このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

マンガ逍遙

2.「龍−RON−」 村上もとか
 小学館・刊 1〜36(2004.6月現在)
 初出 小学館 ビックコミックオリジナル H3〜現在連載中
    

 私がこのマンガ家さんの本を初めて読んだのは、小学校5年のことでした。教育雑誌「小学五年生」の中で当時連載されていた「ミコ・ヒミコ」という作品なのですが、、、ええと、その作品も思い出深く、おもしろいのですが、今回はこちらの作品を紹介したいと思います。

 もうずいぶん長期の連載になります。このマンガ家の長所である「詳細な描写」、「飽きのこない物語の展開」、「先を読みづらい人間関係の綾」がこの作品では生かされています。
 最初の舞台は昭和初期の京都。京都武専生になったばかりの主人公・押小路龍と彼の家で働くことになる田鶴ていのふたりを軸とした人間の流転ドラマが描かれます。舞台は京都から中国へ。時代の波にもまれながらも人は強く懸命に生きていきます。
 一人一人のキャラクターが後々場面に生かされるよう、巧妙に配置されていて、ほう、と膝をたたくこともしばしばあります。時代背景が少々複雑なので、文字数が多くなるのがネックですが、そこにつまずく前に物語に入り込むことが出来るので、それほど苦にはならないでしょう。
 途中から読んでも楽しいとは思いますが、私は是非第一巻から読むことをお薦めします。作者の筆が乗ってくるのは五巻を過ぎたくらいかとは思いますが、作者の意図を読みとるには最初から読んでおいた方が、、そうでなくても良いかなあ。

 追加:いよいよ佳境に入っているようです。龍の悲壮な心持ち、秘宝を伺う大戦末の各陣営、ていの新作映画とは? 期待とともに物語の結末をどう考えているのか、非常に気がかりな所です。

 当コーナーではこれから順次(気が向いたら)マンガ作品を紹介していきたいと思います。
 基本姿勢としては、
 ・好きな作品しか紹介しない
 ・何度も読んだものしか紹介しない
 ・自分が所有している(つまり、それだけの価値があると自分で思っている)ものしか紹介しない
 という三点を挙げます。
 ま、紹介の九割九分は作品リスペクトになると思いますので、かるーい気持ちで読んで下さい。


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