このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

なぜ勝てない?東北勢
甲子園でなかなか勝てない東北勢。
参考までに、都道府県別甲子園通算勝利ランキングを挙げておこう。

順位都道府県勝利数敗戦数引分勝率勝率順位優勝回数
1大阪2861815.6124317
2愛知2511593.6122416
3兵庫2491922.565912
4東京2121890.529169
5和歌山1731463.5421211
       
29宮城54690.439300
       
35秋田44700.386350
       
41岩手27661.2903430
       
44青森20491.2899440
福島20490.2899440
46山形14660.233470
47新潟14440.241460
                   (1999年夏の選手権大会終了時集計による)

上の表からわかるように、やはり東北勢の成績は芳しくない。 なぜ、東北勢が甲子園で勝てないか、私なりの意見を述べてみたい。

1.「甲子園で勝つ」という意識の弱さ
 東北の代表校は、甲子園に出ることが最大にして唯一の目標であり、甲子園で試合をするという のは、その目標を達成した「ご褒美」なのではないか、という観が否めない。もちろん、 全国優勝を目指してがんばっている学校もいくつかあるが。

2.中学野球
 東北で中学野球といったら、おそらく誰もが軟式野球のことを頭に浮かべるのではないだろうか? しかし、全国的に見ると、東京、大阪を中心にボーイズリーグ・リトルリーグなどといった硬式野球 も盛んである。ここで硬式球を握り慣れ親しむという点で、東北の中学生は遅れをとらざるを得ない。 高校に入学してからの練習で、まず硬式球に慣れる必要があるのだから。
 また、中学校の野球部の場合、監督(先生)が野球経験のない場合も多いという。 (岩手の場合は5チームに3チームがそうであるという) したがって、そのような環境のもとでは、しっかりした基礎的なものを身に付けることができず、 高校に入ってから身に付けなければならない。 ここでもまた時間のロスがうまれる。

3.冬の気候
 だれもが承知の通り、北海道・東北など冬に雪に包まれる地方のチームはハンデを背負っている。 外で練習できない分、ウェイトトレーニングなど体力的な部分を徹底的に鍛えればいいではないか、 という意見もあろうが、やはり実戦練習なくして、野球そのものの上達は見込めないだろう。
 センバツを見ていて、「このチームは冬の間に60試合も紅白戦をやったらしいです」なんていう 紹介があったが、それにはただただびっくりさせられた。東北地方では室内練習場が整備されて いるといっても、やはりきちんとしたグランドで練習するのとはかなり違うのではないか。

4.夏の甲子園の暑さ
 夏の甲子園は、なんたって「暑い!」のひとことにつきる。去年の夏、甲子園に行ってきたが、 うわさどおり、いやそれ以上に強烈な暑さだった。ダッグアウト脇のテレビカメラについている 温度計は40℃前後、最も高いときには44℃近くを示していた。
 見ているだけでもつらいものがある。ましてや、グランドでプレーしている選手達にとっては、 動いている分、それ以上の暑さに感じるだろう。試合の時だけでなく、関西入りした時点で暑さに 襲われるわけである。部屋にクーラーが装備されているとはいえ、熱帯夜も毎日続く。 体調管理が難しいのである。

5.甲子園までの距離的長さ
 言うにも及ばず、甲子園まではかなりの距離がある。移動するのにも時間がかかり、選手・応援団 ともに苦労を強いられる。 試合においては、対戦相手が関西の学校ともなると、相手の応援団の数はすさまじいものになる。 盛岡中央対福知山商戦を観戦したが、早朝の第一試合にも関わらず、 福知山商の応援団はバックネット裏からアルプス席までぎっしり埋め尽くされ、 アウトをとった時、得点が入った時などはものすごい歓声だった。
 試合前、ベンチ前で盛岡中央の選手がこう話していた。
 「あっちの応援すげ〜な〜」
まさに、サッカーでいうホーム・アウェイである。 みなさんご存知の通り、アウェイチームが圧倒的に不利なのである。

今、頭の中にあるのはこの5点である。いや、今思い浮ばないだけで、もっといろいろと 勝てない理由がありそうな気がする。 なんかこういうことばっかり言ってると、「もっと前向きに考えろよ!」とお叱りを受けそう だが、少なからず先に述べたことが勝てないことに関係しているように私は思えて しかたがないのである。


 

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