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スルッとKANTOの旅行記4

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4)00年4月28日(金)〜30日(日) 豊肥線・南阿蘇鉄道・高千穂鉄道・三角線 完乗

00年4月28日(金)、GW前半戦のスタートの日、新大阪20時22分発の寝台特急「なは」西鹿児島行に乗車。5号車のB寝台個室の「ソロ」に乗る。
B
寝台料金(6,300円)でちゃんとカギのかかる個室、というお値打ち寝台である。というよりA寝台で個室でないものがあるが、その料金(上段
9,540円、下段10,500円)がバカ高いのである。特急「日本海2号・3号」についているが、こんなものは即刻B寝台料金並に下げるべきだろう。
それから通常のB寝台も3,000円程度でいいのではないか?これでもカプセルホテルより(セキュリティーで)劣るのだから。
とまあ通常寝台よりお値打ちソロに乗車するのであるが、GW前の金曜日の夜行なのに、前日(木曜日)にソロのキップが入手できた。
「なは」の乗車率が芳しくない、とは聞いていたが、GW時のソロでこれでは・・・と思いやられる。
(「なは」の車掌は「今日は満員です」と言っていたが、本当か?)
で、ソロであるが、中からカギがかかるのは勿論、外からもテンキー方式で暗証番号ロックがされるのはヨロシイ。以前寝台特急「富士」の
ソロに乗車したことがあったが、そのときは中からカギは掛けられたが、外からはかからなかったと記憶している。その点は「なは」では
改良している。寝台の配置も、「なは」は進行方向に沿って(通路に沿って)両側に配置している。以前の「富士」は進行方向(通路)に直角に
配置していたと記憶している。
あとアラームがあり、さらにトイレ使用お知らせランプもある。一応合格点であろう。
列車は西へ。例の如くビールを多量に飲んで早く眠る。多分明石付近で眠ったようだ。

    ※「なは」のソロのアコモについては、下記HPをご覧下さい。
       ゆうさくのほーむぺーじ 鉄ちゃん撮影日記in九州  


徳山・下関・門司・博多、と停車しては起きてまた眠る。本格的に起きたのは鳥栖(5時57分着)の頃である。4月29日(土・祝)。
熊本(7時9分着)で「なは」から下車。ここでおやっ、と思ったのは、「なは」の6号車(座席指定車)に10名位乗車したことである。
恐らく熊本から鹿児島方面へ向かう客であろう。彼らも居住性の悪い寝台に乗るより、座席車を選択するだろうし、それはそれでわかる
のであるが、こんな鈍足列車に(特急料金で)乗せられる乗客もカワイソウである。(「なは」は客車列車のためスピードが遅い)
これは朝の西鹿児島行き「つばめ」が熊本発8時20分(博多始発「つばめ1号」)まで無いためでもある。
本来なら熊本7時発位で、4両編成でいいから熊本〜西鹿児島間の「つばめ」を設定すべき話である。

とまあ少し川島令三が入ったところで改札を出る。熊本名物「からしれんこん」又は「馬刺」の入った弁当を所望したが、まだ配達されてないらしく、
なぜか鰻せいろ弁当を買って、7時27分発宮地行き豊肥線2両編成のディーゼルカーに乗り込む。小生の乗った車両は、右側2名席、
左側1名席の転換クロスシート車である。GWでハイキングなのか、高校生の団体や、中高年の団体などで立ち席も出る盛況ぶりである。
しばらくは熊本市街の南側を半周する。ふとこの構造を見て思った。
「熊本市は鉄道路線の形が名古屋に似ている。」
名古屋も中央線(中央西線)が街の南部を半周している。市の玄関駅はいずれも市の西側にあり、市の東側には特急の停車する副都心が
ある(千種・水前寺)。さらに近くに非電化線があり、そこへ乗り入れる列車がある。(武豊線・三角線)
・・・まあこれ以上言い出すと、「五島列島は日本列島に似ている」とか「九州はアフリカに似ている」とかと大同小異なので止めておこう。

熊本市も人口60万人の街らしく、東海学園前駅あたりまで結構高層マンションなどがあったりする。どうやら街は東方へ向かって発展している
ようだ(この点も名古屋に似ている)。最近豊肥線は肥後大津まで電化したが、それにはこのような背景があったのである。
(電車特急「有明」乗り入れの目的もあるが) 
途中で豊肥線電化用電車、新造の815系3扉ロングシート車と何度かすれ違う。デザインはJR九州らしい真っ赤である。どうもワンマン運転を
するようである。

列車は白川を渡る。まだ熊本市域なのであるが、谷が結構深いのにビックリする。阿蘇の影響であろうか?
その後は国道と並行して平野を進みながら徐々に登って行く。途中の電化・非電化のジャンクション、肥後大津駅で、あるいは「まちむら
けいじばん」でお世話になっている「かまぞう様」がいらっしゃるかな、と思ったが、いらっしゃらなかった。因みに肥後大津は駅の南側に
ショッピングセンターなんかがあって、チョット東京郊外の相模原なんかを思わせる光景である。(実際、人口増加率は県内トップクラスだそうだ。)
そうしているうちに谷が深くなり、8時17分に立野駅に到着。ここで第三セクター「南阿蘇鉄道」(旧国鉄「高森線」)に乗りかえる。


8時22分発の高森行きワンマンレールバス(勿論1両)に乗り込む。乗客は高校生の団体等で満員である。
列車はいきなり阿蘇の深い渓谷を眺めて進むが、トンネルを抜けると、のどかな高原状の風景である(つまりさきほどのトンネルが阿蘇外輪山
だったのだろう)。のどかな高原、と書いたが、遠くの山並みは一癖も二癖も違って見える。やはり阿蘇だ。
この「南阿蘇鉄道」はトロッコ列車を走らせることでも有名である。なので全線渓谷がスゴイのか、と思っていたが、どちらかというと雄大な高原を
楽しませる、といった感じのようだ。
いつのまにか団体も下車し、のどかな車中となる。天気は恐ろしい位の快晴である。
「阿蘇下田城ふれあい温泉」駅に止まる。お城の駅舎に温泉が入っているそうだ。その次は日本一長い駅名、「みなみあそみずのうまれるさと
はくすいこうげん」
、漢字では「南阿蘇水の生まれる里白水高原」である。駅名板もそうなっているが、地元では単なる「白水高原」で通っている
ようだ。(運転士も単なる「白水高原」と言っていた)どんな駅か、と見てみたが、普通の無人駅だった。(多少駅舎がデザインしていたかな?)
「水の生まれる里」なので駅に水飲み場でもあるのか、と思ったらそれも無かった。
ここの運転士は各駅毎に、「次は白水高原、立野からの運賃は330円です。」と立野からの運賃をアナウンスする。これは運賃車内払いの
ワンマンカーでは重要なことである(各駅間の運賃は車内に掲示しているが、見にくい)。こういう何気ないアナウンスサービスが(目の悪い
お年寄りには)親切なことになる。他社でも真似してもらいたい。

    ※「南阿蘇鉄道」については、下記HPをご覧下さい。
       熊本発、鉄道関連のページ 南阿蘇鉄道・高千穂鉄道改良企画書
       雑学の博物館 雑学の博物館別館−鉄道写真館(南阿蘇鉄道)  


真っ直ぐ進んでいた線路が左にカーブして、8時53分に高森着。洒落た駅舎を出て、タクシーで「湧水トンネル」に行く。
これは高森に行く鉄道マニアなら必ず押さえなければならないポイントである。
これはまさに小生がこれから抜けようとする高千穂へかけて建設されていた旧国鉄のトンネルの夢の跡なのである。
事情はこうだ。高千穂へ抜ける旧国鉄高千穂線(高森〜高千穂間)を昭和48年に着工したが、途中の高森トンネルで出水事故があり、
高森町の上水道が枯れてしまった。それで工事を中断してるうちに旧国鉄の再建法が通ってしまい、路線建設そのものがお流れに
なってしまったのだ。それでなんと町の上水道の水源をそのトンネルにしてしまって、数年前に一般に開放して観光資源にしたのだ。

タクシーで数分のところに湧水トンネルはあった。南阿蘇鉄道の先に高森トンネルがあるのか、と思っていたが、先述の通り南阿蘇鉄道は
終点直前で北へカーブしている。高千穂線は現高森駅を通らずに、別途新高森駅を作る予定だったようだ。(その場合現高森駅は廃止
するつもりだったのだろう。
湧水館、という資料館を見学。高森町は熊本県だが、水系では熊本・白川水系、大分・大野川水系、宮崎・五ヶ瀬川水系の3水系に
またがっているらしい。
で、湧水館の直下がトンネル入口である。単線の路盤の真ん中に水路があり、水が外へ向かって流れている。
入口のさらに外側は池になっていて、アヒルが4匹位泳いでいた。

内部に侵入。トンネルはゆるやかに左へカーブを切っている。よって、しばらく歩くと出入口は見えなくなる。勿論照明設備はあるが、
心細くなる。で、中には「蝶」や「孔雀」の電飾があったりする。
10分ほど歩くと一般人が立ち入れる終点に着く。ここが水源ではないのだが、水源からの水が滝になって水路に流れ落ちるようになっている。
で、お約束通り、そこには水を飲めるよう、柄杓があり、また賽銭箱がある(こうしないと直接コインを投げ入れるバカがあるのだろう)。
小生は賽銭は入れないが、柄杓で飲んでみる。言い忘れていたが、トンネル入口に「高森トンネル施設を守るために100円の募金を」
(強制ではない)というのがあり、そちらにはちゃんと100円を払っておいた。
また、この終点の近くに、「ウォーターパール」という、ストロボ光の加減で水玉が止まったり、昇っていったり見える噴水もある。
それにしても朝早いので観光客にあまり出会わない。で、たまに観光客に出会うと、薄暗い為、妙な警戒感を持ってしまうのが
不思議なところである。まあ相手も警戒してるかもしれないが。

トンネルを出る。これから高千穂へ抜けるが、そのバス停は駅から20分ほど北側、湧水トンネルからでは都合30分ごどある。
しかしバスの時間まで間があるので、ぶらぶら歩くことにする。いい天気である。天気に引かれて「昔ながらのアイスクリーム」というのを
買う。買っている間に近くの南阿蘇鉄道にトロッコ列車「ゆうすげ号」がゆっくり走っていくのが見えた。なかなかキップがとれない
列車らしい。
で街をゆっくり歩いてバス停着。国道325号線沿い・高森町役場前にあるのだが、周囲に建物がごみごみ建っている、ということが全く無い。
実にゆったりしている。なんか周囲の外輪山等の風景もあいまって、アメリカのハイウェイでバス待ちしている感じである。
バス停近くにはコンビニとほっかほっか亭がある。この辺チト日本的だが。で、高千穂駅であまり時間がないので、ここらで食料を
調達するのがベストと判断。ほっかほっか亭のお世話になる。
しかし、10時40分の予定のバスがなかなか来ない。いくら遅れても5分〜10分じゃないのか?でも15分たっても来ない。実は時刻表で
10時40分発と記載があったのだが、同時に「4月時刻改正予定」ともある。小生の経験では時刻改正、とあっても大体5〜10分も変更
されることはないのが普通なので、今回特にバス会社に問い合わせてなかったのだが、こりゃひょっとしてバス便が削減されたかな?と
マジで心配になる。(バス停の時刻表は10時40分となっていたが、改正日平成9年、とある)
結局20分遅れで来た。しかもここでしばらく休憩するそうだ。(トイレ休憩?でもトイレは車内にあったが)

    ※「高森トンネル」については、下記HPをご覧下さい。
       Web Otchee!! 鉄道廃線跡を訪ねて《遺構へ行こう!》 高千穂新線・高森トンネル
       高森トンネル水源


遅れたまま発車。本来高千穂バスターミナルに11時49分着、高千穂鉄道は12時19分発である。バスターミナル〜駅は約10分らしい
ので、このまま20分遅れではぎりぎり、駅への道に迷ったりさらにバスが遅れたりするとアウトである。こういうときに「やはりバスより
鉄道」と思ってしまう。
気をもむ鉄道マニアをよそにバスは雄大な自然の中を走る。高森峠越えで高森の市街を見下ろす。乗客は20名位。バスには
ビデオ施設があり、何故か松山が舞台の学園もの映画をやっていた。(伊予鉄道、乗りましたから)
途中高千穂へ直行せず、五ヶ瀬を経由する。高原状のところを通り、牧場で馬が居たりする。

高千穂峡の深い谷をチラッと見た後、結局12時過ぎに高千穂バスターミナル着。これならなんとか間に合う。はっきり言って暑いくらいの
中で、駅への坂道を登る。
高千穂駅は街の外れに、それも道路から階段で降りていくような変わった地形の中にある。恐らく高千穂駅付近は近年鉄建公団が
予算を潤沢に使って作った区間のため、街の外れに長大トンネルを掘削して駅を作ったのであろう。高森へ抜ける予定であったことも
影響しているのかもしれない。いずれにせよ、高千穂峡への観光客誘致の為には、この立地はマイナスである。

当然1両しかないレールバスに乗車。海沿いの路線の場合、迷わず海側に腰掛けるが、川沿い路線の場合、判断は難しい。地図を見て、
川(谷)の方だ、と思う方に座るしかない。今回は、進行方向右側に座った。左側には、「書泉グランテ」と書かれた紙袋(時刻表在中?)を
持った男性が座っている。ありゃ、どう見ても鉄道マニアだ。東京からご苦労様である。
★書泉グランテ・・・知る人ぞ知る東京・神田の大型書店。特に鉄道関係に詳しい。

12時19分、定刻の発車。列車は高千穂駅を出て、川沿いに進む。すると、深い渓谷にさしかかる。これが東洋一高い高千穂鉄橋である。
よくこの鉄橋の上で乗客向けにわざと停車させてスリルを味わわせる、ということがある、とモノの本に書いてあったが、今回はスピードを
落とすことなく通過していった。沿線はとにかく五ヶ瀬川に沿って、上流から徐々に中流・下流へ走る。良い景色だったこと、暑かったことを
述べておこう。

13時36分、延岡着。延岡駅にて「延岡→豊後竹田」のキップと「延岡→大分」の自由席特急券を購入。その後、駅前をブラブラ。
駅前に延岡市出身のオリンピックメダリスト達の手形・足形のレリーフが飾ってあった。レリーフの数に対して、はめるスペースの方が多く、
端の方が空いている。これは「これからもどんどんメダリストが出ますよ」という自信なのだろう。

    ※「高千穂鉄道」については、下記HPをご覧下さい。
       高千穂鉄道(公式HP)
       産経新聞 渡辺淳のスケッチ紀行
       宮崎紀行2
       放浪記 horo3  
       よかとこBY・写真満載九州観光 写真で見る九州の橋 高千穂鉄橋

    ※「高千穂観光」については、下記HPをご覧下さい。
       高千穂町公式HP    
       高千穂町商工会ホームページ
       我が家の旅日記 九州ぐるり一周 高千穂峡  

    ※「延岡」については、下記HPをご覧下さい。
       延岡市のホームページ
       「延岡県のひろば」
           


 

延岡駅14時33分発の特急「にちりん10号」に乗車。勿論、ガラガラである。

また、車両であるが、真っ赤である。まあそれは許すとして、緑色の字で「SASEBO EXPRESS MIDORI」とあるではないか!
これは以前博多〜佐世保間の特急「みどり」にこの車両(国鉄時代からのお古、485系)を使っていたからであるが、こういう塗装は
別列車に使うときは変えるべきであろう。「にちりん」は博多駅に乗り入れる(つまり、「みどり」と誤乗車の恐れがある)のだから、尚更である。

それはそうと今日の宿を取っていない。過去の経験から宿は大丈夫だろう、とタカをくくっていた。で、おもむろに時刻表にある安いビジネスホテル
(lこれでわかる人にはわかる)へTELすると、「あいにく満室です」。
仕方が無く、高いホテルを予約するハメになった。

列車は山の中を小川沿いに走る。地理に疎い方は、「えっ、日豊線は海沿いの路線じゃないの?」と思われるだろうが、ここ延岡〜佐伯間は、
山が海岸まで迫っており(リアス式になっている)、線路は山のほうを経由している。このルートを「宗太郎越え」と呼ぶ。
(因みに「宗太郎」という駅もある。人名みたいである。隣の「重岡」駅と合わせて、「重岡 宗太郎」。出来すぎである。)
この間は、山の中の過疎地帯を走ること、大分・宮崎の県境を越えることもあって、列車の本数は非常に少ない。普通列車は1日5本
つまり朝の通勤用に2本、高校生が(土曜日等で)早引けする時の通学用が1本、高校生の(普通の)下校用が1本、夕方の通勤用が1本、
以上である。
因みに小生の利用する時間を見ると、上りの普通は13時25分の次は16時35分まで無い。
又、特急は夜行2本を含めても10本。こちらも少ない。(それほどの本数なのに、乗車率せいぜい10%の「にちりん10号」は一体・・・)

このルートは既に2年前に通ったことはあるが、それでもひなびた景色の中、小川沿いに山を登っていくのはいいものである。もっともそう感じる
のは自分が急いでいないためでもあろうが。沿線には鯉のぼりが目立つ。
峠のトンネルを抜けると、下り勾配となって佐伯に到着。ここからは海沿いに津久見、臼杵、と通っていく。この区間は、今度は海沿いに
瀬戸内の島を眺める旅である。みかん栽培が目につく。

小生の発見した法則。
「幹線なのに、本数の少ない線区は景色がいい」
一般に本数の多い路線とは、即ち平野部等でさほど景色は面白くない。又、ローカル線は景色がいいのが普通だが、中には単に平野部の
盲腸線だから景色が悪いケースもある。その点、特急も通る幹線で、かつ普通列車が少ない路線は、景色が総じてよい。

といったことをまあ考えつつ、列車は16時33分に大分着。

    ※「宗太郎越え」については、下記HPをご覧下さい。
       駅名広場 姓名駅
       かず太郎の毎日がほりでー 鉄道何でもランキング
           


大分駅16時45分発の普通列車で豊後竹田へ向かう。2両編成の車両である。結構な乗車率で、立ち客もかなりいる。というより、
小生も座席にありつけなかった。まあいい、たまには立席も良かろう。そのかわり、運転台脇の、前方丸見えのポジションを確保する。
犬飼まで、結構みなさん乗車している。沿線も田畑はあるが、そこかしこにマンションや新しい団地がある。犬飼または三重町まで、
レールバスでいいから20分毎に頻発して、駅も増やせば面白いのではないか?
列車は三重町駅で2両のうち1両を切り離した。なので、乗車率としては立席が残ったまま豊後竹田へ向かうことになった。
列車は大野川の渓谷に沿って軽快に進む。

豊後竹田18時10分着。まだ日があるので、少し竹田の町を散策する。第一印象として、思ったより小さな街である。最近、どういう街でも
6階建て以上の高層ビル・マンションがあるが、ここにはそれがない。ここに来る途中の犬飼町、あと次の日に通る(肥後)大津町の方が、
その意味では「都会」である。
愛染堂・観音寺・十六羅漢と散策。茶房御客屋の外観を見て、滝廉太郎記念館の前を通る。(記念館はもう閉館後だった。)
近くに「廉太郎トンネル」という、通るとメロディが流れる、という小さなトンネルがあり、そこを潜り抜ける。
その後、武家屋敷街へ。武家屋敷の近くにキリシタン礼拝堂があるはずなのだが、どうしても見つからない。日も傾いたし、探索はあきらめる。
案内板を整備した方がいいですよ、竹田市さん。

さて、予約したホテルは少し街外れにある。歩けないこともないが、面倒だし、ある理由もあって、タクシーを拾う。その理由とは、「唐揚げの
丸福」の店に寄りたいからである。
この小旅行計画時に、小生は事前に竹田市関係のBBSに「竹田市の旨いものは?」という質問を試みた。(これが正しい
「エリア掲示板ネットワーク」
の使い方です、皆様)その結果、「丸福の唐揚げ」がベスト、という結論に達した。(エノハ料理、という選択肢も
あったが、高そうだったので見送り)
で、タクシーの運ちゃんに「どこか知らないケド、「唐揚げの丸福」へ」、と伝えると、小さな街のこと、スグに定食屋らしき店先に着いた。
どうやら店の半分は定食屋、もう半分が調理場で、テイクアウト(って外来語は似合わんな。持ち帰り)の客は調理場へ直接頼んでいるようで、
近所のおばちゃんも唐揚げを頼んでいた。
10分ほど待って唐揚げが2本揚がる。といってもケンタッキーフライドチキンのようなチンケな唐揚げを想像してはいけないよ明智君。
BBSにも「人の顔ほどもある唐揚げを、顔中油だらけになりながら食すのが正しい食し方」とあり、小生は「手は汚しても、さすがに顔までは
汚すまい」と思っていたが、本当に人の顔の大きさの骨付きチキンがデカデカと、アツアツと出てきた。とにかくむさぼり食う。
あれはアツアツだから旨いんだな。油っこいのがニガテな方へはお薦めしませんが、それ以外の方ならぜひお試しを。
(確か2本で700円だったと思う)
その日はビールとチキンで夕食の代わりとし、TV見て就寝。

    ※「大野川」については、下記HPをご覧下さい。
        大野川の河童小屋

    ※「豊肥線」については、下記HPをご覧下さい。
        森の広場 熊本の鉄道 豊肥線

    ※「竹田観光」については、下記HPをご覧下さい。
       竹田市役所公式HP


6時前に目覚め。ホテル裏の豊肥線の線路が見える。ときどき列車が顔を出す。
軽くユニットバスの風呂につかり、7時に朝食。和定食である。
7時30分頃、タクシーを呼んでもらい、山城で有名な岡城へ向かう。

さあ噂の岡城である。本来駐車場前の窓口で入「城」料を300円払わなければならないのだが、朝でまだ開いていない。
ゲートも全くないし、そのまま城へ向かう。
しばらく歩くと、やがて山の上に広大なのっぱらが出現する。これが西の丸跡、とのこと。サッカーグラウンドにもできそうな程の原っぱが、
山の上にある。2002年W杯を、この岡城跡で開催したら面白いだろう、と訳の判らぬ瞑想をする。
しかし、こんな程度で終わる岡城ではない。山の尾根伝いに、行けども行けども城跡が展開する。見ると、城の北と南に川が流れている。
なるほど、天然の要害とはこのことを指すのであろう。
朝早くのため、観光客も殆どいない。鳥のさえずりが心地よい。早起きは三文の得、とはよくいったものだ。
天気はあいにく曇っている。晴れていれば九重連山や阿蘇が見えるのだろうが、今日は見えない。まあ良い、曇り空の下の竹田市街(といっても
かなり小さい)も、落ち着いていていいものである。
そんなこんなで、1時間余り、山頂の城跡を徘徊したのであった。

9時前に入り口の駐車場に戻る。雨が降り出した。なんとか歩いて(走って)駅に戻れる時間だが、余裕を見てタクシーを呼んで駅へ向かう。
どうも地方へ行くと、ついついタクシーを使ってしまって、健康とサイフによろしくない。
9時10分頃、駅に到着。やることもないので、駅の待合室でTVを見る。「ザ・サンデー」で、徳光が相変わらずのG党発言を
繰り返している。見ていて哀れだ。
9時30分頃、ホームに上る。ホームと線路に、白猫と黒猫が数匹いる。

    ※「岡城」については、下記HPをご覧下さい。
       お城と戦国大名 岡城
       大分県竹田市入田のホームページ 岡城大手門
           


豊後竹田駅9時42分発の特急「あそ2号」で熊本へ向かう。進行方向左側に乗車。その理由は後述の立野のスイッチバックを見る
為である。しかし、豊後荻を過ぎ、山深くなると、進行方向右側に谷を見る形となった。惜しんでいるうちに、オウムで有名な波野村を通過する。
まさに高原の風景である。残念ながら雨模様だが。
トンネルを抜けると、これまた右側に阿蘇カルデラ盆地のパノラマが展開する。列車は時計回りに半周の円を描く形でカルデラ盆地へ
降りていく。
阿蘇駅から年配の団体が乗り込む。で、車掌氏に「以前、ワシらこの線に汽車で(つまり蒸気機関車牽引の列車で)乗ったことあるんやけど、
その時スイッチバックゆうて列車が反対方向へ進んだけど、今でもそうかいな?」と問うていた。
特急は40%位の乗車率で、雨のカルデラ盆地を進む。竹田市はなんだか雨が似合う街だったが、阿蘇は断然晴れがいい。そう思っている
うちに、列車は山と谷に挟まれた斜面を進むようになる。で、いつのまにか列車は停止し、程なく後退を始めて、やがて立野駅に到着した。
気をつけて左側車窓を見てたつもりだったが、これから進む線路を発見できなかったようだ。まあ良い、また来ることもあろう・・・って、
全国の鉄道の完乗を果たすまでは再訪することもないだろうから、何年、いや何十年先になるのかわからないが。
で、雨の中を熊本駅へ向かい、11時18分、熊本駅到着。昼食は駅ビルのラーメン屋で。時間があれば桂花ラーメン本店へ足を伸ばす
ところであるが・・・

    ※「立野のスイッチバック」については、下記HPをご覧下さい。
       写真紀行★風に吹かれて 俯瞰撮影の魅力 豊肥本線/立野 (写真ですのでチト重い)
       M.YAMADA Homepage 鉄道の部屋 九州旅行写真集 豊肥本線 (こっちも重い)
       長陽中学校ホームページ スイッチバック
       ☆☆ Kyushu Railway's Photo Gallery☆☆ SLあそBOY

    ※「桂花ラーメン」については、下記HPをご覧下さい。
       BELL BELL FIRE ! 桂花ラーメン本店
       どんぶり一杯の幸せ 桂花  
       習慣 ラーメンファン 桂花ラーメン       
           


 

熊本駅12時04分発の三角線のワンマンカー(1両)に乗り込む。結構乗客がおり、立っている人もいる。
三角線のダイヤであるが、1時間毎に走らせているのは立派である。JR東日本に見習わせたい。
列車は宇土で鹿児島本線と別れ、進行方向右手に海を望みながら走る。晴れていれば島原半島でも望めようが、雨なので、ひたすら
海しか見えない。のりの養殖でもやっているのか、海に多くの「さお」が刺さっている。
でこのまま海を眺めつづけるのか、と思いきや、列車は高台に上がったあと、トンネルに入る。地図をよく見ると、三角半島をこの付近で
横断し、半島の南側に転じるようである。で、トンネルを出たところに、「いかにも最近作りましたよ〜」という感じの「石打ダム」という駅が
あった。こんなところで駅を作っても・・・と思ったら、女子高生が下車していった。「

三角駅12時52分着。因みに、この駅も歴史と由緒のある駅である。(三角は熊本の外港として明治期に発展した)
まず、駅前にある「海のピラミッド」という施設へ行く。要は島原等へのフェリーターミナルであるが、円錐型の建物で、頂上へはループを
回りながら進む。以前、美保関・七類港でもこのようなフェリーターミナルがあったが、恐らく運輸省からの補助金か、モーターボートの
収益金で作ったのであろう。
ピラミッドのてっぺんは、そうは言っても多島海の眺めはそれなりに良い。晴れていればもっといいが。

で、このまま折返すのも芸が無いので、近くの三角西港へ行くことにする。三角西港とは、熊本の外港として明治時代に作られた港町である。
本来そのまま発展するのがスジであるが、鉄道が現三角駅までしか乗り入れなかったので、そのまま廃れてしまい、今では逆に「貴重な
明治時代の文化遺産が残る港」として注目されているところである。

ここでもタクシーを奮発。運転手がしきりに「ここまで来て天草に行かないのはルール違反。ワシが安く案内しまっせ」(註:言葉は肥後弁)と
言うのを振り切り、三角西港で降りる。なるほど、岸壁は確かに石造りである。街を走る水路も石造り。で、洋館がいくつか建っている。
それはそれでいいのだが、観光客向けのレストランやみやげ物屋に改造しているのが残念である。街の上の方にも洋館があり、そちらへは
あまり観光客がいないので、そちらに行って一人悦に入っていた。

    ※「三角線」については、下記HPをご覧下さい。
       HIRANO.COM くまもとが好き! JR三角線インフォメーション / JR三角線三角駅

    ※「三角西港観光」については、下記HPをご覧下さい。
       よかとこBY・写真満載九州観光 写真で見る九州の観光と温泉 天草 三角西港
       シーサイドみかん畑 三角町観光案内 三角西港
       熊本日日新聞 新くまもと百景 三角西港(宇土郡・三角町)
       熊本県観光ビジュアル情報「肥後國見聞録」(観光マップと市町村・旅館情報) 三角町
       八代宇城地方拠点都市のホームページ 三角町
       すぱいす子育て情報 お出かけメール(99年8月21日)
       CALAF & Tosca KYUSHU Drive Map 三角西港
           


三角西港を15時28分に出るバスに乗車。乗客はわずか3名だったと思う。そのまま半島を時計回りで進む。進行方向左側に座って、
しばし海を眺める。途中「北新地」などという大阪みたいな停留所もある。
宇土駅前に到着。しかし駅前広場がないらしく、狭い道路の端に降ろされる。
改めて見ると、宇土の駅舎が、これまたいい。

宇土発16時37分の各駅停車(三角から来たディーゼルカー)に乗車。行きとは違い、2両編成のセミクロスシートタイプである。
熊本発17時00分発の特急「つばめ18号」(西鹿児島始発)の自由席に乗車。熊本でかなりの座席が埋まり、90%位の乗車率か。
「つばめ」の電光表示であるが、英語で「The Next Station Is鳥栖」となぜか「鳥栖」と漢字表記になっている。何故?
博多発18時35分発の「のぞみ30号」(500系)で新大阪へ帰宅。博多〜新大阪が2時間17分。以前なら「さすが500系」と思うところであるが、
最近はだんだん慣れてきて、700系「のぞみ」だと損した気分になってしまう自分が怖い。

    ※「宇土駅」については、下記HPをご覧下さい。
       写真紀行★風に吹かれて 木造駅舎への招待 駅舎九州
           


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