これは地熱シンポと同日に行なわれた海洋エネルギーシンポのメモ
【洋上水力発電】
★EEZ(経済水域)の有効活用になる。
★陸上風力発電の稼働率は20%、洋上風力発電の稼働率は40%
将来は洋上が主力になる。
★メンテ技術が当面の課題。
★洋上風力発電施設・・・単体ではなく、他の発電施設も組み込んだ
ハイブリッドとする。
近海では波力とのコラボ、その沖は潮流とのコラボ、
遠洋では海流発電とのコラボ。
★近海では海底着床式になり、遠洋ではフロート方式・セイリング方式になる。
★実現時期予測・・・遠洋ほど遠未来になる。
(フロートが難しい、海流発電難しい、遠距離送電難しい)
★洋上風力発電・・・数多く普及することにより、発生電力量の平準化を図ることができる。
★着床式・・・ヨーロッパでは確立済。日本立ち遅れ。
【波力発電】
★大別して3通りの発電方式
①振動水柱型②可動物体型③越波型
日本は振動水柱型が主力
★日本:沿岸は波が弱い
今後は沖合いの波力電力開発へ
★海外ではフロート型の「第二世代」が現れ始めているが、日本ではまだ。
★風力や潮力とのハイブリッド発電プラントにする。
【潮汐発電】
★2050年にランス発電所の40基分の潮汐発電を行なうことが目標
(原発2基分)
★潮汐発電のメリット
・予測可能エネルギー
・景観を害さない
★黒潮:1,700億KWH/年
潮流発電の潜在能力=1,240億Kwh/年
(瀬戸内以西の0.5m/秒以上の水流を抽出)
★潮流図・・・船舶の航行安全用に、「最大潮流」が載っている。
(注意喚起のため、「最悪の場合これだけの流れが起こりえる」と記載)
・・・潮流発電の資料には使えない。
★現在、橋脚を使って実験中
当初の推定値4.4Kwh/㎡、それが実際では0.4Kwh/㎡
・・・のように、潮流発電についてはその基礎資料となる潮流データが殆ど手付かず
「全国潮流エネルギーマップ」の製作が急務
★付着生物が発電機の効率を落としている。
この対策が重要。
【海洋バイオマス】
★政府の「バイオマスニッポン」計画内では、
「海洋バイオマスは2050年になってようやっと実現」と思われている。
もう少し早くすべし。
★現在のブームは、1980年代のブームの再来
(以前もクロレラがもてはやされた)
★デンソーは藻から軽油を抽出する研究を始めている
★海洋バイオマス・・・実は陸上バイオマスより170倍効率がいい
★以前の「第一次海洋バイオマスブーム」
アメリカで「ジャイアントケルプ」(海上牧場構想)があったが、
頓挫した(栄養分の供給がうまくいかず)
900万ドルを投入して失敗したこの教訓を、
「第二次海洋バイオマスブーム」では生かすべきだ。
★海洋バイオマス・・・「光」「栄養」「温度」が三大要素。
★微細藻(クロレラ等)・・・イネ等に比べて3〜5倍効率が高い。
→荒廃地(砂漠等)でも利用できる。
又、連作障害がなく他の穀物と競合しない。
★暗所だとエタノールを生成する微細藻がある。
あるいは、PH=12の強アルカリ環境とか、海水の倍の塩分濃度とか、
他の生物が入ってこない極端な環境で育つ微細藻がある。
★閉鎖系・・・開放系に比べて4倍の効果がある。
★海洋バイオマスのデメリット:分離回収に多量の液剤処理をしなければいけない。
★コンブの残渣からエタノールを抽出・・・水産庁が開始
★1980年代の「第一次ブーム」時に未解決だった課題を解決しないまま、
「第二次ブーム」が訪れた。
報道に接する限り、一度行なった失敗を再度行ないかねないと懸念される。
★水産技術と海洋エネルギー技術・・・実は親和性が高い
・遠洋でのエネルギー開発の場合、「発電量が不安定」とか「電力輸送しにくい」の
問題があるが、水産で必要なエネルギーは、遠洋発電エネルギーで構わない。
(発電量にムラがあっても構わないし、そもそも電力を発電地である遠洋で消費する)
・逆に海洋エネルギー開発の障害として、例えば付着生物問題等があり、
その解決のために生物学的技術が不可欠。
★ワカメからフコキサンチンが得られる。
これはメタボに効果あり、とされており、1g当たり数十万円で取引される
★投入の6倍強のエネルギーが得られた
【海洋鉱物】
★カナダ・・・メタンハイトレードを6日間連続で産出
★韓国がトンガの海底熱水鉱床開発に着手 2012から採掘
★マンガン団塊の投資利回りIRR=14.9%〜37.8%
因みに鉱物開発ではIRR=15%を超えると資源開発として魅力的になる。
★外資のノーチラスミネラル
小笠原において405箇所に鉱区申請
★海底熱水鉱床:伊豆〜小笠原・・・1,500万トン
沖縄:2,000万トン
→1〜5兆円の価値あり。
因みに計3,500万トンというのは、現時点の発見埋蔵量の合計値であり、
実際には「あと数十倍は発見されるだろう」とのこと
★日本の欠点
個々の技術は優れているが、それを統合するノウハウがない。
海外の場合海底油田等の経験があって、それが生かされるのだが、
残念ながら日本にはそのノウハウなし。
★日本でも「有人」の採鉱実験が必要→ノウハウを貯めるべし。
★今後日本の海洋鉱物開発の目標
①技術を他国に売れる位に技術を磨く必要あり
②海外権益を確保すべし
【海洋温度差発電】
★1,000Kwh以上の規模になれば有利になる。(スケールメリットが大きい)
★10年に1回程度の割合で「熱電方式」が話題になる。
★クローズド方式がメーン。
オープン方式:海水淡水化とセット
★OTEC方式:台湾が再開
★日本:技術はあるが実証が遅れている。
★リチウムも回収できる
【黒潮発電】
★24mのローター3つで1.5Mwhの発電
★石油業界で培われた、2,000〜3,000mの係留技術を応用する。
【波浪推進船】
★大規模な船にしないと、効率いい波浪推進船にならない。
★マーメイドⅡ号:ハワイに搬送するために「コンテナサイズ」にせざるを得なかった。
そのため、本来の波浪推進船の能力が発揮できず。
(船サイズが大きければ、大きい波浪も捕らえられるのだが・・・) |