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☆火星接近の思い出  (2003/10/16)     趣味の部屋目次へ        トップページへ      別館TOP

 


今年(2003年)は火星の接近が大いに話題になった。5万7千年ぶりの大接近と騒がれ、それは事実としても、もちろん火星はもっと頻繁に(平均して約2年2ヶ月ごとに)地球に接近している。ただし火星の軌道は太陽に近い時と遠いときでかなり差があるため、軌道上の位置によって、地球に接近するときの距離にかなり開きが生じるのも事実である。大まかに言うと、15年または17年ごとに大接近(太陽に近い位置での接近)が起こるといえる。(写真はこの9月に筆者が150mm屈折望遠鏡〜自分のものではない^^;〜にデジカメを手持ちで支えて撮影したものだがやはりブレていた^^;)
  
自分自身が初めて火星の接近を意識したのは1971年のことで、やはり大接近といわれた時だった。当時は兄が望遠鏡を持っていたこともあって、その望遠鏡で見る機会もあったが、むしろ印象に残っているのは夜空に光っているのを肉眼で見た様子だった。かなり昔のことなので記憶がありのままではないのかもしれないが、どうも今年見たのに比べてもっと赤かったような印象がある。子供の時から星には興味があったので、夜空の木星や金星の明るさはよく知っていたが、赤い色をした星がそれらと同じくらいの明るさで光っているのが強烈な印象だった。
  
特に思い出に残っているのは、夏休みに自分にとって珍しく海に出かけた時のことである。当時はまだ家族で旅行に行っていた時期で、内房の富浦の海岸に近い民宿に泊まっていたのだが、夜になると宿の地殻にあった高台に上り、空き地で星を眺めたりした。房総半島は海に近いところでも平地は案外狭いので、山道のような感じのところを懐中電灯を片手に歩き、視界が開けたところで、夜の海を見下ろしつつ天の川や火星を眺めた。遠くで灯台の光が点滅するのも(海が珍しい自分にとっては)新鮮な光景だった。今考えるとこの高台はおそらく大房岬ではなかったかと思う。必ずしも火星だけにまつわる思い出ではないが、夜の山道と明るい火星のある星空、そして夜の海の光景は忘れられない記憶である。
  
当時もふくめて子供の時に望遠鏡で見た火星の印象は、極冠が案外よく見えるなと思ったのと、黒っぽい模様がある、という印象があった程度で意外に強いものではなく、むしろ木星の縞模様や大赤斑、土星の輪などの印象が強い。おそらく火星の方は望遠鏡で表面が見えるほどはっきり大きく見える期間が短かったためかもしれない。もっともそれだけ「火星の接近」というのは話題になりやすいとも言えるだろう。
 
さて、今年の接近では望遠鏡で見る機会はごく最近に1回あっただけで、あとは肉眼で見ているだけだが、さすがに濁った空でもはっきり存在が分かり、明るさを感じる。ただ、先ほども触れたように、以前見た方が赤みが強かったように思うのは気のせいか、あるいは感じ方の違いなのだろうか。あるいは空気が以前より濁ってしまったためかもしれないが、妙に黄色みがかって見えるようにも思う。とはいえ、先日の月と火星が星空で接近して見えた光景は見事だった。このときは月と火星の位置関係が時間と共に変化していく様子がわかり、星空の中で月の位置がけっこう大きく変わっていく様子が実感できた(写真右 9月10日0時34分)。
5万7千年ぶり、とはいっても実は1971年の接近とそう大きく違う訳ではなく、私のような素人が見たのでは区別がつかない程度であり、2年後の2005年の接近も、今年よりも20%ほど遠くはなるものの、星空の中ではじゅうぶん明るく目立つ存在のはずである。実は今は子供の頃に比べると天文への熱は冷め気味で、望遠鏡も持っていないのだが、今回の火星ブーム(?)が去ったらあらためて望遠鏡を入手して星空への関心を蘇らせてみたいものだとも思う。
  

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