このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

鉄道唱歌全文

間違いがあればご指摘下さい

1 汽笛一声新橋を はや我汽車は離れたり 愛宕の山に入りのこる 月を旅路の友として

2 右は高輪泉岳寺 四十七士の墓どころ 雪は消えても消え残る 名は千載後までも

3 窓より近く品川の 台場も見えて波白く 海のあなたにうすがすむ 山は上総か房州か

4 梅に名をえし大森を すぐれば早も川崎の 大師河原は程近し 急げや電気の道すぐに

5 鶴見神奈川あとにして 行けば横浜ステーション 港を見れば百船の 煙は空を焦がすまで

6 横須賀行きは乗り換えと 呼ばれておるる大船の 次は鎌倉鶴ヶ岡 源氏の古跡訪ねみん

7 八幡宮の石段に 立てる一樹の大鴨脚樹 別当公邸のかくれしと 歴史にあるは此陰よ

8 ここに開きて頼朝が 幕府のあとは何かたぞ 松風さむく日は暮れて こたえぬ石碑に苔あおし

9 北は円覚建長寺 南は大仏星月夜 片瀬腰越江ノ島も ただ半日の道ぞかし

10 汽車より逗子を眺めつつ はや横須賀につきにけり みよやドックに集まりし わが軍艦の壮大を

11 支線をあとに立ちかえり 渡る相模の馬入川 海水浴に名を得たる 大磯みえて波すずし

12 国府津おるれば馬車ありて 酒匂、小田原とほからず 箱根八里の山道も あれ見よ雲の間より

13 出でてはくぐるトンネルの 前後は山北小山駅 今も忘れぬ鉄橋の 下ゆく水のおもしろさ

14 はるかにみえし富士の嶺は はや我ぞはに走りたり 雪の冠雪の帯 いつも気高き姿にて

15 ここぞ御殿場夏ならば 我も登山を試みん 高さは一万数千尺 十三州もただ一目

16 三嶋は近年ひらけたる 豆相線路のわかれみち 駅にはこの地の名を得たる 官幣大社の宮居あり

17 沼津の海に聞こえたる 里は牛伏我入道 春は花咲く桃のころ 夏は涼しき海のそば

18 鳥の羽音におどろきし 平家の話は昔にて 今は汽車ゆく富士川を 下るは身延の渡り舟

19 世にも名高き興津鯛 鐘の音ひびく清見寺 清水につづく江尻より 行けば程なき久能山

20 三保の松原田子の浦 逆さにうつる富士の嶺を 波にながむる舟人は 夏も冬とやおもふらん

21 駿州一の大都会 静岡出でて安倍川を 渡ればここぞ宇津の谷の 山きりぬきし洞の道

22 鞘より抜けて自ずから 草薙はらひし御剣の 御威は千代に燃ゆる火の 焼津の原はここなれや

23 春咲く花の藤枝も 過ぎて島田の大井川 昔は人を肩に乗せ 渡りし話も夢の後

24 いつしか又も闇となる 世界は夜かトンネルか 小夜の中山夜泣石 問えども知らぬよその空

25 掛川袋井中泉 いつしかあとにはやなりて さかまき来る天竜の 川瀬の波に雪ぞちる

26 この水上にありときく 諏訪の小氷の雪景色 雪と氷の御橋は 渡るは神か里人か

27 琴引く風の浜松も 菜種に蝶の舞坂も 後ろに走る愉快さを うたふか磯の波のこえ

28 煙を水に横たえて わたる浜名の橋の上 たもと涼しく吹く風に 夏ものこらずなりにけり

29 右は入海静かにて 空には富士の雪白し 左は遠州灘近く 山なし波ぞくだけちる

30 豊橋降りて乗る汽車は これぞ豊川稲荷道 東海道にてすぐれたる 海の眺めは蒲郡

31 みよや徳川家康の 起こりし土地の岡崎を 矢作の橋に残れるは 藤吉朗のものがたり

32 鳴海しぼりの産地なる 鳴海に近き大高を 下りておよそ1里半 ゆけばむかしの桶狭間

33 めぐみ熱田の御やしろは 3種の神器の一つなる その草薙の神剣 あおげや同胞四千万

34 名高き金のしゃちほこは 名古屋の城の光なり 地震の話しまだ消えぬ 岐阜の鵜飼も見て行かん

35 父やしないし養老の 滝は今なお大垣を 3里隔てて流れたり 孝子の名誉ともろともに

36 天下の旗は徳川に 帰せし戦の関ヶ原 草むす屍今もなお 吹くか伊吹の山おろし

37 山は後ろに立ち去りて 前に来るは琵琶のうみ ほとりにひらけし米原は 北陸道の分岐点

38 彦根に立てる井伊のしろ 草津にひさぐ姥が餅 変わる名所も名物も 旅の徒然のうさ晴らし

39 いよいよ近く馴れくるは 近江の海の波のいろ その八景も居ながらに 見て行く旅の楽しさよ

40 瀬田の長橋横に見て 行けば石山観世音 紫支部が筆のあと のこすはここよ月の夜に

41 粟津の松にこととえば 答えがなおる風の声 朝日将軍義仲の ほろびし恩田はいずかだぞ

42 比良の高嶺は雪ならで 花なす雲にかくれたり 矢走にいそぐ舟の帆も 見えてにぎおう波の上

43 樫田におつる雁がねの たえまに響く三井の鐘 夕暮れさむき唐崎の 松には雨のかかるらん

44 むかしながらの山桜 におうところや滋賀の里 都のあとはしらねども 逢坂山はそのままに

45 大石良雄が山科の その隠れ家はあともなし 赤き鳥居の神さびて 立つは伏見の稲荷山

46 東寺の塔を左にて とまれば七条ステーション 京都京都と呼びたつる 駅夫の声も勇まし

47 ここは桓武のみかどより 千有余年の都の地 今も雲井の空高く あおぐ清涼紫雲殿

48 東に立てる東山 西にそびゆる嵐山 かれとこれとの麓行く 水は加茂川桂川

49 祇園清水知恩院 吉田黒谷真如堂 ながれも清き水上に きみがよまもる加茂の宮

50 夏は納涼の四条橋 冬は雪見の銀閣寺 桜は春の嵯峨御室 もみじは秋の高雄山

51 琵琶湖をひきてとおしたる 疎水の工事は南禅寺 岩切抜きて舟をやる 知識の進歩も見られたり

52 神社仏閣山水の 外に京都の物産は 西陣織の綾錦 友禅染の花もみじ

53 扇おしろい京都紅 また加茂川の鷺しらず みやげを提げていざ立たん あとに名残は残れども

54 山崎おりて淀川を わたるむかうは男山 行幸ありし先帝の かしこきあとぞしのばるる

55 よどの川舟さおさして くだりし旅は昔にて またたくひまに今は行く 煙たえせぬ陸の道

56 おくりむかうるほども無く 茨木吹田うちすぎて はや大阪につきにけり 梅田は我を迎えたり

57 三府の一に位して 商業繁華の大阪市 豊太閤のきずきたる 城に師団はおかれたり

58 ここぞ昔は難波の津 ここぞ高津の宮のあと 安治川口に入る舟の 煙は日夜絶え間なし

59 鳥もかけらぬ大空に かすむ五重塔の影 仏法最初の寺と聞く 四天王寺はあれかよと

60 大阪出でて右左 菜種ならざる畑もなし 神崎川の流れのみ 浅黄にゆくぞ美しき

61 神崎よりは乗り換えて ゆあみにのぼる有馬山 池田伊丹と名にききし 酒の産地も通るなり

62 神戸は五港のひとつにて あつまる汽船の数々は 海の西より東より 瀬戸内がよいも交りたり

63 磯には眺めはれわたる 和田のみさきをひかえつつ 山には絶えず布引の 滝見に人ものぼりゆく

64 七度うまれて君が代を まもるといいし楠公の いしぶみ高き湊川 ながれて世々の人ぞ知る

65 思えば夢か時の間に 五十三次走り来て 神戸の宿に身をおくも 人に翼の汽車の恩

66. 明けなば更に乗り換えて 山陽道をすすままし 天気は明日も望みあり 柳にかすむ月の影

間違いご指摘はこちら神宮前住人まで

1999.06.11 戻ります

このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください