| 昨日の日経地方版で、
「都心各区が遮熱塗料への補助制度を実施している」との記事がありました。
以前から遮熱塗料について気になっていたので、その経済効果を少し調べてみました。
遮熱塗料「シスタコート」について、
http://www.eco-rt.jp/tosou/3-kouka.htm
において、23,000㎡の屋根に遮熱塗料を塗布した場合の経済効果が出ています。
これによれば、
イニシャルコスト=115,000千円、
ランニング電気代節約効果=27,000千円/年(CO2考慮外)
です。
投資回収=4.3年。
以上は補助金なしの計算ですが、補助金が入ればもっと有利になります。
一方、屋上緑化の場合、
http://green-fellow.jp/eco_solutions/okujyou/okujyoukeizai.htm
の「500㎡に屋上緑化を行った場合」の試算では、
ランニング節約効果=夏季243千円+冬季218.7千円=461.7千円/年
23,000㎡に直すと21,238.2千円/年となり、
「遮熱塗料よりランニングメリットは低い」となります。
一方、イニシャルコスト=最安のセダムで15千円/㎡なので、
15千円/㎡×23,000㎡=345,000千円なので、
「遮熱塗料の3倍のコストがかかる」ことになります。
因みに投資回収=16.2年。
純経済的には、遮熱塗料事業の方が、屋上緑化より有効になります。
(電気代節約効果がある=CO2削減効果がある=CO2削減メリットも享受できる)
また、遮熱塗料の方が、天井耐荷重を気にしなくても良い、というメリットがあります。
屋上緑化については「建物の寿命を延ばす効果がある」とされていますが、
これは遮熱塗料についてもいえることです。
屋上緑化が遮熱塗料より優れていると思われる点は
・生態系の維持
・景観創出(心理的効果)
・洪水時の保水機能
・話題性(=資産価値アップ)
などですが、残念ながら、これらは数値化できません。
純経済的には、そしてCO2的には、遮熱塗料の優位は否定できません。 | |