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ニカラグア編

(グラナダ〜マナグア)


7月10日 太陽(リベリア〜グラナダ)

昨日はなんと念入りにわざわざ夜バスターミナルへ行って時間と値段を調べておいた。もちろん念のため複数に確認したことは言うまでもない。なんかこの辺の人はしらんのに適当に答えすぎ。まるでインドのようだ。バスは8時半と9時で別にどっちでもよかったのだが超満員でどうしようも無かったら困るので早いほうの時間にあわせて行く事にした。

ターミナルにやってくるとなんだかぼろバスが泊まっている。昨日見たバスはまあまあまともな廉価版のマルコポーロだったのでそういうのがやってくるのかと思っていたら、なんと出発直前にそのバスがそうだと言うことがわかった。すでに超満員。「ま、次ので行くか」と思っていると昨日のアメリカ人カップルが「おい何してるんだ 行こうぜ」と荷物をひょいとバスに積み込む。普通白人はこういうのが大嫌いだと思っていたのだが、そうでもないのだろうか?

バスは相変わらずのアメリカスクールバス。「Your Children's safety is our business」なんてステッカーが貼ってある。外は強烈にあついがそれでも窓から気持ちのよい風が入ってくる。やっぱり移動はこれに限る。今日は珍しく乗ってくる人よりも降りる人の方が多くてそのうち席に座れた。

国境に着くとびっくり、ものすごい数の人がイミグレに殺到している。ちょうどバスが着いたばかりなのもあるが、それにしてもやはりコスタリカのイミグレは周辺諸国のインディヘナ達にはかなり厳しいようだ。ただでさえ人が多いのに窓口が少なくておまけに審査が厳しいので全く前に進まない。結局1時間半ぐらい並んでいたんじゃないだろうか?その間も横入りするニカラグア人とかがいたのだが、アメリカ人カップルはそれを絶対に許さず、いちいち抗議して最後には根負けしてもとの列に戻っていた。こういう場合は旅行者が根負けするのだが、さすがその辺はアメリカの「正義」だ。

よくわからない州の環境税やらイミグレ手数料やらの印紙を買わされてイミグレを越えると木のトンネルが現れた。白人はロンプラに「ニカラグアのイミグレまで5キロ」と書いているので「タクシーを探さなくては」と言っていたのだが、僕は事前に旅行者から情報を聞いていて今はイミグレの場所が変わって1キロほどだとみんなに教えてそのまま5〜6人でぞろぞろと木のトンネルをくぐっていった。

ニカラグアの入国税はなんtの$7。高いが一人ずつわざわざ手書きのレシートを作ってくれる。ツーリストカードという名目なのだがそれにしても高すぎやしないか?これだけ橋を作ったり援助しているのに。しかも土曜の午後や日曜や時間外に越えるおまけに$2追加されてしまう。そして国境で怪しげなおっさんらが寄ってくる寄ってくる。

「国境からはバスが無いのでタクシーに乗らなければいけない。自分はマナグアへいくのでよかったら1台$20でどうだ?」とか。そんなもん白人は全員ガイドブック持っているのに引っかかるやつがいるのだろうか?アメリカ人カップル達は別のまともな値段のタクシーで湖のフェリー乗り場まで行くらしいのでここで別れて、僕はまたまたスクールバスに乗り込んだ。

途中の街で乗り換え。そしてそこでアイスクリーム売りの親父から1個買って食べ終わり、ゴミ箱が無いのに気がついた。親父の所へ持っていくと親父はあいつの包み紙を受け取ると丸めてポイと投げ捨てて言った。「タンピエン」そういえば見渡せばほこりっぽい土のターミナルはまるままアジアの風景だった。バラックの食堂や何屋サンだかよくわからない店がたくさんある。そんなことをしているとあっという間にバスは出発した。

窓の外からは湖に浮かぶ大きな火山が見える。しかも二つの同じぐらいの巨大な火山がつながって島になっている様子は今まで見たことの無い物だった。名前はオメテペ島というらしい。なかなかの観光地で行ってみたい気もしたが、やはり僕の心は先へ先へと走っているのでそのままグラナダまで行くことにした。

グラナダはこれまたゴミだらけの喧噪の市場だ。おかしな話なのだが久しぶりなのでこういうのがうれしくなってしまう。早速宿探しという所なのだが、バス乗り場から安宿街が結構遠くて何件も回る体力がなかったので安易に目に付いた宿に泊まったのだが、これがまた白人大喜びの、カフェがあっていろんな飾り付けがしてあるような所だった。事実宿の中も僕以外は全員白人で、みんな上半身裸でカフェでビールを飲んでおおはしゃぎだった。

荷物を下ろすと疲れているのにやはり出かけてしまう。市場をぐるぐる回ったり、湖の方に行ったりした。湖でしばらく休んでいると急に空が真っ黒になってスコールがやってきた。小さな砂がぱちぱちと顔に当たって痛い。たまらないので食堂の軒先に避難していると一人のおじさんが話しかけてきた。なぜだか知らないがめちゃくちゃなまった英語をぺらぺらとしゃべる。雨がやむまで無駄話してから宿にもどった。

最近こういう何気ない移動を楽しめるようになった。隣のおじさんがバスでたばこを吸っても「なにすんねん」と思いつつも許せてしまう。そしてニコニコしているとおじさんもニコニコして話しかけてくる。言葉はそんなに通じないけどなんだか窓の外を指さしていろいろと説明してくれるのだ。小さな事で切れていた昔が嘘のようだ。そしてそんなリラックスした状態で横になるとあっという間に眠りについていたのだった。

ニカラグアの壊れたカテドラル
(青山氏提供)


7月11日 閑散(グラナダ〜マナグア)

今日の移動は2〜3時間ほどなのでゆっくりと準備して昼前に宿を出た。やっぱり今日もスクールバスに乗って首都マナグアを目指す。中米は長距離を移動してもあまり景色が変わらない。平地でもなく山でもなく、森に覆われた緑の中を軽く上ったり下ったりしてどんどんと進んでいく。

そしてしばらくして大きな街が見えてきたと思ったら首都のマナグアだった。欧米系のガソリンスタンドやマクドナルドの看板なんかがいっぱいあって、ちょっとした都会だった。バスターミナルも活気があるのだが、不思議な事にターミナルにいる人達に安宿のある地区へのバスの事を聞いても誰も知らない。

なんだか近寄ってきた人が「タクシーで行け」というのだが、そのタクシーは「ターミナルで客待ちをしている車はふっかけてくる」という常識通りふっかけてきた。仕方がないのでここにくる前に見たちょっとした大きめの道路脇にあった長い長いバス停に行ってみることにした。そこにはいろいろなバスの番号が張ってあって、途中であったおじさんが教えてくれた番号のに乗ろうとしたら「違う」といわれてしまった。

仕方なくバス停でフルーツを売っていた女の子に尋ねてみたら、親切にもあちこちの人に聞いて回ってくれた。彼女は「国立競技場のそばだから、競技場でおろしてもらうように頼みなさい」と教えてくれて、バスがやってくると笑顔で見送ってくれた。

バスはどこを走っていたのか全くわからないのだがとりあえず目印がわかりやすいのでぼーっと窓からの風景を眺めていた。途中バスは震災で崩壊した教会の横を通ってマナグア湖で折り返してからスタジアムの横に停まった。そこからしばらく歩くとTICAバスのターミナルがある安宿地区だ。この辺が中心っぽい気もするのだが、それにしてはひと気が少なすぎる。とりあえず一泊なので安宿に宿を取ってから外を歩いてみることにした。

まず最初に向かったのはインターコンチネンタルやショッピングセンターのあるエリアで、さぞかし近代的な都会を想像していたら、確かに綺麗なホテルとショッピングセンターがあるのだが、喧噪というのにはほど遠く、そして人通りも少なく閑散としていた。ショッピングセンターも肌の白いお金持ちのみという感じで、店員は小汚い身なりの自分を見ると露骨に万引きしないかつきまとってくるし、フードコートではやはりニカラグア人の白人が割り込んできたり、ぶつかっても誤りもしない。なんだか着飾った人たちが食事をしているのを見ていると腹が立ってきた。ここには暖かさという物がまったくなかった。

気を取り直してバスから見えたカテドラルと革命広場と呼ばれる社会主義国や元植民地にありがちな場所へ行ってみた。壊れたカテドラルは「カテドラルの廃墟」として入場料を取って見学できると聞いていたのだが、今は立入禁止のテープが張られていて中には入れなかった。よく見ると屋根も崩れそうだし危ないから営業をやめたのだろうか?テープをくぐって鉄格子にへばりついて中を見ると綺麗な浮き彫りがたくさんある。そして壊れた屋根から漏れる光が神秘的でもあった。

革命広場は火が燃えていたのと、細かな作りの頭の上に天使の乗った男の人の銅像があった。そしてそのすぐ近くには丘があってマナグア湖が見下ろせるのだが、とにかくここは大阪湾なみに汚くてどうしようもない。臭いにおいが漂ってくるのだが、それでもニカラグア人は湖沿いのカフェで食事をしたりしていた。何ともわけがわからん。

雨も降ってきたので宿に戻るとまもなく日が暮れてきた。ご飯を食べに出かけようとおもったのだが、あたりはもう真っ暗で、人通り車通りもまったくなく、おまけに街灯もないので歩いているだけでいつ襲われる恐ろしくて仕方がない。結局レストランも夕方にも関わらずほとんど閉まっていたので食事はあきらめた。それだけ治安が悪いのだろう。ここから一気にホンジュラスを越えていグアテマラまで行けば治安もいいと言うし、ハードな旅ももう少しの辛抱だ



 

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