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銀河鉄道999




「今、万感の思いをこめて汽笛が鳴る− 今、万感の思いをこめて汽車がゆく−」

さて、毎回アクション映画ばかりとりあげているので、今回は私にとって思い出深いアニメ映画である
銀河鉄道999を取り上げようと思う。
「完結編」である「さよなら銀河鉄道999」はまたいずれ…。

●銀河鉄道999とは?(以下単に「999」と表記)
名前は聞いたことのある作品だけど、見たことがないと言う人のために、どういった作品なのか説明しておこう。
まず、この作品の生みの親はもちろん松本零士さんである。
松本零士さんの作品には、999の他に
「宇宙戦艦ヤマト」
「キャプテンハーロック」
「千年女王」

等々があり、作品は「宇宙」を舞台とした物が多いです。
しかも特徴なのが、これらの作品は一部でリンクしており、キャラクターが他の作品の中に登場することも
少なくありません。
999でも、キャプテンハーロックやクィーンエメラルダスといったキャラが出てきます。
しかし、勘違いしないでほしいのは、「宇宙が舞台なんだから、999も宇宙戦争みたいな話じゃないの?」
と思われることです。
確かに戦闘シーンや戦艦が出てきたりはしますが、あくまで999は星野哲朗という主人公の成長を描いており、
ひいては、人間の「生」が主題となっているのです


●ストーリー
身体を機械に変えることによって、半永久的な命を手にするようになった未来。
だが、機械の身体を手に入れるには多額の金が必要で、機械の身体を望む少年「星野哲朗」
機械の身体をただでくれるという星へ行くため、銀河超特急999号に乗ることを夢見ていた。
哲朗は、幼い頃母親と暮らしていたが、機械化人の「機械伯爵」による人間狩りで母親を殺されていたのだ。
母親の敵を討つため、機械の身体が必要だと考えた哲朗は偶然知り合った、母親と同じ顔をもつ女性
「メーテル」と共に999に乗り込み、機械の身体をただでくれる星へ向かう。
途中様々な人と出会いながら、成長していく哲朗は、ついに機械伯爵のアジトである「時間城」の場所を
突き止めた…!
そして、ついにたどり着いた終着駅で哲朗は驚愕の事実を目の当たりにする…!!

いやー、よくこんな話を思いつきますよね。
松本零士さんの頭の中ってどうなってるんでしょう?



ヒューマンドラマ
やっぱりこの作品の魅力って各キャラクター同士の人間ドラマにあると思いますね。

名場面①
トチローの母の息子を思う想い。
「男の子を産んだんだから仕方ない、息子はもうここへは帰ってこないよ。」という母親に対し、
「うちを出るときに別れは言ってある。」というトチロー。
言葉だけ見るとぶっきらぼうかもしれないが、トチローの(母さんならわかってくれる)という想いが
にじみ出ている良いセリフです。

名場面②
この作品で一番好きなのが、時間城がくずれるシーンです。
「やさしくしないで」という曲をバックに時間城がくずれていくシーンはものすごく切ないです…!
機械伯爵は過去に何人もの人間狩りを行っており、そのためにみなしごになってしまった子供がたくさんいます。
しかし、そんな機械伯爵を慕う女性もいます。「リューズ」と言う女性です。
彼女は普段は酒場でギターの弾き語りをしていますが、実は時間城で時間の操作を
する「時間の魔女」なのです。
しかし、哲朗が時間城に乗りこんできて機械伯爵を追いつめたとき、機械伯爵は時間を進めて
哲朗から逃れようとしますが、リューズは時間の操作を拒みます。
そして哲朗に討たれた機械伯爵のよこで自分自身も錆となって死んでいきます。
この時のリューズには「機械伯爵は多くの人を殺してきたのだから敵討ちをされても仕方が無い。」
と言う思いと「それでも自分は機械伯爵を愛している。」
という二つの想いに揺れていました。
死に際に「伯爵を撃たないで…、私は心であなたにそう叫んでいたの…。」と本心をつぶやきます。
良心としてからなのか、哲朗が機械伯爵を倒すのを見届けましたが、せめて愛する人と運命を
共にしようと伯爵の隣に横になって「これでいい…、これで良かった…。」と言いながら時間城と共に朽ちていきました。
このリューズの愛は哲朗にも多大な影響を与え、
「永遠に生きることが幸せじゃない!」と機械化人になることを止めるのです。
「命とは何か?」を訴える名場面でしょう。



映画版哲朗
賛否両論あったらしいですが、私は映画版哲朗の方がかっこよくて好きです。
でも、「エターナル・ファンタジー」の時はテレビ版の哲朗になってしまって少し残念でした。

音楽がいい!
かの有名なゴダイゴの「GALAXY EXPRESS 999」はこの作品のエンディングテーマですし、
挿入歌の「TAKING OFF!」や先程も出てきた「やさしくしないで」も良い曲です。
ただカラオケで「GALAXY EXPRESS999」を歌おうとしたらサビの部分の英語はものすごく
早いので事前に練習しておかないとぶっつけ本番では無理があります(笑)


私はこの作品を中学生くらいの時に見て、初めて「生と死」について考えたりしましたね。
色々と心に残る言葉もありました。
「男なら負けると分かっていても闘わなければならない時がある。」
特にこの言葉が印象に残ってますね。
今、家庭に思春期の男の子がいるというところは、この作品を見せてみてはいかがでしょう?
考え方が変わるかも!?






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