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ブレーク21・田中さんノーベル賞についての(当掲示板に出入りする)研究者の感想
(なんでも掲示板 02年10月 投稿済)

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企業研究者 投稿者:スルッとKANTO 投稿日:10月14日(月)23時20分56秒

島津製作所の田中氏がノーベル賞を受賞した。

この掲示板には、何故か、大学内や企業内の研究者が多いので、皆さんの身近な話
じゃないか、と思うのですが、企業内研究者って、結構若いころから独創的な研究している
ものなんですかね?

それとも島津製作所のみの特殊環境かな?
この辺り、「まちむら掲示版」の「京都ベンチャー企業論」になってしまいます。
(島津製作所は創業は明治だからベンチャーじゃないかもしれないが、企業風土が
ベンチャーですね)


田中氏のノーベル賞 投稿者:まる 投稿日:10月14日(月)23時52分46秒

前から書こうと思ってたんですが、野依先生がとったときよりも
実にすがすがしい気分でした。白川先生のコメントが的確でしたが、
「ノーベル賞は純粋に業績を評価している」ことを知って安心
しました。というのは、実によくあることですが、大学院生など
職階が下の者が大きな業績をあげた場合、名目上、共同研究者に
なっている助手や教授の業績になってしまう場合がほとんどなのです。

日本のナンタラ学会の学会賞をとってる教授たちのほとんどは
自分の下々の者の業績を自分のものにして賞をとっていると言っていいでしょう。
若い人は自分の業績を、政治的、人事的なしがらみで上司の業績に
されてしまう。要するに学術的な貢献度がゼロであるにもかかわらず、
自分の業績を増やす教授がいるということですね。その点、企業の方が
健全かもしれません。

諸悪の根源は、教授に人事権をはじめ全ての権限を集中させる講座制
ですね。


Re:企業研究者 投稿者: なかだ  投稿日:10月15日(火)09時49分55秒

管理人氏:
>この掲示板には、何故か、大学内や企業内の研究者が多いので、皆さんの身近な話
>じゃないか、と思うのですが

私も企業研究者でありますが、まさにその通りでありました。
ただ、日本の企業研究者の中には、以前からノーベル賞候補と目されている人はかなり
いまして、各企業ともそういった人の扱いには大変気を使っているというのもまた
事実なのです。そのような方々の多くはかなり以前の研究業績で受賞候補者と目されて
おり、皆さん当然のごとく学位を持っており海外の著名大学の教授として引き合いも
あってそのままでは頭脳流出になってしまうわけです。そこで企業に籍を置いたまま
海外大学の教授もできる、などという特例を作ってまで名前だけ引き止めておく。
あるいは社内フェロー制度を作り「ともかくわが社にいてください」と頭を下げ、
なんとか「企業内現役」のうちにノーベル賞をとっていただいて企業の名を上げよう
という涙ぐましいことをしている。そういう例は確かに複数あります。

ところが、です。今回の島津製作所の田中氏の場合は全くそれとは異なるケース
です。だからこそ価値が高いともいえる。なにしろ上にあげたような努力をして
いる企業の候補者の方々を差し置いての受賞なわけですから。第一線の企業研究者に
とってノーベル賞が非常に身近に感じられるようになったことは間違いありません。
私自身は研究分野がノーベル賞の範囲にないですしそもそも能力もありませんが、
同じ建物の中にはノーベル賞の候補となりうる研究分野の人もいるし、知ってる人が
受賞したっておかしくないな、という気にもなるわけです。久しぶりに一生懸命仕事
をしようという気にさせてくれました。

まるさん:
>その点、企業の方が健全かもしれません。
う〜ん、まあ色々な企業があるとは思います(笑)。ただ、少なくとも論文の
筆頭著者には通常実際の研究担当者がなることは間違いないですね。

編集済


 

田中氏の研究は本当にすばらしいものなのか? 投稿者:あじあ号 投稿日:10月17日(木)00時19分31秒

文系の人間なので、外面的なことしか見えないのですが、田中氏の研究は本当にすばら
しいものなのでしょうか?
というのは、田中氏の企業内の処遇は別として、入っている学会も小さな化学関係のも
の1つだけで、今、様々な学会から名誉会員にならないかと誘われているとのこと。
逆にいえば、田中氏の研究は日本ではろくに評価されていなかったと言うことなのでしょ
うか?
国内でもろくに評価されていない研究がノーベル賞を得るというのは何か不思議な気が
します。
別に田中氏の受賞をけなすつもりはないのですが、これは一体どういうことなのでしょう。


Re: 田中氏の研究は本当にすばらしいものなのか? 投稿者: くろだ  投稿日:10月17日(木)01時57分28秒

> 文系の人間なので、外面的なことしか見えないのですが、田中氏の研究は
> 本当にすばらしいものなのでしょうか?

文系ネタにおきかえるとわかりやすいと思います。
カーター元大統領、さいきん目立った話題になったことありましたか?

「今すごく評価されてる」というより「かっちり評価が定まった」というのが
ノーベル賞のポイントでしょう。再評価っつーか。


Re: 田中氏の研究は本当にすばらしいものなのか?  投稿者:あじあ号 投稿日:10月17日(木)03時47分11秒

>「今すごく評価されてる」というより「かっちり評価が定まった」というのが
>ノーベル賞のポイントでしょう。再評価っつーか。
いや過去の研究の再評価でもいいのですが、日本国内の同じ分野の専門家の間で
その再評価は固まっていたのか疑問を(全く外部から見て)感じたのですが。
それとも、田中氏はすでに高く評価されていたのかな? 1つの小さな学会に属して
いただけとの報道ですが。


Re: 田中氏の研究は本当にすばらしいものなのか? 投稿者: くろだ  投稿日:10月17日(木)08時55分26秒

> 1つの小さな学会に属していただけとの報道ですが。

その「1つの小さな学会」(日本質量分析学会)が研究分野にぴったり一致
しているのですから、他の学会に金を払ってまで入る意味はないでしょう。


Re: 田中氏の研究は本当にすばらしいものなのか? 投稿者:まる 投稿日:10月18日(金)11時14分03秒

わたしゃ比較的、研究領域の近いところにいるのですが、
研究業績自体は確かにすごいものだと思います。
しかし、同クラスの業績は少ないながらも他にもあるのは
事実です。

日本的な長年、何々をやって、学会の世話役もやって
というような総合的な要素で研究者を評価する習慣のある
ようなところでは彼の様な研究者は評価は低くなってしまう
でしょう。



田中氏ノーベル賞に喝采! 投稿者: ねまき猫  投稿日:10月19日(土)00時30分12秒

研究領域についてや、学界や企業の内情については、門外漢なので、
見当違いのことを言ってるのかもしれませんが、
田中さんのノーベル賞受賞には、
企業内の一研究者でありながら、
「企業の業績」ではなく、「個人の業績」として評価された、
ということを、爽快に感じました。

最近読んだ本の中に、こんなエピソードがありました。
(元ネタ:「数学がらくに強くなる本」仲田紀夫・著 王様文庫、
文意は変えてないつもりですが、一部、省略・要約しています)
「ピタゴラス学派では門弟の発見もピタゴラスの名で公表する原則でしたが、
正12面体を発見したヒッパソスはうれしさのあまり勝手に公表してしまいました。
怒ったピタゴラスは彼を破門した上、『悲惨な最期をとげるぞ』と予言し、
ヒッパソスは、予言通り(?)航海中の船の難破で溺死しました」

「学界」の中に属していては、この、ピタゴラス的な風潮がいまだあって、
(権力構造的な意味での)「地位」が低い研究者が一躍脚光を浴びるということは
できない構造になってるのではないか、と、ふと感じました。
もっとも、「企業」の中も似たり寄ったりのところが多くて、
そうではない「島津製作所」という企業は、ひょっとしたら、
稀有な企業なのではないか、ということも感じたのですが、どうなんでしょう?

http://www.asahi-net.or.jp/~va6t-sby/index.htm


Re:田中氏の研究は本当にすばらしいものなのか?  投稿者:ひいろ 投稿日:10月19日(土)04時57分04秒

ヒトの全ての遺伝子配列が最近明らかになりましたが、このような核酸(ここではDNA)の並びが明らかになったところでクローン人間が作れる訳じゃありません。
遺伝子情報からタンパク質が作られ、このタンパク質が様々な役割を果たすことで細胞や組織が作られていくわけです。そもそも遺伝子からタンパク質を作り出す信号の役目を果たしているのもタンパク質です。遺伝子からそこにコードされている各種タンパクを作り出す仕組みは大変複雑で、この辺が狂うといろんな病気になったりもします。
最近このような生体内の各種タンパク質の役割についての研究の重要性が高まると共に、急激に進みました。で、その研究の過程でタンパクの組成や構造を明らかにする必要があり、そのような分析に田中先生の研究によりできた解析法が大変役にたった訳です。時代が田中先生の研究を認めたといってもいいと思います。

運と言ってしまえばそれまででしょうが、時代のニーズにあった研究としての評価も高いんでないでしょうか?


Re: 田中氏の研究は本当にすばらしいものなのか? 投稿者:あじあ号 投稿日:10月19日(土)05時02分51秒

まる さんが田中氏のご専門に近いとのことですが、やはり高く評価されていたの
ですね。
今年日本でノーベル賞をとった二人は、お互いに全く名前も知らないとのこと。
たしかに、東大でも文系学部にいると、東大で世界的研究をしているという理系研究者
のことは全く知らないという状況ですが、理系内部でも、領域が離れると似たような
ものなのでしょうかね。ちょっと寂しい。
文系教授は、専門外の新聞でのコメント等で名前が売れますが、理系の研究者は、その
ような機会が少ないので、文系からだと本当に名前が判りませんね。
ちなみに、最近新聞によくでる千葉大学教授(行政学)は、イデオロギッシュで評価は
ぼろかすですが、常に政府批判をしてくれるので、マスコミに便利な存在で、しばしば
マスコミに登場します。 それがマスコミに登場する秘訣でしょうか。


 

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