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イスラエル人とイギリス人とはもう関わり合いになりたくないので、「Bye」とだけ言って市バスを探しに行った。バスはすぐに見つかり料金もたったの1元。ここは許可証を持ってる人だけしか入れないような所なので心なしか治安とかマナーとかが良い様な気がした。
しばらくしてバスは国境のある、深川火車駅へと到着した。最初はどれがイミグレーションなのか全く分からなかったのだが、とにかく香港は南にあるので南へと歩いていくとすぐに香港と書いた標識が見えてきた。イミグレーションは建物の上層にあって、そのまま建物から橋を渡って香港側のイミグレーションまで行けるようになっている。
ここは2階が外国人、中国人専用なのだが最初は知らずに人についていって3階の香港人用の所へ行ってしまい、あっさり追い返されてしまった。ここはなんだかややこしくてわかりにくい建物だった。そして中国の出国審査はなんだかめちゃくちゃ遅くてどんどん行列が出来ていく。普通出国審査なんてほとんどスタンプを押すだけなのに(米国は無いし)
たいぶ待たされた後パスポートの全ページを細かくチェックされて、やっと出国スタンプが押された。いよいよ橋を渡って香港入国。国境にかかる橋は特になんという事はないのだが、初めて陸路で越える国境だけに少し興奮気味だった。香港側のイミグレは作業も早くほとんど並んでいる人は居なかった。ただ前の人が帰りの航空券を細かくチェックされていたので少し緊張したが、自分はあっさり赤いパスポートを見せるだけで3ヶ月のスタンプが押された。日本人で有ることに感謝する瞬間だ。
橋を歩いて渡った人は、必ずKCRという列車で香港に入っていく事になっているようだ。値段はいきなり$33で驚いてしまった。中国なら33元としても列車なら500キロ以上移動出来てしまう。列車は見るからにイギリススタイルというか、ジュラルミンに何も敷いてない椅子が並んでいた。列車は振動も無くするすると走りやがて地下鉄乗り換え駅の九龍糖に到着した。
驚くべき事に地下鉄というサインボードが無く、人の流れについていったら知らない間に駅についていた。地下鉄もやはりイギリススタイルなのか、でっかいドアがあって吊革の替わりにゴムの丸い玉が天井からぶら下がっていた。尖沙咀を下りるといろんな客引きが声をかけてくる。とりあえず陽朔で教えてもらった九龍飯店という所を探していたら偶然そこの客引きに会って、ついていく事にした。
客引きのおじいさんはニコニコした感じのいい人だったが、ゲストハウスのおばさん二人は態度も悪くいやな感じだった。しかしかなり疲れていた為とりあえず一泊だけする事にした。たしかにここは香港のドミトリーの中では最低ラインの価格帯になるのだろうが、だからといってサービスも最低というのはいかがな物かと思う。値段交渉も全く相手にせず、物を尋ねても「知らないわ」という感じだった。ドミトリーも細い鉄パイプのベッドが14個狭い部屋に押し込められていて、上るとぎしぎし変形するような代物だった。
とりあえず荷物を下ろして有名な尖沙咀のプロムナードに行ってみた。疲れているはずなのだが気分が高ぶってるせいか体は軽い。ネイザンロードを下ってなんだか博物館みたいな所の敷地を抜けるとい突然目の前に海が広がり、その向こう側にはおびただしい数の巨大なビルが見える。思わず「すげーっ!」と叫んでしまって少し恥ずかしかった。
夜のプロムナードからの景色はさらに凄い。日本のどこにもこんなに凄い景色は無いんじゃ無いかと思う。そしてそのまま景色を見ながらスターフェリーに揺られて香港島に渡る事にした。$2.20の小さなナイトクルーズを楽しんでからそのまま対岸を湾仔方面へ散歩していった。
着いた時には九龍サイドも中国的な雑多な感じでかなりの都会だと思っていたが、こちらの方は何というか洗練されていて西洋と中国が上手く混ざり合っているような感じを受ける。ともかくこの香港、なかなかエキサイティングな街なのは確かだ。
宿に帰ると天井で古い扇風機がからから回っていた。ベッドに横たわるとドミトリーの窮屈ささえ感じる事の無いまますぐに眠ってしまった。
今朝はやはり宿を移ることに決めて、チェックアウトの時間までに周りの安宿を回ってみる事にした。となりの重慶マンションの安宿をチェックすべく各座のエレベーターの案内板を見て回っているとこれまた一人の客引きに声をかけられた。
シングルを探しているというと、1泊$150だと言うので、そんな値段じゃ話しにならないと軽くあしらうと、$130に下がった。それでもかなりの額なのだが、結局一泊$120、3日で$360という事で話がまとまった。部屋はものすごく小さいが、電話とバス、トイレ、テレビが付いている。個人的には電話だけで十分なのだが。ともあれこれで久しぶりにたまっているメールを受け取る事ができる。
宿の名前はNew Grandゲストハウスという所らしく、主人はニコニコして親切そうなのだが、金の話になると目つきが変わる。電話も香港はタダのはずなのだが、一応尋ねてみると少し躊躇したあと1回$1とか言い出した。その妙な間が正当な料金じゃないことを物語っているようだったので、あとでおばさんの方に聞くと、タダだけど昼間は1回2分ぐらいにしてねと言われた。もちろん回数を数える方法など無いのだろう。チェックアウトでもめないといいのだが、デポジットも取られなかったので何とかなるだろう。
引っ越しが終わって、さっそく最優先事項であるベトナムビザの情報を集める事にした。だいぶ前に読んだ情報だと、「個人や陸路は旅行代理店を通す」となっていたような気がしたので、まず近くの旅行代理店に行ってみた。料金は代行料込みで$450だという。値段も高いのだが今日はもうひるだから月曜の申請になって、そこから7日間かかるという。と言うことは2週間も香港ですごさなければいけなくなる計算だ。
昨日の経験で、ここ香港では使うべき所でお金を使わないと不愉快なると分かったので、ここは少し贅沢をする気になっていたのだが、2週間はちょっとつらい。ダメもとで湾仔にあるという領事館に直接行ってみる事にした。
領事館は、Great Smart Buildingという所の中にあるらしいのだが、地図もなく住所だけをたよりに歩いているとしばらくしてその通りが見つかり、通り沿いに歩いているとちょっと古びたビルにたどり着いた。しかしどう見てもGreatでSmartとは言い難い建物だ。さっそくベトナム領事間のフロアにいくと、、、昼休みで、営業開始はなんと2時半。1時間半も待たなければならない。
仕方がないので、周りをぶらぶらしようと外にでたら、となりに美容院があった。値段はカットとシャンプーで何と$68。念のため他の店も回ってみたのだが、全部$200前後だったので、思い切ってここで切ってもらう事にした。
カットは茶髪のお兄さんがしてくれたのだが、時には細かく、時にはばっさりとメリハリをつけて切っていく。しばらくしてなかなかいい感じのさっぱりした髪型になった。少し香港チックでお気に入りた。これで細長いサングラスをかけたら、誰が見ても外国人だとは分からないだろう。当初日本にいたときは、どうやって今の髪型を維持しようかと悩んでいたが、今となってはそんなことはどうでもよく、タイに行けばタイの流行の髪型にすればしいし、インドではインド人のような髪型にすれば良いだけだと思えるようになった。
頭がすっきりした所で、いよいよ懸案の領事館だ。大きな申請者ようの丸テーブルとカウンターに職員が4人座っているだけの小さなオフィスだ。受付でビザを申請したいというと無言で申請用紙を2枚くれた。とりあえず個人でも申請出来そうなので、用紙に従って記入していった。しばらく記入すると「ベトナムでの招致機関名と住所」という欄があった。やばいやっぱり個人では招待状が無いと申請できないのか?
おそるおそるカウンターで聞いてみると、「無ければ書かなくて良い」との事だった。入国出国地点も何処から入れるのかあまり良く知らなかったので地図を見ながら教えてもらった。態度はぶっきらぼうだがなかなか親切な職員だった。
全部書き上げると今度は写真が6cm×4cmだと書いてる。そんな巨大な証明写真を何処で撮れるというのだまったく。仕方ないので持っている普通の大きさのをみせてみると、ノープロブレムだと申請書にホッチキスで止めてすぐに受理してくれた。シングルでHK$300。受取日は11月11日。これだとちょうどいいタイミングでベトナムへ向かえそうだ。
一応香港でしなければいけないことは大体終わったので、電気製品などを見て回る事にした。ふと立ち寄った店で聞いてみたら、オリンパスのデジカメ C-2000Zが何とHK$3500だという。今のデジカメもなかなかいいのだが、やっぱり斜線がギザギザになったりするのが気になるのと、暗いときや遠くを取ったときにたまにフォーカスがうまく行かないときが有るのが不満だった。しかしその値段なら、今のを売れば1万5千円程度で買い換える事ができる。しかし他の店ではHK$4500だったりHK$6000だったりするのでいまいち仕入れルートに不安を感じるのだが。
とりあえずこの件は継続していろいろなみせで尋ねてみる事にした。
夜はメールを書いたりホームページを更新したりして、みんなが寝静まるのを待ってからネットにつないで久しぶりにWWW巡りをしてたので、終わった頃には3時を回っていた。ネットの品質はむしろ日本よりも良いぐらいで、旅行関係のいろいろな情報も収集する事ができた。
とりあえずここにはあと2泊するので、今晩もメールを書いたりと忙しくなりそうだ。
よく香港、とりわけ九龍は「おもちゃ箱をひっくり返したような街」と例えられることがあるが、週末になるとおもちゃ箱はますます賑やかさを増し、そして面白くなる。
今朝は久しぶりにゆっくりしてから何となく香港の電気製品事情と言うのが気になって、コンピュータ屋の雑居ビルが有るという旺角と呼ばれるエリアへ行ってみる事にした。このエリアへは地下鉄で行ける事がわかったのだが、なんだかそれではつまらない。街の風景が見えない地下鉄に乗るのはなんだかここ香港ではもったいないような気がするからだ。
宿の前のバス停を調べてみると何種類かのバスを見つける事が出来た。ここ香港では同じ区間乗っても系統ごとに値段が違うというなんだか変な料金設定になっている。要は長距離のバスはとなりのバス停まで乗ってもかなり高くなると言うことだ。ゾーン制を取ってるバスもあるのだが、なかなかややこしい。
しばらくするとバスがやってきた。香港名物ダブルデッカー(二階建てバス)だ。この2階建てバス、2階の一番前の席からの眺めは最高で、いくつもの看板をかすめそうになりながら、おもちゃ箱をかき分けどんどん走っていく。道行く人を見下ろし真横をくるくる変わっていく看板はなんだか広告のオーロラビジョンを見ているようで楽しい。
旺角に着いてから少し道に迷ったが、しばらくしてそれらしいこじんまりした建物を見つけて入ってみた。地図を買っておいて正解だと思う瞬間。建物は意外と小さかったのだが、中に入ってる店は更に小さく、4畳半程の店舗がたくさん軒を連ねていた。
ここに来た理由は、今のコンピューターのバックアップをどうしたものかと思っていたのも大きな理由だった。一通り回ってみると、やっぱりZIPドライブが安くて便利そうだが、Flush ROMの大容量化を見ていると、2年後には過去の媒体になってしまうのは間違い無さそうだ。他にはCD−RWもあったが$3000を越えていてちょっと予算的につらい。120M−FDも今のFDドライブを送り返せるのはメリットだが、高い上にブートが出来ないらしい。どうもどれもいまいち決めてに欠ける。
しかし最悪香港では$2000以下でZIPドライブが手に入る事が分かったのでほっとした。以前日本で探した時は、どのメディアも電源がPCカードから取れず、外部のACアダプタが必用というちょっと間抜けな構成になっていた。このACアダプタというのはいろんな国を回る旅にはやっかいだし、何より荷物が増えるのが痛過ぎる。
こんな感じで昼ごろまで過ごしてから一旦宿に戻り、プロムナードの夕暮れを見に行った。時間と共に変わっていく景色はなかなか良かった。真っ暗になる前の、夜景と夕日が同時に見える時間がいい。
日が沈んでからは、九龍の宿周辺の繁華街を冷やかしてみた。お菓子のディスカウント店には日本のお菓子が山ほどあって懐かしくなって思わずいくつか購入してしまった。$8ショップと言うのもあった。ニュージーランドには$2ショップというのがたくさんあってよく利用してたのだが、ここもなかなか使えそうだ。中でも中国製の電池式ひげ剃りはなかなか良いこれで100円は安い。しかし電池式なのに「CHARGE」と書いたダミーのスイッチが着いてるのはアホすぎるが。
食べ物やもなんちゃって日本食とかがあって面白かった。その一軒に入ってみたのだが、店の外の看板がめちゃくちゃだ。「シソラーメソ」(らーめそ?)とか「トソカツラ定食」(とそかつら?)とか思わず店の前で笑ってしまった。あまりにも面白かったので、そのトソカツラ定食を食べる事にした。$40。中国にいるときから考えると一食にはとんでも無い金額だが、ここでもうぱーっと使うことにしたのだ。しばらくして懐かしい味が運ばれてきた。さすが中国、豚カツもからっと上がってていい感じだ。みそ汁も日本のものを使っているようだった。
最近気づいたのだが、ここ香港では物価が少し狂っている。いや高い安いではなくて、なんだか基準がよく分からないのだ。どう見ても日本で30円の氷アイスが100円以上したりするかと思えば、マクドナルドのセットは200円ちょいと、先進国にしては格安だ。中国ではマックというと高級レストランだったのに(笑)。どもかくここでは朝昼はファストフードにお世話になることにしようと思う。
香港も4日目になり何となく目新しい事が少なくなってきたので今日は少し遠くまで足を伸ばしてみる事にした。その前に宿探しだ。
ここの宿も安いのは安いのだが部屋がめちゃくちゃ狭いうえに窓が無い。いや厳密には窓は有るのだが、ビルの内側に向いている。一応小さな穴がしたまで吹き抜けになっているようで、窓を開けると中華料理とニンニクのにおいが上がってくる。宿の親父の態度もなんだか客引きをしてる時とは違う。
昨日洗濯を頼んだら何と1つ$5だという。6着で$30。普通は洗濯機1回分で$10ぐらいだと思うのだが、それでも親父は「香港じゃ格安だ」と繰り返す。今考えると何で自分で洗面所で洗わなかったのかと思うのだが、香港を出る前に厚手ものやGパンだけは何としても洗っておきたかったので頼んでしまった。あとから小さなシャツを追加で洗ってくれないかと頼むと表情も変えずただ「$6」と言う。どうも金の事しか頭に無いらしい。
そんなわけで朝からいろんなフロアを回ってみた。ここ重慶マンションは大きな1つのビルなのだが、内部は完全に独立していて1階からそれぞれのエレベーターに乗らないと行き来が出来ないようになっている。とりわけA座とB座には安宿が多いのでエレベーターの下で客引きがたむろしているというわけだ。
今日はリュックを持っていなかったので客引きにつきまとわれることなくいろいろ回る事ができた。そして同じC座下の階でなかなかいい所を見つけた。きれいで、今の部屋より大きく電話もある。宿のおばさんも笑顔で親切だ。今泊まっている所の値段を言うと$130ぐらいがラストプライスだと言っていた。プラス$10でこの部屋に移れるなら文句は無い。予約はしなかったが明日の朝イチで行ってみるつもりだ。
宿が決まると次は観光。今日はとりあえずRepulse Bayと言う香港島の反対側のビーチに行ってみる事にした。ここは映画「慕情」の舞台となった有名な砂浜らしい。テーマ曲は吹奏楽団の演奏会で何度となく演奏した事はあるのだけれど残念ながら映画を見たことは無かった。
いつものようにスターフェリーで中環へ、そこから2階建てバスで一路Repulse Bayへ。バスはすぐに街からはずれてどんどん山を登っていく。ガジュマルの木が生い茂っていてここが亜熱帯だということをあらためて思い知る。香港島は海沿いに高層ビルが立っているのだが島の中央は意外と自然に覆われている。狭い山道をぐねぐね曲がっていくのだが時折木の枝がばちばちとバスの2階部分の窓にあたる。結構激しい。木の形もバスが削っていったように四角くなっていて面白かった。
Repulse Bayのバス停に着くと多くの家族連れが下りていった。砂浜は既にそうとうなにぎわいだ。砂浜の温度計は29度をさしていたが意外と暑さは感じない。水着を持ってこなかったのを後悔したが、ズボンのすそを太もも辺りまでまくり上げて足だけ水に入ってみた。水はわりときれいでそして冷たかった。セブンイレブンでおにぎりを買って砂浜で食べているといつものようにもうここが何処なのか分からなくなってくる。
ビーチの次はバスの行き先にあった「赤柱」という所へ行ってみる事にした。さっきいのバスのちょうど終点の辺りだ。バスは赤柱砲台行きとなっていたのでずっと乗っていたらばらばら下りていってついにだれもいなくなったので自分も下りることにした。どっかの小学校の前に着いたようで、一緒に下りたカップルの行く方へ歩いていくと小さな入り江のビーチにたどり着いた。ここはRepulse Bayとは比べものにならないほど小さくでひっそりしている。でもなかなか秘密の場所っぽくて良いかもしれない。
ビーチから歩いて10分ぐらいもどった所に「赤柱市場」というのがあった。ここも九龍のマーケットと似たような感じで格安の衣服や翡翠、中国の絵なんかあちこちの店で売られていた。結構香港の外れにあるこのマーケットだが、結構な数の白人観光客がいる。Stanley Market と呼ばれていて古くは白人の避暑地の街だったらしい。
結局何も買わずだったが、今日の「少しの遠出」は結構楽しかった。宿に帰って汚れた足を洗うが全然落ちない、よく見てみると日焼けしているようだ。腕をまくっても結構色の差がついている。ここから先タイまでにどれだけ焼けるか結構楽しみだ。
「えっと、今日は何をしたっけ?」日記を書く時にいちいち気合いを入れて思い出さないと分からないくらいここでの生活は平穏に過ぎてゆく。香港に来てから4日がすぎで驚きも減りひたすら快適さだけが残っていると言う感じだろうか?
今日は朝イチで宿を移るることにした。昨日のうちに目星がついて、今の宿のおやじにはチェックアウトすると言っておいたので問題は無いのだが「何でだ?こんなに安いのに 一泊日本円でたったの1500円じゃないか」とかぶつぶつ言っていた。そう言うおっさんの態度が一番そこにいて嫌なのだと何で気づかないのだろう?
ともかく新しい宿は綺麗で窓もあってそしてスタッフもなかなか親切だ。部屋もベッドも広くて日本のビジネスホテルぐらいの大きさは有るだろうか? 前のホテルは天井の高いカプセルホテルみたいなノリで確かにテレビもエアコンもバスも付いてているのだが、窓はビルの内側に向いた真っ暗な窓が一つあるだけで気分が滅入ってしまう。今の部屋は値段は$10高いがこれだけの部屋なら満足だ。
宿を決めてから何をしただろう、、、そうだ、深水歩にある電脳中心(コンピュータセンター)を冷やかしにいったんだった。デジカメの買い換えはさておき、この写真データのバックアップをどうするかが目下の悩みどころだ。やはりコンパクトという事が第一条件なんで、どうしても$1500を越えてしまう。安物のCD−Rが$1800ぐらいで有れば文句は無いのだが、なぜか香港にはCD−Rドライブはほとんど売って無く、CD−WRドライブばっかりでどれも$3000を越えている。ここはぱーっと使うべきか、それともバンコクあたりでもう一度探すべきか悩んでしまう。
これからの陸路はバスの振動も半端じゃ無いと思うので、ハードディスクのクラッシュだけが心配だ。職業柄ハードディスクというのは結構あっけなく壊れるものだと知っているだけになおさらだ。このマシンも2年が経過し、そろそろ耐久性が考慮されるべき動作時間を越える頃だと思う。これを越えたからといって全部がすぐに壊れるわけではないのだが。
そんな感じでああでもないこうでもないとぶつぶつ言いながら電脳街を冷やかした。面白かったのは地下にある「科技電脳中心」と言う店で、ここは莫大な数のVCD(ビデオCD)やプレイステーションのコピーソフト、ファミコンのコピーカセットなんかを置いている。はんだ小手で本体の改造をやってる怪しいコーナーもあった。さすが香港だ。
夜からはやっと週末が終わり平日になったのでビクトリアピークに行ってみる事にした。いつもの様に$1.7払ってスターフェリーのLowデッキに乗り込む。このLowデッキは値段が安いことに加えて、壁が無いので海からの風を直接体で受けられてなかなかいい。この日は波が少し高く岸に着けるのに少し手間取ったが、しばらくして鈍い感触と共に接岸した。
さてピークにはどうやっていくのやら?フェリー乗り場の掲示板によると、トラムというケーブルカーみたいなのがあるらしい、そう言えば以前テレビで見たような気がする。しかし観光客はみんなそれを使うというので少し逆らってみたくなり、いろいろ探していると山頂へ行くバスが有ることを発見した。
バスは割と小型のミニバスと呼ばれるタイプで、他の客は通勤帰りの高所得層のビジネスマンやお金持ちのおばさんが多かった。このバスが大正解で、まばゆい光を放つ巨大なビルとビルの間を抜けて走る。少し上ってからふと後ろを見るとすぐ目の前に無数の鈍い光につつまれた巨大なビルが見える。
バスは右へ左へカーブしながら、どんどん空へと昇っていくようだった。ふと以前良く聞いていたDreams Come Trueの「銀河への船」という曲を思い出した。今度来る時はこの景色を誰かにプレゼントしたい(何言ってんだか(笑))そんなあほな事を考えている間もバスはどんどん登り、あちこちの高級マンションに立ち寄って乗客達を下ろしていく。頂上に着いた時にはもう乗客はほとんど残っていなかった。
ピークには日本人を含む多くの観光客が訪れていて、見下ろす宝石箱に歓声を上げていた。自分自身は確かにものすごく綺麗だと思ったが何せ建物の立ってるエリアが狭い為にいまいち迫力が無い。普段六甲山や芦有展望台に行き慣れている関西人としては「まあこんなもんだろう」という感じだ。やはり香港島の夜景は九龍サイドから見るのが一番迫力が有ると思う。かといってガッカリする事は無く1時間ほど夜景を楽しんでから今度は2階建て通勤バスに乗って下りることにした。
下りはバスが古くてしかも2階建てなので思いのほか迫力があった、しっかりつかまってないと座席から落ちそうだ。帰りのバスも山を駆け下り光の中へ降りていくようでなかなか良かった。結局トラムには乗らずだが、ここ香港ならきっと又来れるので、たくさんやり残しが有る方がいいだろう。
突然ルートの見直しを迫られることになった。ついこの前ベトナムを襲った今世紀最大(?)のサイクロンによってベトナムの中部地方はかなりのダメージを受けている。これは一昨日の時点で知っていたのだが、今日入手した情報によると被害は相当深刻らしく、特にダナン、フエの間で土砂崩れで全く復旧の目途が立っていないらしい。おまけにダナン、フエと言えばベトナムで一番楽しみにしていた観光地なのに、そんな状態では観光どころではない。
午前の時点での情報では、ベトナムから西への陸路のルートはモクバイからカンボジアへ抜けるルートと、ラオバオからラオスへ抜けるルートの2つしか無かった。南北が寸断されている状況ではカンボジアへ抜けるのは不可能だ。そしてラオバオも最も打撃を受けた地域のすぐ近くなのでかなり厳しい。
自分はこの旅を何とか陸路と海路で成し遂げたいと思っている。そうすればこのユーラシア大陸の大きさを実感できると思ったからだ。それに飛行機でいけるところなら老後にでもいけるだろう。この先は分からないが今はどうしても陸路にこだわりたい。そして第3のルートを探すため本屋へ行くことにした。
そして何冊目かの英語のガイドブックでベトナムの「Cau Treo」という所からラオスに抜けられる事がわかった。このルートはあまりやる人がいないのか、ほとんどガイドブックには情報も無いのだが、ともかく外国人も公式に渡れるそうなので問題は無さそうだ。無い情報は自分で集める。
ところでを変更したとして、ビザの訂正をどうやるかと国境に近い街などのページを読んで何となく頭にいれる。何となくでいいのだ。頭にイメージが有るだけで行動の速さが全く違ってくるし、何となく知っていれば現地で詳しい情報を集める事が出来るだろう。どうせガイドブックに載っているのは去年の情報なのだし。まだまだ先は分からないが何とかなりそうだ。
そんなこんなで朝起きたのが遅かったのもあるがこれで午後までつぶしてしまった。特にすることも無いので宿に帰ってメールのチェックと返事書き。ここを出たら当分メールが書けそうにないので、しばらくぶりの人や旅で出会った人なんかにも書いてみた。返事を受け取るのはたぶんタイかどこかだろうか。
ともかくいよいよ明後日出発なのでこの辺でちょっと気を引き締め直さなくては。
今日は朝から時間を無駄にしてしまった。まったく馬鹿馬鹿しい。事の始まりは前にも書いたデジタルカメラが格安で買えそうだという件で、3日ぐらいかけてあちこちで値段を聞いて回った所、だいたい$3500(5万円弱)というのが最低ラインらしい事がわかった。そして朝から前に$3500を提示した店を尋ねてみたら何軒かは$5500という、$5500なら普通の妥当な線だ。おかしいと思いつつ3件目で$3500を提示してきたのでそこで買うことにした。
まず支払いなのだが「カードで払ったらどうだ?」と言うが、香港でクレジットカードを使うなんてよっぽど信用のある店でない限り物騒だ。当然両替済みで現金で支払うとなんだかよく分からないがメモリカードが別売りだと言う。そんな馬鹿なはずはないのだが、とりあえず$3500ならメモリカードが無くても全然お得なので特には気にしなかった。向こうが提示してくるメモリーカードの値段はかなり高かったので、当然「日本で買うから要らない」と断る事にした。
すると今度は、「これは旧式だから良くないのに何でこんなのを買うんだ?」とか訳の分からない事を言ってくる。C2000Zと言えば、今最新で最高機種の中の一つなのに何も知らないとでも思っているのだろうか?次にこれはビデオ出力がPAL専用だから日本のテレビには出力出来ないとか。これはあり得るが話の流れから行くとかなり嘘っぽい。そして「パソコンに入力するだけだから関係ない」と答えると、次は「システムは何を使っているんだ?」とくる。「win95」と答えると「ああ、これはMACでしか使えないんだ」等々。当然全部嘘だ。ここでこいつらはこれを売ることが出来ないんだという事を確信した。
PCカードから取り込めるんだから問題は無いと言うと、これならNTSCもWinも全部大丈夫だし、最新で性能もいい、値段も同じでいいからと、一世代前の「はぁ?」というようなのを2台ほど出してきた。当然相手にするわけは無く「早くしろ」と一喝すると、もう一人となにやら中国語で会話したあと、適当に間をつくって「すまない、いま単体の在庫が無くて、リモコン付きのフルセットでWinもNTSCも大丈夫な奴があるが、これはフルセットだから(全ての製品はフルセットだ!)$6500になるとかほざいている。
少しごねてやったら困っていたが、あまりにつまらない詐欺にあほらしくなりお金を返してもらって店を出ることにした。もちろん偽札とすり替えられてないかのチェックは怠らなかった。なにせ奴らは詐欺師なのだから。
奴らの目的は2つ。一つは売れないほど安い値段で客をカウンターの交渉の場につかせる。もう一つは無知な客にオプションを売りつけたり、その製品がお客の国の仕様に合ってないとか嘘を付き、価値の低い製品を同じ値段で売りつける。あるいはひょっとするとクレジットカードのデータをヤミに飛ばしたりもしてるかもしれない。最低でも「もうクレジットカードを切ったからお金の払い戻しは出来ないので他の製品にしてくれ」なんて言うのだろう。
何て低級な詐欺だ。知的レベルの低さに呆れてしまう。自分の頭が悪いからといって、客の頭まで悪いと思わないでくれ失礼だ。頼むから死んでくれ。←きゃー。 しかし、こんな店が香港の目抜き通りしかも何軒も軒を連ねているのだと思うとぞっとする。店ぐるみでは無く店員がノルマを稼ぐために個人的にやってるにしても最低だ。宿のフィリピン人のおばちゃんに話すと「日本製品は日本で買うのが一番安いのよ。だって私たちも日本へいったら買うもの」なるほど納得だ(笑)
ともかくこんな風にかなりの時間を無駄にしてしまった。ここ重慶マンションの両替所はめちゃくちゃレートが良く、香港ドルから米ドル現金に再両替した(東南アジアはドルの現金がいるので)が、銀行でT/Cを米ドル現金にするのよりも安いくらいの手数料で出来たのがせめてもの幸いだろう。
気持ちを切り替え、今日は香港仔にある水上レストランでも見に行くことにした。念のため「見に行くだけ」だ。とても高くて入れない(笑) このレストランは3つのレストランが海の上に浮かんでいて「JUMBO」と書かれたネオンが光っている写真を以前見たことがある。
例によって、スターフェリーに揺られてセントラルの案内板でバスを探す。どうやら70番バスが便利そうだ。さっそくバスに乗り込むが時間が悪かった。ちょうど7時過ぎで車は大渋滞。バスは全く動かない。50分かけて1キロ進んだぐらいだろうか?まあ渋滞でも2階席から窓の外を見てるだけでも観光になるのでよしとする。渋滞を抜けたらものの5分ほどで終点のターミナルに到着した。
ここは今までの観光地「香港」とは違いなんだか店も地元のおばちゃんがやっているようなのが多く、インド人も黒人もフィリピン人もいない。岸壁には海上生活者のボートが所狭しと停泊していた。
街をうろうろしていると一軒の電気屋でニッケル水素電池を発見した。これからの旅、電池がたくさんいるのだが、充電式にすると荷物を軽量化出来るので前から購入しようと思っていた所だ。ちなみに重慶マンションにある店に聞いたら2本で$95もするという。そんなもんかなあと思いつつ買わなかったのだが、このお店はたったの$43。もちろん買うことにしたが、おじさんは英語がほとんどしゃべれない。今まで会ったほとんどの香港人が英語を話していたので「香港人=英語が話せる」と思いこんでたのだがどうやらそうではないらしい。逆に英語の通じないエリアに迷い込んだ事が嬉しかった。
おじさんとは久しぶりの筆談だった。品物を受け取ってから、今自分が何処にいるのかさっぱり分からなかったので水上レストランの場所を訪ねたら、紙に書いてくれてしかも途中まで一緒についてきてくれた。素のままに親切なおじさんに出会えた事でなんだか今朝の事件の事もすっかり忘れてしまった。
途中サンパンと呼ばれる、小型の生活船を使った渡し船に乗って対岸に渡ると、なぜだかナイターの設備の整ったサッカー場とバスケット場にたどり着いた。パスのボールがそれて足下に転がって来たので投げ返したりして場にとけ込みながらしばし観戦した。
しばらく歩くと海上レストランの裏側にたどり着いた。どうやらネオンがものすごい面は岸側に向いているようだ。そりゃそうだ。海上レストランといっても船でしかアクセス出来ないんじゃ話しにならないだろう。ともあれレストランは少しがっかりという所だが最後に香港市民の普通の生活が見られて良かった。
明日はいよいよマカオへ向かって出発だ。今度はどんな出会いが待っているのだろう?
今朝起きたら宿の主人のおじさんに「地球の歩き方」に自分のゲストハウスを投稿したいから日本語で書いてくれと頼まれて、適当に良いようなことをつらつらと書いて上げるとすごく喜んでくれた。アレが載るのかどうかは分からないが、とにかくこのゲストハウスは名前は「花園賓館」と何が花園なのかいまいち怪しいが部屋も綺麗で窓も有ったしエアコンも電話も洗濯機も無料だし、お世辞抜きに感じの良い所だった。
ベトナムビザの受け取りが2時半からなので、チェックアウトしてから荷物を預かってもらい近くを散策した。九龍公園というのがすぐ近くにあるのだが、幼稚園児の遠足かなにかでとても賑やかだった。その後、AMEXの東南アジアのトラベルオフィスを調べるためにAMEXの九龍支店に行ってみた。 実家宛の郵便物をトラベルオフィス宛に転送してもらう為だ。
早速受付で訪ねてみるがなんだか話がかみ合わない。しばらくして、グランドフロアはAMEX銀行という金融機関だと言うことに気づいた。トラベルオフィスは1階だったのだ。階段を上るとまさにトラベルオフィスのカウンターがあった。リストはすぐに貰えて参考までに両替レートをみてみたらびっくり!US$の現金に対してのみなのだが、最もいいと思っていた両替所よりもAMEXの方がレートがよかった。ここは現金よりもTCの方がレートがよく真っ当だった。もっと早く来るべきだった。
そんなこんなしている間に領事館へ行く時間になり、バックパックを受け取っていよいよ出発。バックパックを持って重慶マンションの周りをうろつくと客引きがうっとおしい事この上ないのでこっそり裏口から出て、すぐに信号を渡って違う通りへ抜けると誰も声をかけてこなかった。ここもやはり中国なのか「要らない」といってもずっと付いてくるのがかなりうっとおしい。本当にゆっくり宿を探したいなら、バックパックはどこかのロッカーにでも預けて行った方がいいだろう。
いつもと違う湾仔行きのスターフェリーで領事館に向かう。2回目なので迷うことなく最短の道で行くことが出来た。領事館に着いたときはまだ少し前だったのだが、硬い感じの若い係員がすぐにビザを発行してくれた。水害について少し訪ねてみたが「まだまだ大変なの?」と聞いても「ああ」と答えるだけだで大した情報は得られなかった。 立ち読みしたロンリープラネットによると、ベトナムビザは「入国日が完全に指定されており、ちょうどそこから1ヶ月有効で、1日たりとも早く入国する事は出来ない」と書いてあったのだが受け取ったビザは普通のその日から3ヶ月有効の30日滞在可のビザだった。
領事館を後にして今度は2階建ての路面電車で香港島の澳門埠頭へと向かう。この路面電車は香港島の北側の海岸に沿って走っているのだが、とにかく遅い。ひどいときは路面電車が4台ぐらい連なってはしっている。そして当然冷房など無いので車の渋滞に巻き込まれると、バスからの排気ガスでのどが痛くなる。趣があって値段も格安なのだが、あまりお薦めできる交通機関ではい事は確かだ。しかも詳細な地図を持っていなかった為少し乗り過ごしで、排ガスでむせ返る通りを歩いて戻るハメになった。汗がじっとりとにじむ。
ターミナルはまるで空港のように綺麗な建物で、中にレストランやチケットオフィス、そしてイミグレーションが入っている。カウンターに行くと15分毎に船があるらしく、30分後の船を予約して、Macでソフトクリームを食べながら冷房で体を冷やした。
チェックインするとまもなく乗船が始まった。今回乗ったのは「Turbo JET」という船だった。どういう原理なのか知らないが、とにかくスピードが速くてまるで列車に乗ってるような感じだった。揺れも全くなくて思わず途中30分ぐらい熟睡してしまった。目が覚めてしばらくするとマカオの大きな橋が見えてきた。いよいよ4カ国目マカオだ。
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