 さて、世の中に「常識」というものは無数に存在しているといっていいだろう。 そして、野球の中にもその「常識」は存在する。

内野手は4人で外野手は3人
 状況によっては内野手を5人にしたり、あるいは外野手を4人にしてもいいのではないか?
 (実際にこういうことをしたチームはあるらしい)
キャッチャー、ファースト以外の内野手は右利き
 右利きの選手が有利なのは確かだが、その選手に能力があれば左利きでもいいのではないか?
スイングはダウンスイングで
 高く遠くまで飛ばしたいならおもいっきりアッパースイングでもいいのではないか?
バッティングフォーム
 その選手にあったフォームならばどんな奇抜なフォームでもいいのではないか?

那覇高校の試合を見ていて、これらのようなことが頭をよぎった。 我々は常識に束縛されすぎている。常識に従わないものは非難される。 今や大リーグで活躍している野茂投手のあのクルっと体をひねるピッチングフォームも、 はじめは非難されていたのではないだろうか?(私の勝手な予測だが) キャッチャーから目を一度そらして、どうして思ったところにボールを放れるのか、などと。 しかし、その常識を打ち破ってみることで、 新たな価値観を得ることも、もしかするとできるのではないだろうか? サッカーで手を使ってはいけない、というのは守るべきルールである。 このルールに沿ってプレーしなければならない。 が、常識はルールではない。破ることはいつでも誰でも可能なのだ。 常識にとらわれず別な面から物事を考え、そして実行してみる。 そうすれば今までとは違った世界が目の前に広がるのではないか、 という想いを那覇高校ナインは私に残し、甲子園を去っていった。

(2000.8.29)


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