このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
旅に出てから自分でも大した物だと思うのだが一度も寝過ごした事がない。大体腕時計のアラームをセットした20分ぐらい前に目が覚める。今日もそんな感じで6時過ぎに目が覚めた。
7時ちょうどにフエで買っておいたオープンチケットのバスに乗って一路サイゴンへ。このオープンチケットは実は高原リゾートとして有名なダラットにも寄れるのだが、この天気じゃあまり行っても仕方なさそうなのでサイゴン行きに乗ることにした。
バスはしばらく南下すると空も次第に明るくなってきた。土砂降りのニャチャンがうそのようだ。多くの旅行者がダラット行きのバスに乗るのかこのバスは35人乗りにも関わらず12〜3人しか乗っていない。そしてその半分もCa Naという小さなビーチリゾート村で下りていってしまった。採算はとれてるんだろうか?
ともかくバスはこれまでとは打って変わって順調に走り続けた。ニャチャンからサイゴンまでの道路は感動的にいい。まるで日本の国道を走っているようだった。やはり経済的首都はサイゴンなのだと改めて思った。
やがてバスは少し早めの4時半に安宿が集まるというデータムストリートに到着した。さっそく宿の客引きやシクロ、バイクタクシーに囲まれるが適当にあしらってドミトリーが有るというホテルにチェックインした。
このホテルは$3で朝食付きと至れりつくせりなのだが、部屋が8階にあって階段でしか昇れないのが難点かも。でも良い運動になるかな?
注)サイゴン:ホーチミンシティの旧称、現在でもほとんどのベトナム人民はサイゴンと読んでいるので表記はそちらに統一する。
やはりベトナムといえばベトナム戦争なので、戦争証跡博物館という所へ行くことにした。当然土地勘を着けるため、というか要領が分からないので歩いていく。旧大統領官邸横の並木道を歩いていくとしばらくしてそれらしい所に到着した。それにしてもバイクタクシーとシクロのおっさんがいちいちうるさい。
ここサイゴンではシクロ=悪と思って差し支えないほどタチが悪いらしい。交渉したのと違う金額を要求するのは当たり前で、裏通りに連れていって仲間で囲んで金を脅し取るなんていうのも日常茶飯事らしい。だからまじめなドライバーには申し訳ないが、日本語や英語をしゃべるドライバーは完全無視に徹する事にする。相手にすると歩道に乗り上げてきて何処までも付いてきたりするらしい。
戦争証跡博物館は有料のはずなのだが、併設の売店の方から入るとなぜか入場料を取られなかった(ごめんね)この博物館は今まで行った中で一番見応えが有る物だった。まず庭にはベトナム戦争で使われたアメリカ軍の兵器が展示してある。そして各館にはベトナム戦争の歴史、アメリカ軍の残虐行為、世界各国での反対運動などがテーマごとに展示されていた。
中でもアメリカ軍のコーナーは考えさせられる物がある。有名なソンミ村事件(村民を老若男女子供まで無差別に広場に集めて自動小銃で虐殺した事件)の被害者の死体の山や、自分が殺した死体の破片をまるで大物を釣った釣り人の様に持ち上げて笑顔で写真を撮る米兵。その他見せしめに戦車で引きずり殺されたうえにそのまま引きずられつづけて腕や首がもげた死体。あげればきりが無いのだが、ユーゴを人権の為に空爆したアメリカもフタを空ければイラクやユーゴ以上の残虐行為をやっている事がわかる。
あと一つ変わっていたのは博物館の中に日本人ジャーナリストの写真館があって、ベトナム戦争時に従軍して撮った写真や、戦後再び同じ人物をたずねて撮った物などなかなか興味深かった。
最後の方は世界中での戦争反対運動のコーナーで、共産圏は当然、アメリカやヨーロッパ、日本での反対運動も大きく紹介されていた。博物館は単にアメリカを糾弾するような物では無く、事実をそのまま形に残そうとしているように見えた。
ともかくここはベトナムに来たなら是非行ってみるべき所だと思う。
博物館の帰りにベトナムの名物日本料理屋「どらえもん」へ行ってきた。料理はとても高くて食べる事が出来なかったので飲み物を頼んで店の雑誌や情報ノートを見せてもらった。BSからのニュースでは、仲間内の殺人で少年数名が逮捕された事を伝えていた。
サイゴンを一言で言うのは難しいが、ハノイなんかに比べるとエネルギーにあふれていて歩き回りたくなる町だとおもう。
今朝はカンボジアのビザを申請するために少しだけ早起きをした。といっても7時半なのだが。
領事館は少し街の中心から離れているのでバスを探すべくターミナルに言ってみたら、バスターミナル公認のバイクタクシーのおじさんが英語で教えてくれたのですぐに見つかった。
バイクであふれる道をかき分けるようにバスは進む。10分程で目的地に到着した。領事館はこじんまりした建物で、たいぶくたびれたカンボジアの国旗が掲揚してあった。さっそく申請したのだが受け取りは4時以降だという。前にすぐにサイゴンから発つといってその場で発行してもらったと言う話を聞いたことがあったので交渉してみたが「これを持って行きなさい」とパスポートのコピーを取ってくれた。なんだかうそをついて申し訳なかったがちょうどパスポートのコピーをとっとかないとと思ってた所だったのでラッキーだった。
受け取りまで時間があるのでサイゴン最大のチャイナタウン、チョロン地区を目指すことにした。ここには大きな市場が有るという事なので期待してきてみたが市場自体は大したことは無かった。しかし路地裏の方は活気であふれ買っていた。中でも鶏や鴨を売っている通りがすごかった。
おびただしい数の鳥たちが足をしばられてわらの上でがーがー鳴いている。10羽ぐらい束にしたのを自転車にぶら下げて帰るおばさんやら、売る前に量りで重さを量るおばさん。そして圧巻なのはその傍らで鳥を解体する少年。3羽ほどの束を持ってきてナイフでのどを切って血を抜いていく。さっきまでガーガー言っていた鴨も少し暴れてから息絶えた。普段はあんなにうるさい鶏達も殺される前は分かるのか、ぴーぴー鳴いている。
先進国にすむ人間は常に誰かが替わりにそう言う作業を全てやってくれて、肉はプラスチックのパックに入って売られている。動物を殺しているという実感は全く無い訳なのだが、自分たちが生きていると言うことはこういう事なのだ。
ちょっとした興奮の後中国寺に寄ってから再びバスに揺られて中心部に戻ってきた。それにしても今日は暑い。半日で汗びっしょり。宿に帰ってシャワーを浴びてからビザの受け取りに出かけた。
領事館に付くとビザはもうできあがっていた。全てクメール語で書かれていて何がなにやらよく分からなかったがまあこれで入国出来るのだろう。一安心だ。
いよいよ準備が整ったのでいつものぶっかけ飯屋で夕食を食べてからこれまたいつものビアホイの屋台で軽く一杯。そしてメコンデルタ秘境ツアーというのを申し込むために日本人がやっているT&Tツアーという会社に行ったのだが、なんでもこれから数週間かけてツアー先の小屋の修理を一気にやってしまうとかでしばらく休業するらしい。このツアーは自分たちでマーケットに食材を買いに行ったり、エアライフルで夕食のおかずの鳥を撃ちに行ったりとまさに秘境ツアーで凄く楽しみにしていたのだが仕方がないのでKIMカフェの1泊ツアーを申し込んだ。シンカフェの方はなんだかココナッツキャンディ工業見学とかハチミツワインの試飲とかどうでもいいような訪問先が多そうでつまらそうだったので辞めた。欧米人は喜ぶんだろうか?
ともかく全てが一気に片付いた1日だった。この分だと最短で9日にはプノンペンという事になる。停滞していた旅が一気に動き出した感じだ。
今朝は少し早起きして、いつものようにフリーの朝食を食べたあと荷物を預けてメコンデルタツアーに出発。昨日申し込みに行ったときに、着替え以外は何も要らないと言われたので小型のデイパック(バックパック付属の)だけで出かけることにした。
バスというか、ワゴンだったのだがメルセデス製のかなり良い車だった。こんな安いツアーに使っていて採算がとれるのだろうかと逆に心配してしまう。乗り込むと運転手にさっそくベトナム語で話しかけられた。どうやらこの運転手も僕をベトナム人だと思いこんでいたらしい。このように地元民と間違えられるのもなかなか嬉しい。
車は水田を走り抜けて一度休憩をとってから3時間ぐらいでカントーの近くの村に到着した。そこから40分ほど村の中を通り抜けて川の方へと歩いていったのだが、子供達が集まってきて「ハロー、ハロー」と手を振ってくる。他の地域の様にお金を要求したり物を売ろうとしたりすることなど一切無くて、ただ単に外国人に会うのが嬉しいようだ。
しばらく歩くとやがて瓦焼き場みたいな所に到着した。本当はそこでボートが待っているはずなのだがなにやら遅れているのかなかなか来る気配が無い。ガイドも頭を抱えていたが目の前の瓦焼き場を見学したり子供達と遊んだりしているとやがてボートがやってきた。
そのボートでいよいよメコンクルーズという訳なのだが、最初は集落を見ながら支流を走りやがて巨大なメコン川へと出た。水は茶色く岸には無数のバナナや椰子の木が生えている。メコンを横切って反対側の支流に入るとマングローブなんかもちらほら見られるようになった。この支流は正に村人の通り道と言った感じで、ひっきりなしに傘をかぶったおばさんのボートが行ったり来たりしている。
途中ライスペーパー(春巻きなどに使う)を作っている民家などに立ち寄って4時頃にヴィンロンの街に到着した。少し自由時間が合ったのでマーケットを冷やかしたりして、例に寄って屋台で「チェー」(ベトナム風みつ豆)を食べた外国人の姿はちらほらなのだがなかなか市場のディープな部分に間で入ってくる者はほとんどないみたいで、おばさんは終始ニコニコして何か言いながら珍客を喜んでくれたようだった。
そしてフェリーで再びメコンを渡って今日の目的地カントーに到着した。
今朝は朝から3時間のボートトリップだった。今日の目玉はカイランとフォンディエンの水上マーケットを見ることだ。昨日よりも更に小さいボートに乗り込みマーケットへと向かう。岸壁の市場を中心にして無数の船が商品を積んで行き交っている。品物も果物や野菜から、ジュース売りや水上食堂まで様々だ。
彼らの船は基本的には中国製の船外機で動いているのだがこういった密集地では2本のオールを上手く使って自由に船を操る。マーケットの人もみんなフレンドリーなのか好奇心旺盛なのか、子供からおじさんまでみんな手を振ってくれる。
マーケットの後は初日と同じように毛細血管のような支流に入って村の生活を見学させてもらったりした。景色もほとんど初日と同じで少し退屈してうとうとと眠ってしまったりもした。
ボートトリップの後はどこかの街で魚醤を作るっている家を見学に行った。欧米人はそう言うイベントを結構好むようなのだが自分はなんだか歩き疲れただけであまり面白くは無かった。やっぱりこの手のツアーは自分の気に入った所でゆっくり出来ないのと、ツアー自体がヨーロッパ人の興味に合わせて作られているので少ししんどいかなという気がした。
帰りに休憩でよった食堂では、ベトナム人に間違えられたのがきっかけで地元の人とテーブルを囲んだり、休憩所のハンモックに揺られたりして、なかなかいい感じだった。
今日でツアーも終わり、いよいよ明日はカンボジアへ向かう。
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