私は、格闘技が好きで、私の周りにも格闘技好きは多いです。
最近はK—1や、PRIDEといったテレビ中継をしているものも多いので、みなさん一度は
目にした事があるのではないかと思います。
また、ネット上にも格闘技関連のページが大変多く、実に様々な格闘技があるのだと思い知らされます。
そんな中、「自分にとって最強の格闘技とは何だろう?」という思いがあり、ちょっと考えてみました。
ここで言いたいのは「どの流派が強い」とか「これさえ学べば無敵だ」といった類の者ではありません。
あくまで現実的に自分が強くなるためには、どうしたらいいかと言うことであり、特に仕事をもっている身で
強くなるためにはどうすればよいのかと言うことです。
1,格闘技の種類
格闘技ってどんなのがあるの?っていう人の為に代表的な格闘技を挙げておきます。
自分がもし習うなら、と考える目安にしてほしいと思います。
ものすごく簡単に説明しますので、「違うぞ!」と思っても聞き流してくださいね。
(指導者によって解釈は異なったりしますので。)
空手…手足による打撃技(正拳、掌底、手刀、蹴り等)を主体とした格闘技で、寸止め派の
伝統派空手と直接打撃派のフルコンタクト空手があります。
柔道…投げ技、固め技を主体とした組技系格闘技です。
合気道…円運動で相手の力を流して誘導し、相手を押さえ込む格闘技です。
古武道…戦国時代生まれの戦闘術で、合気柔術(または単に柔術)と称される事もあります。
武器を使用する事もあります。(琉球古武道等)
日本拳法…打撃、投げ、関節技を認めた総合格闘技で防具をつけた組み手を行います。
海上保安庁や警察で使われている逮捕術の源流でもあります。
テコンドー…朝鮮半島で生まれ、豊富な足技を主体とした打撃系格闘技です。
相撲…立ち技における全ての要素が認められる格闘技で日本の国技です。
ムエタイ…タイの国技で、パンチ、キック、肘、膝等による攻撃が主体の立ち技系格闘技です。
目や金的以外なら後頭部でも背中でも攻撃が許されています。試合前には踊りを踊り、
試合は賭けの対象になります。
ボクシング…立った状態でのパンチのみに限定された立ち技系格闘技で、一昔前なら「明日のジョー」
今なら「ガチンコ!」で有名です。
キックボクシング…パンチとキックが主体の打撃系格闘技でムエタイと混同されがちですが、背後への
攻撃は認められていません。
中国拳法…中国に伝わる格闘技の総称で、その流派は数百にも及びます。有名なのは太極拳、八極拳、
酔拳等ですが、殆どは公開されていません。
少林寺拳法…打撃、投げ、関節技等の技術をもつ護身格闘技です。よく間違われますが、小林拳とは違い、
日本で生まれた格闘技です。
骨法…常に路上での実戦を想定している総合格闘技で掌底による攻撃が一般的に用いられます。
カポエイラ…ブラジル生まれで、逆立ちした状態での蹴り技を主体とした打撃系格闘技です。
プロレス…立ち技、組技、空中殺法等を駆使する「見せる」総合格闘技で、プロレスラーは相手の技を
「受ける」プロでもあります。
グレイシー柔術…タックルで相手を倒してから関節技でしとめる戦法が主体の総合格闘技です。
截拳道…ブルース・リーが中国拳法の詠春拳を基にして作った拳法ですが、格闘技というより
哲学的な意味合いも強い物です。
サンボ…ユーラシア大陸北部で発祥した関節技が主体の組技系格闘技で、中でも軍隊が使う
コマンドサンボは極めて実戦性の高い格闘技だと言われています。
どうです?まだまだありますが、ざっと挙げただけでもこれだけのものがあり、さらにこれらには
数々の流派があるのです。また、武器を用いる剣道、なぎなた、フェンシング等を考えると世の中には
実に様々な格闘技があることが分かると思います。
2,「最強」を語る者
私は趣味でよくネットサーフィンをやっていて、数多くの格闘技系の掲示板で「グレイシーが一番強い」
とか「ボクシングには足技がないし、テコンドーの派手な蹴りなんか実戦では使えない。」といった
書き込みを目にします。
しかし、面白いのはそういった書き込みを積極的にしている人の殆どが、非難している格闘技の経験が
無いか、若しくは経験していても途中で止めてしまっている人ばかりなのです。(「実戦で使えなかったから
止めた」と言う人もいるみたいですが、たいがいそういう人は黒帯まで達してない事が多い。)
その掲示板でこんなことがありました。ある女性(おそらくOLさん)が護身術として、テコンドーか
少林寺拳法を習いたいのですが、どちらが良いですか?と質問してきたのです。それに対する返事は
「テコンドーが良い」が1割「少林寺拳法が良い」が4割、「どちらもダメ、総合格闘技が良い」が5割と
いった感じでした。その多くの内容が「総合格闘技なら打撃もあるし、関節技もあるから女性でも相手を
押さえ込める。」といったものです。
しかし、ちょっと待ってください。そりゃ確かに総合格闘技をしっかりマスターした人なら女性でも暴漢を
押さえ込めるかもしれません。しかし、相手が複数だったらどうするんでしょう?武器を持っていたりしたら?
しかも、総合格闘技系は覚える技術が多く、相談してきているのは仕事をしている方です。格闘技だけ
やって生活するわけではないのです。どこにそんな難しい格闘技を収得する時間があるのでしょう?
OLさんとかだったら、まず大事なのは「無事に逃げる」方法でしょう?
つまり、「あの格闘技は強いから」と言っている人の殆どはテレビ、ビデオ、雑誌で選手同士の
異種格闘技戦を見て、その結果「あの格闘技が強い」と言っているに過ぎないのです。
(ブルース・リーの映画を見てヌンチャクさえあれば強くなった気がしてるのと同じ事)
3,仕事を持つ者にとっての格闘技
では、自分にとって最強の格闘技とは何なのでしょう?
ズバリ結論から言いますと
「楽しく続けられる格闘技」
これです。何だそりゃ?と思う方もいるかもしれません。しかし、考えてみてください。
仕事がある人は休みだって所属によっては不規則です。
従って仕事ある人が道場に行こうと思えば、
・ 近くに道場がある
・ 休んでも怒られない
・ 大会に出ることを強制されない
・ 打撃系の場合防具等がしっかりしている
最低これぐらいの事は考えておかないと通うことは出来ないのです。
仕事をしながら道場に通うとすれば、その多くの人は「自己鍛錬」「精神修養」「護身術として」
といった意味合いが強いはずです。いまさら「喧嘩に強くなりたい」「世界最強になる」
と言う人は少ないでしょう。
どんな格闘技であれ、習う以上、その技術は使い方しだいで護身術になります。
そりゃあ、現役バリバリの空手マンや格闘選手、プロボクサーなんかに勝てるようにはなりませんし、
牛や虎も殺せませんけど、格闘技未経験のやつにからまれた時、とりあえず自分の身ぐらい守れる
ようにはなるでしょう。
そのようになるためには、やはりその格闘技が楽しいと思えなければ続ける事ができません。
4,趣味で始める格闘技のススメ
先に紹介した格闘技の中で自分が興味を持ったものがあれば、インターネット、電話帳、口コミなど
色んな手段で近くに道場がないか探してみましょう。
探す際のポイントとしては
・ 道場の場所
・ 月謝
・ 練習曜日及び時間帯
・ 同年代の練習生がいるか(できれば実力も同じくらい)
・ 道場に来ている人たちの雰囲気
最低これくらいはチェックしておきましょう。電話してみて体験入門をさせてくれるのであれば、
実際に行ってみるのが一番です。
「自分がやってみたいと思う格闘技を長く続けること」
これこそが、自分にとっての最強の格闘技であると思います。
みなさんも、今から格闘技を始めてみてはいかかですか?
参考までに世の中には60歳から空手を始めて65歳で初段を取った方もいるそうです。
なにを始めるにしても遅すぎるということはないのかもしれませんね。
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