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☆しし座流星群観望レポート  (2001/11/19)    趣味の部屋目次へ       トップページへ     別館TOP

 かなり前から騒がれていた「しし座流星群」、以前にも話題になった年がありましたが、その時は日本ではあまり大規模な出現がなく、筆者自身も30分ほどで7個の流星を見たにとどまっていました。もっともそのうちの1個は半月くらいの明るさで地上に影が出来るほど見事な明るさで、この群は明るさに期待できそうだな、との実感をもちました。

  
  流星群が出現しているときに見えていた
木星付近の空。
流星は写っていませんので
念のため(笑)。 2001年11月19日03:23 撮影
      

 今年は日本での観測条件が良い、ということが前々から言われていましたが、筆者自身はずっと以前のジャコビニ流星群の騒ぎをちょっと思い出してしまったりで、あまり騒いで出なかったら...とちょっと思ってしまったりしました。とはいえあの時とは時代も変わったし、信頼性も上がっているでしょうから、ここはやはり気をいれて見なければ、と思ったわけです。ジャコビニの時には見沼田んぼまで数人で遠征(?)したものですが、今回は1人でもあるし北浦和の自宅からの観望で済ませることにしました。極大となる前夜の11月18日未明にも空を見上げたんですが、そのときには10分ほどで1個見つけただけでした。でも出現しているのは確認できたので、好天を祈りつつ翌日を待ちました。

 さて11月19日の未明2時過ぎ、2階の窓を開けると幸い北浦和地方は地平線付近を除きほとんど雲のない晴天。と思う間もなくたちまち東の空に1個。もう来たか、と思っていると1分経ったかどうかのうちに今度は西の空で1個。これは期待以上にすごいのではないか(^^)、と思って、あらためて防寒具を整え、念のため毛布を背負って2階の物干し台に出たのが2:27でした。さすがに雨あられとはいかないまでも次々に流星が見られ、その流れる方角を逆に延長するとまぎれもなくしし座を指しています。生まれてからこれほどたくさんの流星を見たことはなく、過去最高記録は数年前に8月上旬の山中湖畔で見つけた、35分で30個というものでしたがこの日はそれを10分程度で塗り変えてしまいました。浦和としては比較的空気も澄んでいたのか、視界の正面ならばけっこう暗い流星も見られます。ちょうどかつての五島プラネタリウムで、最後のほうのシーンで出てくる流星がありますが、あんな感じの明るさ&速さのものも実際にあるんだな、と実感しました。

 2:35を過ぎたあたりからさらに出現頻度が上がったようで、さらに3時近くになると一層出現が増えてきました。同時に3方向に放射状に流れたり、同じ場所に立て続けに流れたり、あるいは空のあちこちでほとんど同時に5,6個の流星が見えたりで、大げさでなく夢のようでした。私も最初の頃は個数を数えていたんですが、3時過ぎに220個まで数えたあたりでさすがにやめました(笑)。数え切れないほどの流星を見ることがあるとは思いませんでしたが。そういえば以前にしし座群を見たときには、どちらかというと青白くて速い流星が多かったように思ったんですが、今回の出現を見ているとけっこうオレンジ色でゆっくり流れるものも見られます。飛んだ後に「痕」が残るものも多く、また流れる最後に爆発的に明るくなるものもけっこうあって、そういうのが同時に飛んだりするとまるで花火のようでした。実際、これだけたくさん出現していると、花火を見ているような感覚になってしまいます。でも実際は大気圏上部で起こる、静かだけど壮大な花火でもあります(^^)。自分の錯覚かもしれないけど最後に爆発したあとにパッといくつかに分かれたように見えた流星もありました。

 家の前は幹線道路なので、時々自転車に乗った人たちが通ります。おそらくどこか開けた場所へ流星を見に行った帰りでしょう。考えてみればこれだけの幹線道路沿い、しかもすぐ前に24時間営業のコンビニがあり、さらに都市部の光が強くて空が明るく濁っているような空でさえこれだけ見えるんですから、空気のきれいで暗い夜空ではさぞかしすごいんでしょうね。本当に「流星雨」に近い様子になっていたのかもしれません。しかも私は1人で見ているだけなので視野の隅のほうや、あるいは反対方向に出ても見えていないわけで、そう考えると1時間に数千個、という数字も嘘ではなかったのかもしれません。

 個数を数えるのをやめた代わりに「流れ星に願いことをすると叶う」という言い伝えをちょっと思い出しましたが、流れるのを見つけるとつい「あっ」「流れた」「すごい」などと口走ってしまって難しいものです(笑)。でも見慣れてくると時々「金をくれ」「いい仕事欲しい」「○○○○欲しい」とか小声で叫ぶこともあって我ながら笑えます(^^;)。しかし未明に物干し台へ出て「金をくれ」とか声を出しているのが周囲の家やコンビニに聞こえていたとすればさぞ怪しかったことでしょう(爆)。

 4時過ぎにいったん風呂に入って暖まってから、さすがにもう見えないかな、と思って4時半頃もう一度出てみると、まだまだ勢いは衰えていませんでした。1個流れてから次が出現するまでに30秒以上待つことはまれです。さすがに眠くなってきたし、これ以上見ていたら翌日に差し支えるのは目に見えているんですが、おそらくもう一生見ることがないであろう凄まじい流星群と離れがたい思いが強く、結局5時近くまで見つづけてしまいました(^^;)。窓を閉める間際に最後に見た1個がまた見事な炸裂を見せてくれたので満足でした。

 同じ関東地方でも雲に覆われていた地域もあり、全国的に好天というわけでもなかったですし、見えなかった地域の方には申し訳ないようですが、数百年に1回という出現も頷ける気がしました。そして、ずっと以前になかなか流れないままに雲が厚くなっていったジャコビニ群のことをあらためて思い出しました。あの時に大出現したら大いに盛り上がったことでしょうが、それがなかった分、今回の楽しみが大きかった気もします。星の世界にこれだけ はまって見ていたのは久しぶりでした。

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