このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
2006年2月16日の神戸空港開港にあわせ、同年2月2日に線増・延伸開業した新交通システムの路線です。神戸の中心街、三宮と、ポートアイランド、神戸空港を結びます。延伸開業以前は、三宮〜中公園間のみ複線で、三宮→中公園→市民広場→中埠頭→北埠頭→中公園→三宮、という格好の、左回りの一方通行運転のみでした。神戸空港延伸にあわせ、中公園〜市民広場間が複線化され、三宮〜神戸空港間は完全複線運転、及び中埠頭方面は従来どおりの左回り一方通行運転が行われています。
車両は開業以来の「8000系」と、延伸開業にあわせて増備された「2000系」の2形式があり、いずれもATOによる無人運転が実施されています。
ダイヤは、三宮口で最短3分間隔、日中は毎時12本の運転となります。神戸空港行きの便と、中埠頭・北埠頭を回って三宮に戻ってくる便が交互に運転されており、それぞれ、データイム毎時6本ずつ、10分間隔の運転となります。神戸空港〜三宮間の便は毎時2本快速が存在し、三宮〜中公園間はノンストップで運転されます。このほか、朝夕は中埠頭起終点となる便が運転されます。
三宮駅はJR、阪急の駅の上層に位置し、これらの路線と並行にホームが配置されています。電車は東へ向けて発車し、すぐに右に直角カーブをきってポートアイランドへ向き直ります。貿易センター駅は中心街のビル群の中、ポートターミナル駅は客船の埠頭を望む港湾地区にあります。道路橋と一緒に海をわたり、中公園駅。ポートアイランドの西側をほぼ直進して市民広場駅まで至ると、左手に中埠頭、北埠頭方面へ向かう路線が分かれていきます。分かれた路線はポートアイランドの東側をぐるっと回り、中公園駅に戻ってきます。先端医療センター前駅の先で左に直角カーブ、ポートアイランド南駅がポートアイランドの南端にあたります。右にカーブをきって空港連絡橋に駆け上がり、再び海を越えて神戸空港に至ります。三宮から普通で18分、快速で16分の距離です。
<乗車記>
一通り神戸を案内してくれた友人が、三宮駅前で「だいたい神戸の中心部回ったけど、今からどうする?」と聞いてきたので、私が「ポートライナー乗りたいぃぃ(>_<)」と駄々をこねたら、付き合ってくれることになった。神戸市民である友人も、神戸空港は初体験とのことである。切符売り場の前には、「神戸空港は大変な混雑が予想されますので、見学のお客様は云々」という掲示があり、物見高い市民の関心がうかがえる。
南海なんば駅で買ったスルッとKANSAIカードで改札を抜けると、ちょうど電車が止まっていた。ホームのLED表示機の案内は「北埠頭行き」となっている。「これ、ちゃうよな」「ん〜、多分」などとのたまっていると、乗客整理役らしいお兄ちゃんが「どちらまで?」と訊いてきた。「空港です」と答えると、「この次ですね。奥の方で待ってて下さい」と言われた。「ありがとぉ」と返す。この関西訛りの「ありがとぉ」、なんとも気持ちのいい後味を残してくれるので私は大好きである。
「北埠頭行き(北埠頭経由三宮行き)」が発車すると間もなく折り返し神戸空港行きとなる電車が入ってきた。新鋭2000系である。ホームドアがあるので写真を撮るのは至難の業なのが残念だ。満載の乗客がぞろぞろと降りてくる。これは…こんなに混むものなのか? ちょうど飛行機が着いたのかな? 神戸空港行きの車内は座席が全て埋まり、若干立ち客が出る程度の状況で発車した。アップダウンのある軌道を快走する。ポートターミナル前駅の脇にはクイーンエリザベス2世号が停泊しており、乗客らしい外国人がポートライナーを利用していた。
ポートアイランドはまさに近代的なビル群が立ち並ぶ、夢の人工島であった。「ここの歯医者に来てんの」と、友人が市立病院を指さした。なんもわざわざこんなところまで来なくても。市民広場駅で北埠頭方面の軌道を分岐し、いよいよ新線区間である。ところが、この先はまだ開発が進んでいないらしく、途端にビル群が途切れ、荒涼とした空き地が広がる景色となった。ポートアイランド南駅に至っては、周囲に何もない、かつてのゆりかもめ汐留駅を髣髴とさせるような駅であった。あの空き地、ちゃんと開発されるのかな?
ポートアイランドと空港島はすぐ隣り合わせくらいにあると思っていたら、空港連絡橋が思いのほか長く、友人ともどもびっくりしたものである。終点で降り、ぴかぴかの空港に足を踏み入れた。2階出発ターミナルは、左手が全日空、右手がスカイマークと、ちょこっと日本航空、という配置になっていて、スカイマークの意気込みが感じられた。お土産を漁り、1階到着ターミナルまでしっかり見学して、帰りのポートライナーに乗り込んだ。
帰りの電車は8000系。車窓を眺めていると、ポートターミナル駅に着いたあたりでメリケンパーク、ポートタワー付近の建物のライトが点灯した。あいにくの雨模様で、はっきりくっきり見えなかったのが残念だが、それでも港町の風情を満喫するには十分だった。「神戸メリケンパークオリエンタルホテル」のイルミネーションは、飛行機をかたどっているようだ。う〜ん、洒落たことを。さぁて、三宮に着いたら飲みに行くか!!
[06.03.05乗車]
このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |