このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

京都市左京区八瀬花尻町

創業明治34(1901)年。

長く地元だけで食されてきたしば漬けを商品化したのが、
このお店の初代社長だそうです。

ちなみに、「志ば漬」は、このお店の登録商標です。

大阪万博会場に出店し、知名度が一挙に向上、
特産のしば漬けも全国的な人気商品となりました。

このお店は、今でも昔からの木樽で漬け、しば漬けの
材料となるシソを昔から自家栽培されています。

京都の山里、大原の特産品、しば漬け。
でも、しば漬けのしばって何のこと? このように思われる人も多いかもしれません。
じつは、シソの葉のことなんです。
つぎのようなふたつのエピソードが残っています。

ひとつめは、源平合戦の最後、壇ノ浦の戦いでからくも命を救われた安徳天皇の母
建礼門院が、侘び住まいの大原・寂光院の庵で、「せめて山里の暮らしを彩るものをと思うて
シソの色がついた漬物を作ってみたのですが・・・」という建礼門院自らが漬けた説。

ふたつめは、寂光院に隠せいする建礼門院に、里人がシソの色と香りがするナス、ウリなどの
塩漬けを献上したところ喜ばれ、紫の葉漬けと書いて紫葉漬け(しばづけ)と名づけたという説。

若狭街道沿いの、山に囲まれた大原は寒暖の差が激しく、適度な湿度がシソの栽培に適して
いるそうです。

5〜6月に植え込まれたシソは、7月になると葉の採りいれが始まります。
地元では、伝統的に新鮮なシソの葉とともに夏野菜のナス・ミョウガを漬け込みます。
よくキュウリも一緒に漬け込むように言われますが、キュウリとナスでは塩分の量が違うために、
どちらかに塩度をあわせると味にムラが出るそうです。

夏に漬けて2〜3ヶ月後の10月くらいが、いわば旬となり、新漬けを楽しめます。

このしば漬けは、もともとは冬場の保存食だったそうです。

大原では、各家庭でしば漬けを作り、昔は多くの家に別棟として漬物小屋が見られたそうで、
シソの種は代々家宝のごとく守られ、余程の不作でない限り、他人から種は借りないそうです。

土井志ば漬本舗

土井志ば漬本舗

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