このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

踊る時刻表>JR線>JR東日本気仙沼線

小牛田駅にて

前谷地—陸前豊里—柳津—志津川—歌津—本吉—大谷海岸—陸前階上—気仙沼
 南三陸海岸に沿う路線です。全通は意外と新しく、昭和51年の全通とのこと。そう思って見ると、確かに近年の建設路線らしく、構造物が立派にできています。線区の区分上は前谷地からですが、多くの列車が石巻線を経由して東北本線小牛田に直通します。また、東北本線内ノンストップの快速「南三陸」が仙台から直通運転されています。南三陸海岸に沿うだけあり、沿線にところどころ、リアス式海岸の風光明媚な景色をのぞむことができますが、それと同時に、かつて津波の被害を受けた箇所が多く点在しています。終点気仙沼では大船渡線と接続します。気仙沼市街地を大きく迂回するようにして建設されており、バスの発着所などがあるメインストリートはむしろ南気仙沼駅が便利です。
 難読駅名・珍駅名がいくつか存在します。「のの岳」駅は、「箟岳観音」という観音様が付近に祀られているためについた駅名です。それでは難読地名クイズ。「柳津」「清水浜」「陸前階上」…3つとも読めたでしょうか?正解は、「やないづ」「しずはま」「りくぜんはしかみ」。(←ドラッグして反転させて見てくださいね。)
<乗車記>
 2002年の夏期休暇期間もそろそろ終わろうという9月最後の日曜日。仙台発、東北本線下りの始発電車に乗り込んだ私はいかにも眠たげな顔を引っさげて小牛田駅に降り立った。目指すは気仙沼。時刻表をひもとけば、仙台〜気仙沼間と仙台〜鹿折唐桑(大船渡線)間では運賃が変わらないことがわかる。早朝、「仙台 から 鹿折唐桑 まで」と書き込んだ学割証を印籠よろしく仙台駅の「みどりの窓口」に突き出したら、「すいません、これ、何て読むんですか?」と言われてしまった。私の字はそこまで読めない代物ではないという自負はあったので…要は窓口氏の勉強不足か。もっとも、大船渡線の無人駅までの学割往復乗車券を買おうというような酔狂な客がそうそういない、ということなのだろうが。

車内の様子
ワンマン仕様の車内の様子

 小牛田から、ワンマンのディーゼルカーに揺られること1時間強、列車は志津川駅に到着した。ふらっと途中下車の旅をきめこむ。次の列車は2時間後、仙台からの直通快速「南三陸1号」である。志津川駅から町の中をぶらぶら歩くと、町名の由来である(2005年10月1日、志津川町は隣の歌津町と合併し、南三陸町となった。)志津川の河口で「チリプラザ」なるものを発見。チリ地震津波をきっかけに、チリから贈られたモアイ像などが飾ってある。そう言えば、町の至るところに「チリ地震津波最高潮位記録」などという標識が立ててあった。ちなみにこのチリプラザにはC58 16が静態保存してあった。気仙沼線で活躍した機関車のようである。
 町を一巡し、少し高台になっている志津川駅のホームで風に吹かれていると、やがて快速列車がやって来た。気仙沼へ行くのか、観光客らしいグループをはじめ、地元のおばちゃんグループや、参考書をひろげている女の子などが目に付いた。大谷海岸駅を出ると、次の陸前階上(この快速は通過)から気仙沼市に入る。途中停車駅で乗客を増やした快速列車は、志津川から約40分で南気仙沼駅に着いた。ここでごそっと乗客が減ってしまう。私は面食らい、思わず駅名板を確かめたがまだ終点ではない。とりあえず気仙沼まで乗り通し、そこからさらに唐桑半島なる半島を目指そうとした時、この「乗客消失」の謎が解けた。気仙沼駅前の観光案内所の気の良いおばちゃんが色々書き込んでくれた地図。唐桑半島を含め、路線バスのメインルートは気仙沼駅前をことごとく外れており、しかもその起終点は南気仙沼駅近くの「気仙沼営業所」。…なるほど、南気仙沼駅前の方が市民生活には便利なのか。
 帰りがけ、気仙沼線列車の待ち合わせ時間にふらっと食べに行った「気仙沼ラーメン」もなかなかのものであったことを書き加えておく。
[2002.09.29乗車]
陸前階上駅
陸前階上駅[05.10.13]

(駅案内)前谷地—和渕—のの岳—陸前豊里—御岳堂—柳津—陸前横山—陸前戸倉—志津川—清水浜—歌津—陸前港—蔵内—陸前小泉—本吉—小金沢—大谷海岸—陸前階上—最知—松岩—南気仙沼—不動の沢—気仙沼
(その他)全線非電化単線、地方交通線

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