思いつき
読売新聞1月8日福井版
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/fukui/news/20100107-OYT8T01502.htm?from=dmst3
>「見た目はただの金属の管ですが、これだけで熱を運ぶことができます」。
>ポンプなどの動力を使わずに液体を動かし、熱を運ぶ「ヒートパイプ」の研究に取り組んでいる
>福井大大学院工学研究科の永井二郎准教授(43)は、そう言っていたずらっぽく笑った。
>ヒートパイプは、液体や気体が温かいところから冷たいところに移動する性質を利用する。
>金属管内部の液体を、蒸発と、冷却による液化を繰り返して循環させ、熱を運ぶのが一般的だ。
>永井准教授は、「若狭湾エネルギー研究センター」(敦賀市長谷)と協力して昨年、従来の約4倍の
>熱が運べる新型のヒートパイプを開発した。管の内部に突起を設けて液体に泡を発生させ、
>循環に泡の浮力を利用しているのが特徴。
>従来のように温度差だけを利用したヒートパイプに比べ、より高速の循環が可能という。
>動力を必要としないヒートパイプは、環境に優しいほか、維持管理が容易というメリットもある。
>永井准教授は、地中熱を熱源にしたヒートパイプの実用化を目指しており、融雪装置などへの活用を計画。
>「このシステムを応用すれば、将来は消費電力ゼロの床暖房などが実現するかも」と話す。
さて、地温勾配が3℃/100mという「日本の一般的なエリア」において、
1,000m掘削すれば、30℃は地温が上昇する計算になる。
地表の平均温が15℃なら、45℃だ。
地温勾配が4℃/100mと若干高ければ、55℃だ。
地熱発電の世界では、深度2,000mとか3,000mの掘削を行うので
掘削費が「ベラボー」になる。
しかし深度1,000mなら、これは「温泉掘削」の世界であり、
日本国内でしょっちゅう行なっている工事。
費用は格段に安くなる。
で、温泉掘削並みの掘削費用で深度1,000mまで掘削し、
そこに永井准教授の気泡ヒートポンプ「BACH」を放り込む。
従来比4倍の効率のヒートパイプにより、「熱だけ」を地表に上昇させる。
ヒートパイプ上端(地表側)が45〜55℃になったら、その熱で低沸点媒体
(アンモニア水など)を沸騰させてバイナリー発電を行っても良し、
熱電変換素子で直接発電しても良し。
この「BACH型地熱発電」のメリットは
「地下水(熱水)を採取しないで、熱だけ採取」なので、
既存の水系へ影響を与えないということ。
よって、温泉業者の反対をかわすことができる。
・・・ということで、直接永井准教授に「どうですかね?」と聞いたところ、
「1,000mの長さは想定外。BACH型は数mを前提としている」と言われ、
このアイデアはボツった・・・ |