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吉原の方言
言葉 | 意味・使用例 |
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あ行 | |
アカマツ | 川魚の名(標準語はヌマムツか)、あごから胸ビレ、腹にかけて赤い筋がある |
あじがわるい | 気持ち悪い、不気味な 例:草がようけ生えとると、中にハミがおってもわからんきん、あじがわるいのぉ。 |
あずる | てこずる。困る |
あんき | 大きな悩み事がなくなり気楽になった状態。あんきな、あんきに暮らす。 |
いきしな、いきしに | 行く時に |
いこつく | 過労により倦怠感状態になる。極端にくたびれる。 |
イタズリ | イタドリ(植物名) |
いちまつ | 一族、親族 |
いで、かきいで | 井手、掛井手(かけいで、導水路) |
いぬ | 帰る 例:ちょっといんでくるわ |
いりつく | 必要経費、生活経費 |
いろう | いらう、触る |
うるい | 雨(「潤い」の縮まったものか?) 例:ええうるいやったのぉ=ちょうどいい時期の雨だったなぁ。 |
えぐい | しぶくてまずい、味がきつくまずい |
えてにほおまいて | 都合のよい方向に便乗して、得手勝手に (得手に帆を巻いて、が語源か?) |
えらい | しんどい、疲れた、(仕事が)過重な |
おうこ | 天秤棒、朸(おうご) |
おうじょうする | 手を焼く、困っている |
オオゼミ | クマゼミ |
おおだれ | 瓦葺きのひさし、オダレ、オブタ(軒の屋根を伸ばし軒下を広く取った雨をしのぐための土間) |
おが | カメムシ |
おがす | 掘る、掘り取る |
おくどはん | くど、かまど |
おげくらい | ごまかしをする人、横着者 |
おげする | ごまかす、インチキをする、不正をする |
おげる | 欠ける。もげる、抜ける |
おけんたい | 堂々と、正面切って、正当に (類義:はちはんで) |
おごく、おごっきゃげる | 叱る |
おじゅっさん | お坊さん、お寺さん |
おじる | こわがる、躊躇する |
おせ | おとな |
おたんや | お逮夜(葬儀の翌3日間あるいは毎月定例の講中寄合い読経の会、失われつつある風習) 例:月並みのお逮夜 |
おちらし | 麦を炒って粉に挽いたもの、はったい粉、昔の間食用 |
おっかん | 道路、主要道路(往還) |
おっきょい | 大きい |
おとこし・おなごし | 男衆・女衆 |
おとっちゃま | 臆病者 |
おは | 葉を食べる野菜(総称)、かっては「おは」と呼ばれる固有の野菜があったが、今は見ない。 |
おへつを言う | お追従をいう。おべっかをいう。へつらうようなことを言う。 |
おらぶ | 大声で言う。叫ぶ。 |
おろかばえ | 野菜の種子等がこぼれるなどして意図せずに生えた苗 |
おんごろもち | モグラ |
おんざん(になる) | 葉物野菜が旬を過ぎて葉っぱが大きくなりすぎて薹(とう)が立ちかけている状態 |
か行 | |
かいない | 頼りない、力不足 |
がいな | 強い、根性の有る、強情な、いうことをきかない |
がいに | ものすごく |
かえりしに、かえりしな | 帰るときに |
がち | くいしんぼう、いやしい、餓えている・・・標準語? |
かった | 借りた |
かど | (穀物を干したりするための)広庭 |
かやる、かやっとる | 傾く。ひっくり返る。 |
○○がん | ○○分 例:お菓子を10円がんつか。 |
きぶい | (坂などが)急な、きつい |
くちなご | 青大将、蛇 |
くっせる、くっせよる | こげる、こげよる、くすぼっりょる |
けたまり | 蛇の総称? あるいは青大将だけの呼称か |
けっこい | きれいな |
けない | すぐなくなる、潰えやすい (あっけない、が語源か?) |
げんしゃ | お金持ち(分限者) |
けんびき | (あらためて考えてみるとどういう意味か?)軽い体調不良 例:けんびき風邪、けんびきで肩がこる。 |
こいさ | 今夜、今宵 |
こうしゃな | 器用な (巧者な、か?) |
こうた | 買った |
ごくとれ | ごくつぶし |
こっか | 松葉の落ち葉、扱葉(こくば) こっかかき(熊手で落ち葉を集めて束にして持ち帰り、炊飯・風呂焚きの燃料とする) |
こっしゃえる | こしらえる |
ゴットリ | 昔の玄関の板戸(引き戸)のオートロック機構(これは方言と言うより廃語か) 鍵を持たずにうっかり戸を閉めて“あずった”経験者も多いはず。 |
ごもく | ゴミ 例:ごもく拾い |
こわい | 硬い |
こんづめ | しゅっちゅう、たびたび |
こんまい、こんもにする | 小さい、小さくする |
さ行 | |
さいあがる、さいあがり | 有頂天になる、舞い上がる、得意になる |
さかし | さかさま |
さけおととい | おとといの前日(3日前)、「昨おととい」か? |
ざまくい | 汚い、醜い、乱雑な |
さら | 新しい、新品 |
サルキン | あけびの実 (「猿の○○玉」から来ているか?) |
しある | (水路などが)詰まる。埋まる。底に泥が溜まって流れなくなる。 |
じいば、じいばば | 春蘭(植物名) (花の中心部の形が、爺と婆が向き合ったような形をしているところから) |
しおふき | あさり貝 |
しぎょい | 密生している、密集している。 |
しきん | 敷居 |
しなんこ | やり直し |
じゅじゅむ | (筆書きの文字などが)にじむ |
じゅるい | 地面が水でべちゃべちゃな状態。地面が湿潤で歩くと足が沈む状態 |
しょうたれ | だらしない、身持ちの悪い |
じょんならん | 手に負えない (自由にならん) |
しわる | たわむ、しなる |
すこける | ズボンなどが脱げかかる。ずり落ちかけている。 |
せせなげ壷 | 汚排水溜め |
せっき | (方言ではないが)四節季、年末 |
せる、せっとる | 混む。混雑している。 |
そうれん | 葬式 (「葬斂」か?) |
そぶる | けずる 例:草そぶり |
ぞろな | 雑な、ぞんざいな、ぐうたらな、不潔な |
た行 | |
だい | だるい、疲れた 例:足がだい。手がだい。 |
たいぎな | おっくうな、気が重い、したくない |
たすい | (力・能力が)足りない、かいない、(負荷が)軽い |
だすい | (嵌合などが)ゆるい |
だすだす | ゆるゆる |
たる、たった | 飽きる、飽きた |
ちびる | すり減る |
ちっとこば | ほんの少し |
ちみきる | 爪先でつねる、つねりあげる |
ちゃんちん | 枝が細くまっすぐ伸びる木の名前、皮をむくとその汁に皮膚がかぶれる。毒木 |
つか | ください |
つくなむ | (うつむいて)しゃがむ |
(爪を)つむ | (爪を)切る |
(手袋を)はく | はめる |
てんご | 余計なこと (てんごすな=いらんことをするな)元々はてご(=手助け)か? |
てんこつ | てっぺん |
てんまる | ボール、手毬 |
どうぎ | 漆の木 (「毒木」がなまったものか?) |
どうやぶり | 労破り(祭りの翌日などに行う慰労宴会) |
どえる | (土盛り、壁などが)崩れる |
どづく | どつく、たたく |
どべ、べっこ、べくそ | びり(最後尾) |
とりのこ紙 | 模造紙 |
とんが | 鍬の総称(唐鍬の訛ったものか)歯の数によって、みつご、ふたつごと呼ぶ。 歯のサイ付け・・・歯がちびて(すり減って)くると、鉄材を溶接して元の長さにして使っていたが、今はそんなことをしてくれる鉄工所もなくなった。 |
どんこつ | どんこ(ハゼ科?の淡水魚、川の石垣の中によくいた。) |
とんどはん、おとんど | 小正月に過去1年分のお供え花松や正月飾りを燃やす火祭り |
な行 | |
なんしよんな | なにしよるんな |
ニガン | 魚の名、鮒より鱗がきめ細かい、タナゴ(?) |
にき | 近く、そば |
ねぜる ねぜっりょる | (たちあがれずに)這い回っている |
ねぶる | なめる |
のける | どける |
は行 | |
ばいあいする | 取り合い、奪い合いをする |
はがい | はがゆい |
はせ | (服の)ボタン |
はじかい | (稲穂の先などが服に入って)痛がゆい、(人の性格が)とがっている |
はたく | たたく (ひっぱたく) |
はちはん(で) | おおっぴらに、大手を振って、苦労せずに |
はっしゃぐ | 桶などがゆるんで水が洩れるようになった状態。語源は「はしやぐ(燥ぐ)」(乾くという意味)か。はしゃぐ(わいわい騒ぐ)も同じ語源。 |
はっとばり | 通行止め、とおせんぼ (はっとまり?) |
はま | ごま、車輪 |
ハミ | マムシ |
はよ | 早く 例:はよせんか=早くしなさい |
腹がおきる | 満腹になる。腹がいっぱいになる。 |
腹をおこす | 食事を摂る。 |
はんげ(標準語?) | 半夏生 |
ひじ | 葬式のときの食事、非時(ひじ)の食事、(方言ではなく仏教用語) |
ひしてがいに | 1日交替に、1日おきに |
ひしゃげる | へこむ (標準語?) |
ひち | 七(しち) |
ひねしる | 皮膚をねじりあげる、つねる |
ひやこい | (氷など物が)冷たい |
ひゃっか | 高菜、 東讃ではマンバ(万葉)というらしい |
ひょうひゃくを言う | 軽い冗談をたくさん言う ひょうきんな |
ひんすりゃどんする | (標準語?) |
ふがわるい、ふう(風)が悪い | 体裁が悪い、格好が悪い |
ふご(畚) | わらで編んだもっこ(標準語らしい) |
ふたつご | 2本爪の鍬 |
ぶに | 持って生まれた取り分・特質・・・例:ぶにがある。ぶにがよい。ぶにが悪い。 |
ぶる、ぶっりょる | (水などが底から)漏れる、漏れている |
へざし | 長い間、しばらく 例:へざし来なんだのぉ |
へたこた、へたこたに | めったやたら、やたらに |
べっこ、べくそ | びり(最後尾) |
ペッチン | 別珍(ふわふわした手触りのよい布地の一種) ネット検索すると別珍瓜(ぺっちんうり)というのがあるので、標準語か? |
へとち | あべこべ |
べべ | 着物 |
へらこい | ずるい、こすい |
へんど | 乞食:遍路から転化した言葉か? 今でこそお遍路さんはきれいな白装束で行脚しているが、昭和前半では遍路は薄汚れた黒っぽい汚い恰好をして家々の門口に立ち、おリンを鳴らしながら読経をして托鉢(物乞い?)をしていた。善良そうな人もいるが、中には早く喜捨(米1合またはそれに相当する金銭)を渡して帰ってもらわないと悪さをしていくのではないかという薄気味悪い人も少なからずいた。「へんど」と呼んで蔑み嫌う所以である。 |
へんにゃこんにゃ | あべこべ |
へんば | 不公平、えこひいき・・・へんばする |
ほたえる | 騒ぐ、舞い上がる |
ぼる | (体をぼる)体に無理をかけない、体を大事にする。(子守(こぼり)と同義か) |
ま行 | |
まがる | 邪魔になる |
まける | かぶれる、こぼれる |
まっさら | 真新しい、新品 |
まっずぼ | ずぶぬれ、びしょぬれ |
まっつい | そっくり同じ、瓜二つ |
まどう | 弁償する (まどえ=弁償しろ) |
まんがええ | 運がいい、ゲンがいい |
(まんでがん) | 吉原の古老からは聞いたことがないので、東讃から善通寺までで使われていた言葉ではなかろうか。 小学校の先生が転勤して来て、よその方言をポロッと使われると児童にはそれがおもしろく、はやり言葉となる。それが「まんでがん」であった。 |
みつご | 3本爪の鍬 |
むつごい | 味が濃い、胸にこたえる |
めぐ | 壊す、 めげた・・・壊れた、 めいだ・・・壊した |
めんて(めんてい?) | 額(ひたい) |
めんどい | むずかしい、頑固な |
ものご | 入れ物、容器 |
や行 | |
やりこい | やわらかい |
やりなんこ | やり直し |
ようけ | たくさん |
ようと | 夜盗虫 |
よつべをはう | 夜暗くなって帰宅する。「夜つ辺を這う」か。「つ」は「沖つ白波」と同様 例:仕事ががいになごんなってよつべをほうたワ |
よとぎ | お通夜 |
よもよも | ぐずぐず |
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