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☆川原湯温泉日帰り散歩 (実行日:2002年1月7日)        小さな旅日記目次へ      トップページへ     

今年(2002年)のはじめ、比較的近くの有名な温泉地でありながらこれまで足を向けたことがなかった群馬県の吾妻線沿線にある温泉「川原湯温泉」へ出かけた。ここは近い将来、八ツ場ダムの建設に伴って温泉街が水没するといわれているところでもあり、しばらく前から気になっていた場所でもあった。本来なら泊まってゆっくりしたかったが、1人でもあるし予算と日程の関係で日帰り旅となった。

やや家を出遅れたため、高崎線から吾妻線に乗り換えたのはもう午後になっていた。吾妻線の電車はすべて高崎から直通する。まだ高校生が休みなのと、列車が思ったより長く4両だったことで幸い坐れた。

吾妻線沿線は温泉の宝庫で、筆者が行ったことのあるところだけでもたとえば長野原からかなり遠いけど著名な草津温泉はスキーその他で4回ほど行ったことがあり、終点の大前駅すぐ近くには立ち寄りも出来る温泉宿もある。渋川から1駅目の金島駅近くには比較的新しい立ち寄り温泉「ふうきの湯」があり、さらに3つ先の小野上温泉駅近くには(駅が出来る以前から)小野上温泉センターがある、という具合である。川原湯は古くからの温泉地でどういう雰囲気かが楽しみになってきた。途中から雪も見え始め、鉄道ファンには有名な「短いトンネル」をくぐったりして、沿っていた川がちょっとした渓谷になったころ、渋川から50分ちょっとで川原湯温泉駅へ着いた。川原湯温泉駅周辺
温泉街へ向かう坂道駅は周囲が山間になってきたあたりの入口のような立地である(写真上)。周囲には温泉街らしい雰囲気はなく、線路沿いに2,3分西へ歩くと温泉街へ向かう坂道が現れる。道は狭く、坂はかなり急な場所もあって(写真左)、以前降ったと思われる雪が溶けかかっているため、帰りに凍結したりするとかなり怖いかもしれない(^^;)。思ったより高いところに温泉街が広がっているようで、本当にこんなに上のほうまで水没してしまうのだろうか、とびっくりするほどだった。ダムとはずいぶん大規模なものだ。利根川水系を利用している人間としては何とも複雑な心境になった。

新川原湯温泉そうこうするうち、温泉街の中ほどに「新川原湯源泉」なるものを見つけた(写真左)。
よく見ると、「川原湯温泉再建のため」という記述が見られる(写真下)。これまでの源泉がどこにあったのかはわからなかったが、より高いところに源泉を確保した、ということなのだろうか。いずれにせよかなり熱い源泉のようで、「温泉卵が出来ます」の表示も見える。
新川原湯温泉の源泉表示さて、日帰り旅となると宿で温泉に、というわけにもいかないので、ぜひとも公衆浴場のようなところへ立ち寄ってみたいところである。最近は立ち寄り湯専門の新しい施設を設けるところも多く、そのような施設の中には大きな露天風呂もあったりして快適ではあるのだが、昔ながらの共同浴場の雰囲気も捨て難い。
幸い、川原湯温泉には共同浴場の「王湯」が見つかり(下の写真2枚)、さっそくひと浴びすることにする。

入口の戸を開けるといかにも、という感じのおばちゃんがいて、入浴料300円を払う。昔ながらの共同浴場としては露天風呂と内湯の両方があるのは充実している。先に露天風呂へ行ってみると、階段を降りた位置にあり、さほど広くはないが渓流があると思われる方向に面して前は斜面であり、なかなかの野趣がある。(大前駅前の温泉もこれに似ていた。) 温泉はやや熱め。外が寒いので入っていないとしんどいが、あまり長い時間つかっているわけにもいかない(^^;)。しかし熱い湯もさっぱりして気分が良いものである。川原湯温泉街共同浴場「王湯」入口
「王湯」露天風呂「王湯」内風呂露天風呂の先客は1人で、どうやら2人連れで来ているらしく、こちらと女湯とで壁を越えて大きな声で話していたのは何ともおかしい(笑)。
内湯のほうはいったん衣類を身につけないといけないようだが、こちらは入口と同じ高さに脱衣所があって、そこから階段を降りて湯船と洗い場へ行く仕組みになっていた(露天風呂とも写真左)。脱衣所から見ると立体的で面白い。

温泉でのんびりした後、暗くなる前に吾妻渓谷を眺めておこうと、名残惜しく温泉街を去り、駅の少し先に見える渓谷へ歩く。もう正月休みも終わっていた時期のせいか人はほとんどいない。かわって道路工事が行われていていささか落着かないが、車道の際から何とか渓谷の写真を収めることができた(写真右)。遊歩道も整備されているようだが日が暮れてしまいそうなのと道が凍結して来そうなので踏破は断念。何とか近いうちに再訪を果たしたいものだと思う。

夕暮れの川原湯温泉駅は少し寂しげだった。
吾妻渓谷
川原湯温泉駅川原湯郵便局にあったキャンディーの袋

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