このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

名馬・あの瞬間

2002年「クイーンエリザベスⅡ世カップ」
優勝馬エイシンプレストン

 海外のG1レースを日本の馬が優勝するだけでもかなり凄いことなのに、 出走した2頭の日本馬がワンツーフィニッシュを決めた!という物凄い 快挙を成し遂げたのが、2002年(平成14年)の香港の沙田(「シャテイン」って読みます)競馬場 で行われた「クイーンエリザベスⅡ世カップ」でした。

 実は、この半年前に、同じ沙田競馬場で行われた香港の国際招待競走デーで、 ステイゴールドが「香港ヴァーズ」(芝・2400m)を、 エイシンプレストンが「香港マイル」(芝・1600m)を、 そして、アグネスデジタルが「香港カップ」(芝・2000m)を優勝と、 1日に3つ行われた国際G1競走の全てを日本馬が優勝という大快挙を 行ってました。

 そして、その中の2頭、「香港カップ」の勝ち馬のアグネスデジタルと、 「香港マイル」の勝ち馬のエイシンプレストンの2頭が、再び香港での G1制覇を目指して遠征しました。

 共に実力も実績も兼ね備えた2頭の遠征。ファンの期待としては、史上初の 海外重賞での日本馬のワンツーだったのですが、十分すぎるほどに期待できる 状況でした。

 ただ、この2頭の臨戦過程は好対照でした。

 暮れの「香港マイル」を勝った後は、ここ1本に照準を絞ったエイシンプレストン の方は、休み明けに「中山記念」を一叩き(5着)しての参戦。

 一方のアグネスデジタルの方は、「香港カップ」の後に、「フェブラリー ステークス」にも優勝して、「南部杯」「天皇賞」「香港カップ」 「フェブラリーステークス」と、G1レースに4回連続出走で4連勝という 大快挙を達成。しかも、走った競馬場がJRAだけでなく、地方競馬あり、 海外競馬あり、さらには芝でもダートでもってことで、本当に物凄い大活躍。 そして、最大目標としていたのが、世界最高峰と言われる「ドバイワールドカップ」 でした。

 ただ、輸送のトラブルもあって、ドバイでは6着と惨敗・・・。 そして、その次のレースとして選んだのが、この 「クイーンエリザベスⅡ世カップ」でした。

 ま、この過程だけ見ると、ここ1本に絞ったプレストンの方が、ちょっと 有利かなというのが走る前の印象でした。

 この日の人気としては、1番人気はUAEのグランデラ。それに続く 2番人気がエイシンプレストンで、アグネスデジタルは3番人気でした。

 そしてレースです。

 この日はグリーンチャンネルでレース観戦。ただ、音声トラブルで、 日本語での実況中継がオンエアできない中でのスタート。 ということで、現地の英語での実況を聴きながらの観戦となってしまい、 日本馬以外の馬はどれがどれだかわからないような状況に・・・。

 そんなこともあってか、ひたすら日本の2頭の位置取りをチェックしてい たのを、この度再びビデオを見直して思い出しました。

 勝負所の4コーナー過ぎ。

 人気のブランデラが早目に先頭に立つところに、インから黄色い勝負服の 馬が強襲!これがアグネスデジタルでした。道中はじっとインで脚をためて いたアグネスデジタルが、直線に入ると一気の脚で人気のグランデラをかわして 先頭に。

 と、そのアグネスデジタルを、大外から強襲する馬が1頭。これが エイシンプレストン!

 ゴール直前では、日本の2頭が完全に抜け出して、一騎打ちに!

 そして、ゴール前でわずかにアグネスを捕らえたプレストンが、 暮れの「香港マイル」に続いて、香港でのG1を2連勝。

 2着にはアグネスデジタルで、最後追い込んだ地元香港のインディジェナス が3着に入りました。グランデラは5着。

 日本馬が海外のG1でワンツーフィニッシュの快挙を初めて達成した瞬間 でした!

 エイシンプレストンは、2歳時に「朝日杯3歳ステークス」を優勝して G1ホースに。

 3歳になると、最大目標にしていた「NHKマイルカップ」を故障で回避と 残念なシーズンでしたが、古馬になって復活。4歳の秋には「毎日王冠」を 優勝後、「マイルチャンピオンシップ」が2着、「香港マイル」に優勝と 大活躍。

 その後も、古馬の中距離路線の主役の1頭として活躍を続け、特に香港での レースに強く、「クイーンエリザベスⅡ世カップ」は、この2002年に 続いて、翌2003年のレースも優勝。鞍上の福永騎手とのコンビは、 香港でも人気になりました。

 ただ残念だったのが、「香港カップ」に優勝できなかったこと。 香港最大のレースだけに、これも勝って香港で3つ目のタイトルを!と 期待されて、実際に2度出走したものの、結果的に勝つことができずに、 これだけがちょっと残念でしたが、それでもG1を4勝もした馬なんで、 本当によく頑張ったなって思います。

 ということで、今年は日本からの出走はありませんでしたが、 「クイーンエリザベスⅡ世カップ」の思い出を書いてみました。  

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