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 ☆2004箱根ユネッサン&食の旅                 小さな旅日記目次へ      トップページへ  

      (実行日:2004年10月30〜31日、掲載日:2005年2月7日)

この記録は2004年10月に箱根へ出かけたときの記録です。なお1日目に比べて2日目の記述が全般に短めなのは、書いた日が大幅に後だったために記憶が薄れていたことによります(苦笑)。

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【10月30日】
知人たちと箱根への1泊の旅に出た。思えば箱根と言うところには日帰りで行ったことはあるものの案外泊まっていない。今回は小涌園....には泊まれないので,その近くの「B&Bパンシオン」に泊まって夕食は小涌園,そして翌日は巨大温泉施設「ユネッサン」で過ごそう,というプランである。
箱根湯本行き特急「はこね」からの車窓
雨模様のロマンスカー車窓
  
土日の旅で,当方は土曜も昼過ぎまで仕事のため後から1人での合流である。時間の都合で新宿から小田急の特急「はこね」に乗車。ちょっと古いタイプの車両で居住性は今ひとつ。思えば自分が生まれてはじめて「座席指定」の列車に乗ったのが子供の時の家族旅行で乗った小田急のロマンスカーだった。当時は今よりずっと華やかな雰囲気が「ロマンスカー」というのにあった気がする。小田急の複々線工事の区間がずいぶん長くなったなと思いつつ,雨模様の景色を見やる。この日の「はこね」箱根湯本行きは,その半数以上のお客さんが町田で降りてしまった。土曜とはいえ午後なのでもう温泉客は少ないのかもしれない。渋沢からはしばらくかなりの山間部を通り,新松田に来ると平野に出て,ちょっと文化圏を移動した感じがする。
箱根湯本駅から強羅行きの電車
箱根湯本駅からはいよいよ登山鉄道の本領
  
小田原からは箱根登山線を進むが並行する道路はかなりの渋滞で,やはり週末の箱根は混雑するのだろうか。終点目前の入生田で対向列車の待ち合わせ。「なんで止まっているの」と親に何回も聞く子供がいた。箱根湯本が近づくとさすがに車窓には大きな旅館群が見えてくるが,特急の終点・箱根湯本駅は思ったほど大きな駅ではなかった。子供の時にも来ているはずだが案外記憶がはっきりしない。ここで降りる人も多く,同じホームの向かい側から発車する強羅行きはそんなに混雑せずに助かった。何しろここからは2両かせいぜい3両なので輸送力が一気に減るのである。
車内精算券。小田原〜宮ノ下
車内補充券。小田原〜宮ノ下
  
ドア横のロングシートに座る。箱根湯本を出るといきなり急勾配でさすが「登山鉄道」である。当方の目的地は宮ノ下で,新宿で時間がなかったため切符を小田原までしか買っていなかったので車掌に精算してもらうと,今となっては懐かしい長い紙の精算券(というのだろうか)が渡された。路線図が書いてあって関係する駅に穴を空けるタイプである。小田急線はもとより,ケーブルカーの早雲山駅まで描かれているのはたいしたものである。塔ノ沢や大平台のあたりはかなりの山中で,雨も激しくなり,もう夕方で周囲も暗くなっていく中,スイッチバックで行き来する列車がこれだけの本数運転されているのが不思議に思えてくるような雰囲気だった。やはり箱根はただものではない場所なのだろう。
雨の降りしきる宮ノ下駅
雨が強い宮ノ下駅。温泉地は急坂を下ったところ
 
 
宮ノ下へ着くと,降りたのは自分含め数人。残りの下車客は1グループのようだ。それにしてもすごい雨で,国道まで降りる坂道を水がかなりの勢いで流れ下っている。合流するメンバーの1人とまず待ち合わせ,箱根には珍しく共同浴場的な雰囲気の「太閤の湯」へ向かう。箱根の大温泉地とはまた別の世界のようなひなびた浴場で,窓の外の景色を見ながら熱い湯を浴びた。ここで今回のメンバーと合流。最近は1人旅以外でも我ながらこういう現地集合的な旅が増えた気がする。
 まずは近く?のコンビニエンスストアで夜の宴会用の買い出し。ここからはバスで小涌園方面へ移動するのだが,雨模様でもあってまだ道路が込んでいるのか,目的のバスが来たのはかなり時間が経っていた。バスの乗車率も良い。小涌園周辺には関係施設も多く乗り降りも多いが,我々が泊まる「B&Bパンシオン」は「ホテル小涌園」や翌日行く予定の「ユネッサン」などのバス停を過ぎた「ヴェルデの森」とやらで降りるらしい。しかし降りてみると小涌園とそんなに離れているように見えないにも関わらず,街灯もまばらな山道という感じで心許ない。メンバーの1人が電話で問い合わせて結局「パンシオン」の駐車場側からたどり着く。それにしても「パンシオン」という名前を聞くとつい胃腸薬を思い出してしまうのは自分だけではなかったようだ。
B&Bパンシオンの部屋の中
B&Bパンシオン室内。バスはない
 
かなり立派な建物で、フロントから部屋までは曲がりくねった通路や階段をかなり歩く。なぜここにこれほど大規模なシングル主体の宿泊施設があるのかも不思議だが、温泉地には1人で泊まりやすい宿が少ないのでそういう需要はそれなりにあるのだろう。6人グループの我々も今回はそれぞれシングルに分かれての宿泊となる。部屋に風呂がない代り、温泉大浴場(それほど大きくはないが)が設けられているし、どうせ翌日は温泉に半日つかっているわけだから十分ではある。もう夕方6時を回ってすっかり暗くなったが、夕食前に温泉にひと浴びしに行ってみた。無色透明なので今ひとつ温泉っぽくないが空いていてゆったり浸かれた。
さて夕食は豪勢にホテルのバイキングとし、施設内を循環するバスでホテル小涌園へ移動。「グランヴェール」というレストランへ入る。ファミリーレストラン等のバイキングと違い、さすがに4000円以上するだけあってフカヒレスープ、サーロインステーキなど上質でうまいものが堪能できた。以下に自分が食べた分の画像を紹介しておく。意外なのはアイスクリームのうまさだった。
カニ・フカヒレスープ・キノコ飯・サラダ・寿司サラダ・フカヒレスープ・蕎麦・寿司・サーロインステーキ
ケーキ各種・杏仁豆腐・コーヒーラーメン・アイスクリーム・コーヒー
夜の小涌園ホテル前
夜の小涌園ホテル前
帰り、雨はまだ激しいが「山のほうに星が見ているのでは?」という発言もあってしばし捜索するが灯火だったようだ。ともあれ明日の好天を期してバスでB&Bに戻る。あとは1つの部屋に飲み物等を持ち寄って0時過ぎまで歓談。すぐ近くに寝る部屋がある、という安心感のあるオフ会?も楽しい。
 
(なお自分の部屋に戻ってからTVでスーパーサッカーを見て、浦和ががセレッソに勝ち、市原とガンバが引き分け、という結果を知った。これでほぼステージ優勝は決まりだろうと確信)
    
 
【10月31日】
B&Bパンシオンから朝の景色
B&Bパンシオンからの眺め
 
翌朝はパンシオンでパン中心の朝食をセルフサービスで取る。晴れてはいないものの天候は回復に向かっているようでひと安心。この日のメインは温泉施設「ユネッサン」。隣接する「森の湯」と合わせてノーマル料金だと3500円もかかるところを、パンシオン宿泊と組み合わせた企画商品なので実はかなり安上がりなのだった。水着で入る温泉施設というと越生のゆうパークに行ったことがあるが、これほど大規模なところは初めてである。
ユネッサン館内・魚の骨型案内標識
ユネッサン館内の標識(?)
 
チェックインの付近は大行列。待っている間にも中の施設の一部が見えるのだがプールとも遊園地ともつかない不思議な雰囲気である。入場してロッカールームへ行く途中にも魚の骨型の道案内があったりで今ひとつコンセプトが不明である。
コーヒー風呂用ドリップ?
ネルドリップ方式の給湯装置?

 
ロッカールームの向こう?で待合せていよいよ中へ。道路の上を越えたりまた階段があったりと迷路的な通路を抜け、ユネッサン本体へ。温水プールの周囲に売店が建ち並ぶ空間を抜けて屋外へ出るといきなりコーヒー風呂。ネルドリップ方式だそうだ。かなりの急斜面を登っていくと今回のお目当てだった「緑茶風呂」が姿を現す。でかい急須の口から緑色の湯が流れ出ている風情は温泉地を超越する何かがあった。もちろん入って急須の口からの湯を両手で受けとめてみる。
待ち時間表示つき間欠泉
間欠泉
どうみても山の斜面という景色での緑茶の風呂に入り、見上げれば間欠泉(待ち時間表示つき)、見下ろせば温泉が流れ下る水路。ハイキングに来た先の公園であるかのような山地に一大温泉施設、という雰囲気は独特で、もちろん初体験。緑茶のさらに上には炭風呂、ちょっと斜面を下りるとピンク色に染まった湯(香り風呂?)まであり、自分の手足が染まって見えるのも怪しい感覚。そして先ほどのネルドリップコーヒー風呂で香ばしくなったりと何でもありである。
館内での食事や飲食は、入館時に渡されるリストバンドで会計が処理されるが、飲み物の自動販売機までキャッシュレスになっていて、あらかじめリストバンドをセンサーに接触させてからボタンを押すのだった。こういう方式は初体験である。
今度は屋内のスペースへ。あとで知ったのだが本来の「ユネッサン」はこのヨーロッパ風?ゾーンのことで、緑茶などがある斜面のほうは「湯〜とぴあ」というゾーンらしい。まあ両方合わせてユネッサンと呼んでいるみたいだからいいだろう。エーゲ海をイメージしたという温泉では時折雷の音が響いたりシャボン玉が吹き出したりとこちらも不思議なイベントが繰り返され、そのたびに入っていた子供達が騒ぐ。この辺の正体不明感も最高だ。塩分が強烈で古傷がうずく死海風呂で体が軽くなってみたり、「トルコ風ハマム」ではなぜか足湯があったり、洞窟風呂を探検したり、ふたたび屋外でスライダー温泉で滑走したり。スライダーの待ち時間がちょっと寒いが滑った後には近くにサウナが待ち受ける、といった具合で、考えてみれば4時間近くにわたって風呂に出たり入ったり、という経験自体も初めてだったかもしれない。1人で来る気にはなれないし、温泉でゆっくり、という雰囲気とは別ものだけど、一度は来てみる価値がある、と思ったのは事実である。
ユネッサン土産売場と「絶叫温泉」
特に叫んだ記憶はない
 
あとは隣接している普通の(?)裸で入る温泉「森の湯」でしばし暖まる。ここも斜面を生かした露天風呂が充実していた。露天風呂好きの自分にはありがたい。
 
チェックアウト後はお約束ともいえる土産物売場があり、当方は特に買い物はしないが「絶叫温泉」のでかい掲示が目立つ。「on泉off呂」というコピー?もパソ通ファンとしては気になる。なんにせよオンとオフのバランスが大事かもしれない(?)。
「箱根ビール蔵」の料理
練り物づくし? 香辛料も豊富

 
この後はバスで小涌園をあとにする。かなりのバス利用者があるが、箱根のバス路線は箱根登山鉄道系と伊豆箱根鉄道系が別個に存在していてフリー乗車券なども双方で別々なので分かりにくい。協調して便利にすれば両者とも利益になると思うがなかなか難しいのだろうか。バスは途中渋滞しながら麓へ下り、湯本温泉を抜けて「風祭」で下車。ここでは蒲鉾で有名な「鈴廣」の博物館を見学する。休憩所もあってお茶(アルコールの人もあり)と蒲鉾でしばし休憩。夕食はその近くにある「箱根ビール蔵」へ。練り物を主体とした料理で打ち上げとする。「蒲鉾のカルパッチョ」はおそらくここくらいしかないメニューであろう。練り物につける香辛料やトッピング?の種類の多さも特徴だろうか。
箱根登山鉄道・風祭駅 標高47m
ここはもう意外に標高は低かった
当方は時間の都合で一行と分かれてここから1人で箱根登山鉄道の風祭駅から帰途につく。この駅でパスネットを売っていたのは意外だったが風祭駅では使えなかった。小田原から乗ったロマンスカーはたまたま展望席のすぐ後ろで、夜景を楽しみつつ新宿へ向かった。箱根に行って大涌谷にも芦ノ湖にも行かず、ひたすら温泉と食で過ごした2日間だったが掛け値なしに楽しめたし、こういう旅もいいものだと思う。

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