8.「太陽光発電はもっとコストが下がる!!」という内容の本を、
産総研の太陽光博士から頂いたので読んでいるのであるが、
その中で「7円/Kwhに下がったときの原価明細」が載っていた。
これを見ると、45円/Kwh程度の現代では「パネル代」が相当なウェイトを占めているが、
20円/Kwhとか10円/Kwhになると、「パネル代」のウェイトは低下する。
それに代わって、「工事代」とか「運搬代」のウェイトが増えてくる。
となると、パネルメーカー(Qセルズとかシャープ)がいくら「頑張っても」、
トータルコストの引き下げには限界があり、そこから先は、
「いかに効率的に物流させるか」とか「いかに効率的に施工するか」という点を
工夫しなければいけない。
つまり、ヤマダ電機とか日本通運とか施工業者が頑張らなければダメである。
農作物は、コメなんかでは売値の6割、野菜に至っては売値の8割が
「流通マージン」である、とされている。
なので、流通部分の改善を太陽光も行わないと、20年後の報道ステーションで、
「日本の太陽光パネルは、パネル部分は安価だが、
流通マージンや施工コストが8割を占めるので、欧米諸国=7円/Kwhに対して
日本=15年/Kwhで高止まりしている」
なんて報道されてしまうのではないか?
「7円/Kwhに下がったときの原価明細」では、根拠もなしに
「流通マージンや施工コストも、パネルと同様に下がって行く」ように記載されているが、
実際はそんなに甘くない。
というか、理系の筆者は、パネルメーカーの革新すべき技術とかは詳しいのかもしれないが、
ロジスティックスとか、流通・小売の現場とか、工務店の作業の流れとか、
いわゆる文系的な観点の考察が不足している気がした。
もっとも、いわゆる「メガソーラー」であれば、物流・施工コストを薄めることはできるかもしれない。
というか、「メガソーラーなら7円/Kwh、一般住宅設置なら15円/Kwh」のように、
規模によって単価が変わる方が「自然」じゃないのか?
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