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農業・グルメブレーク4.農業は太陽光発電より非効率?

(なんでも掲示板 0年03月 投稿済)

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太陽光発電より単位面積当たり売上が低い農業  投稿者:スルッとKANTO 投稿日:2009324()21069

 

 

 

捨てネタ。

http://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.jp/norin/tokyo-nou-rin-sui/aramasi/ara_nouti/ara_1.htm
によれば、東京都内の農地面積は8090haである。
この面積で、
http://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.jp/norin/tokyo-nou-rin-sui/tokei/data/nourinsuisanseisanhinmoku.xls
によれば、東京都で297.45億円/年の生産額がある。
(畜産物を含み、林漁業を除く)
つまり、1ha当り368万円の農業生産をあげていることになる。

東京都内の農業というのは、例えば新潟とか北海道の農業が
単価が低いコメ主体の農業なのに対して、都市近郊という
強みを生かして、単価が高い野菜を主体とした農業を展開している。
つまり、全国平均に比べても、「生産性の高い農業」を展開しているハズである。

さて、シャープが堺に太陽光発電コンビナートの建設を宣言している。

http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20080623_mega_solar/
によれば、堺第7-3区太陽光発電所(仮称)は、
「20haで発電出力は約10MW(1.0kW)、発電電力量は約1100kWh/年」とのことである。

現在、太陽光発電は他の自然エネルギーと比較しても買取価格が「優遇」されており、
家庭用電気料金並みで引き取ってもらえている。
仮に引き取り価格を25円/Kwhと仮定した場合、第7-3区太陽光発電所で得られる電力売上は、
およそ2億7,500万円/年に達する。
元が20haなのだから、1ha当りの売上は1,375万円になる。
太陽光発電については、経産省は買取価格の倍増を電力会社に要請しており、
これが実現した暁には、1ha当りの売上は2,750万円になる。

つまり、「生産性の高い東京の農地」と比較しても、太陽光発電は
現状でも3.7倍、将来的には7.5倍もの「生産性」がある、という計算になる。

・・・これは農業の生産性が異常に低いのか、それとも太陽光発電の買取価格が
異常に高いのか?

勿論、太陽光発電を行うためには初期投資が必要になり(第7-3区で約50億円)、
その償却コストを差し引くと、農業の単位面積当たり利益とあまり変わらない可能性が高いが、
少なくとも「農業に不利な中山間地」は、
「農業なんかやるより、太陽光発電した方が、土地の最有効活用になる」
という身もフタもない結論が導かれてしまう・・・

 


「農業より太陽光発電が儲かるか?」検証続き  投稿者:スルッとKANTO 投稿日:2009513()211051

 

 

 

以前確かここで、農業より太陽光発電を行った方が
土地面積当りの売上は確保できる、という投稿を行ったことがある。

その時は「太陽光発電設備建設費」というイニシャルコスト部分を
計算から外して、表面的な売上で比較した。

イニシャルコストの償却を見込んでの比較じゃないと、フェアじゃない。

ということで、イニシャルコストまで突っ込んで試算。

【命題】
「耕作放棄地1haで以って太陽光発電をした場合と、
 高収益農業(東京都内の野菜並みの収益性)と比較した場合、どちらがトクか?」

【大前提】
農地転用が認められる。(実はここが一番ハードル高い)
電線が放棄地まで来ている。
施工できるだけの道路が放棄地まで来ている。

【小前提】
総工費=2.5億円(シャープ堺メガソーラーの20分の1サイズ)
出力= 500Kw    ( 〃 )
総出力量=55万Kwh/年 ( 〃 )
稼働率=12.55%  (シャープ堺と同稼働率)
 ※大阪府は瀬戸内性気候なので、全国平均よりは稼働率はいい。
  日本海側とか東京とかは、多少稼働率は落ちます。
補助金=3分の1補助
 ※資エネ庁が50Kw超発電に3分の1補助しています。
  もっと増額する、という新聞報道もありますが。
土地取得費=147万円/10㌃
 ※全国農業会議所が発表した「田」の19年度平均農地価格

【売電単価25円の計算】
現在の余剰発電分の買取価格です。

売電単価     想定25.00/Kwh
売上       想定13,750千円/
ランニングコスト   想定1,375千円/年(原価率を1割と想定)
利益       想定12,375千円/
利回り(補助金なし)     想定4.68%
投資回収(補助金なし)    想定21.39
利回り(補助金あり)     想定6.82%
投資回収(補助金あり)    想定14.66

これだとちょっと民間企業は手を出さないかなあ?
但し、メガソーラーへの補助金が増額(例:半額補助)されれば、
利回りが10%を超えるので、事業化の余地はあります。


【売電単価50円の計算】
経産省は、一般家庭の電気料金にシワ寄せしてまで、
売電単価の倍増を電力会社に強要する予定です。
なので一般家庭は来年から50円程度になるでしょうが、
「太陽光発電事業会社」の生産電力まで50円で引き取ってくれるかどうか不明です。
シャープは堺で作った電力をいくらで関電に引き取ってもらうつもりなのか、気になる。

売電単価     想定50.00/Kwh
売上       想定27,500千円/
ランニングコスト   想定2,750千円/年(原価率を1割と想定)
利益       想定24,750千円/
利回り(補助金なし)     想定9.35%
投資回収(補助金なし)    想定10.69
利回り(補助金あり)     想定13.65%
投資回収(補助金あり)    想定7.33

これだと、現行補助金制度でも、充分採算に合います。


【高収益農業】
東京都内で、総農地面積=8,090haです。
そこで29,745百万円の生産額なので、1ha当り3,680千円の農業生産高です。

この数字は実はべらぼうに高い。

大規模コメ農家で、10㌃収量=523Kgです。
コメ60キロが15,075円で売れたとして(平成19年平均米価)、
ha1,314千円の売上にしかならない。

鹿児島の某農業生産法人(大規模篤農家)でも、1ha1,800千円程度です。

売上       想定3,680千円/
ランニングコスト   想定1,840千円/年(原価率を5割と想定)
利益       想定1,840千円/
利回り(農地買収代に対して) 想定12.52%
投資回収(農地買収代に対して)想定7.99
 →利回り・投資回収は売電単価50円の太陽光発電事業に負けています。

【結論】
「東京近郊並みの高収益農業を行う自信があり」
かつ
「売電単価が50円にならないだろう」と予想している企業は農業へ参入した方が合理的ですが、

「東京近郊並みの高収益農業を行う自信はない」
あるいは
「売電単価は50円見込めるだろう」と予想している企業は、
農業「なんか」に参入するより、耕作放棄地を買い漁って太陽光発電始めた方が合理的、という
農水省涙目の結論が導き出せました。

さてどうする、崖っぷちの日本農業!?

というか、売電単価50円という数値が異常値であり、
大盤振る舞いし過ぎなんだなあ。

 


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