このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

   私たちの手で北勢線を残そう!

         知事への陳情書                                        
北勢線存続に関する

陳   情   書 

 

三重県知事  北川正恭 

 

 

平成14年 6月26日

 

阿下喜駅を残す会 

代表 安藤たみよ

 

平素は三重県政に御尽力賜り誠にありがとうございます。
 お忙しい中突然にお尋ねし大変恐縮ではございますが、私どもと致しましては地元首長に対する御返事を未だいただけず、いても立ってもおられず参上しました。
 北勢線は私どもの北勢町だけではなく沿線の市町の要とも言うべき大切なものでございます。多方面からの慎重且つ正確なご判断で、存続させて頂くことを切望いたします。
 私どもが考えた北勢線に関しての優位性を箇条書きに述べさせていただきます。

   輸送密度は3000人台であり、1日の利用客も7700人(H12)あるということ。他の廃線された路線または近々廃線予定の路線を調べますと、この様な数字で廃線されるところは見当たりません。廃線されるところは大抵が輸送密度も1000人を割込み、300人台のところもございます。多くても1500人程となっています。乗っていない様でも乗っているのが北勢線ではないでしょうか?輸送密度3000人台で廃線されるとしたら前代未聞と言えるのではないでしょうか?

   学生の大切な足であるということ。朝の北勢線乗車数は約2000人と聞きます。そのうち9割が学生だそうです。通勤ならば“自家用車で“ということも可能ですが、学生はそうは行きません。バスになったとしても定時性は確保出来ません。いつ到着するかわからないバスに乗せる親の気持ちもわかっていただきたく思います。そのうえ、高校授業においても差障りがでることは必至です。雨の日等も大変困ることが容易に想像出来ます。

   廃止になりバスになれば、桑名市近郊でのかなりの交通渋滞が予想されます。京福電鉄では50%がバス、残り50%がマイカーに転換しました。桑員地区では学生の割合が多いので60%がバス、40%がマイカーとしても、朝の2000人を輸送するのにバス24台、マイカー800台が新たに増えることになります。桑名方面へ向かう乗客が9割近いとのことですので、バス約21台、マイカー約700台が桑名方面への2本の道路にひしめくことになります。先日星川の渋滞を見てきましたが、ピーク時には実に桑名市と東員町の境にあるF1マート付近まで続き驚かされました。ここにバス約21台、マイカー約700台が加わればどうなるかの予想はたやすいと思います。となれば員弁方面からの桑名通勤は相当な重労働となります。“桜通りへの一般車両の通行禁止“を訴えられた方もございますが、現在でも大山田から国道1号線に入る福島付近も相当なラッシュとなっていますので不可能であると言えます。

   北勢線廃線は、環境先進県を推進する三重県で、環境悪化に油をそそぐことになります。世界的なCOによる温暖化の対策としても車を増やすことは決して得策ではございません。世界的に見ましても鉄道の重要性を見直されているのは明白です。

   人員カット(55人程度)、運賃の値上げ等を施した試算では赤字は1億7500万円程に収まると聞きます。(試算された方に話を伺いましたら、実際はもっと低く収まるとのことでした)また同等な運行距離の他の路線を調べても、86名もの職員を使っている路線はありません。ひとり当たりの人件費も大手近鉄と三岐鉄道では違います。運賃においても近鉄の通学定期代は他の鉄道の半分ほどです。それを是正するだけでも大きく変わります。

   県交通政策チームの見解で「高速性が発揮出来ない運行方式である以上、利便性は向上しない」とあります。しかし、近鉄北勢線は現在45Kmで制限を設けているそうですが、“石橋を叩いても渡らない“方式の過ぎた安全策でありもっとスピードの出せる区間はたくさんあると聞きます。駅の統廃合とスピードアップも併せ行えば、かなりの時間短縮になると思いますがいかがなものでしょう?利便性を向上させようと思えば、北勢町長がおっしゃるようにパーク&ライドのための駐車場を設けたり、JR・近鉄桑名駅への乗り入れを行えばかなりの向上になると思います。

   また代替バスと鉄道の比較(県交通政策チーム)においても、バスは将来性を見越したもので、鉄道においては現状維持の比較となっており公平、平等な比較とは申せません。

   「近鉄北勢線廃止問題にかかる現状分析調査 報告書」の中で、数値は按分により計算されており必ずしも北勢線の現状と一致していないことがわかります。そのような数値で大切な北勢線を判断してみえるのならば沿線住民として強く抗議せざるを得ません。

   京福越前線で県が提出した“費用対効果分析”は三重県では出されておらず、また北勢線問題勉強会では議事録が作成されていないと聞いております。

   北勢線には、ダイヤ改正、運賃の改正、社員数の改正等たくさんの改善可能箇所があります。北勢線はこの機会に生まれ変わり成長します。私どもはそのために要望等どんどん出していくつもりです。私達の鉄道となるのですから当然です。

   街が死んでしまいます。過去の例を見ても鉄道の廃止された街はさびれています。北部の街が死ぬことは、三重県にとっても大きな痛手になること必至です。

 

⑦、⑧、⑨のような、いわばいい加減な調査で理由のわからないままの廃線は許せません。北勢線は私ども住民にとってとても大切なものであります。

住民の声を自分の口から伝えたくて、町議会議長を始め町議会副議長、総務委員長も町議会前日という日程にもかかわらず同行して頂きました。

川瀬議長は、北勢線が廃線になるような事があれば、「合併などする意味が無い」とおっしゃっています。私たちも同感です。駅がなくなるという事は、町が無くなるという事です。この町は、平和でのんびりとした町です。しかし、北勢線の廃線というとんでもない問題を与えられた時、自分達の町を、将来を考えました。40年後、さびれてしまった北勢町に若者が住んでいるだろうか?お年寄りと病院の町なんて考えたくもありません。         住民の足である北勢線の廃線問題から皆が未来の北勢町を考える良い機会だと思います。
北勢線の存続を支援して下さい。きっと訪れたくなるような北勢町にします。よろしくお願いいたします。

  


  

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  ール  ご意見よろしくお願いします  (阿下喜駅を残す会事務局宛て)  

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